ファミリーカーの新たな定番に
ボルボは、「XC60」の累積販売台数が270万台を超え、かつての「240」を抜き、同社史上最も売れたモデルになったと発表した。
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2008年のデビュー以来、ボルボ・カーズのミッドサイズSUVであるXC60は、安全性、品質、そしてプレミアムなドライビング体験を重視する幅広い層のドライバーから支持され、長年にわたり高い人気を誇っていると、ボルボでは説明している。
当初は欧州のみで生産されていたXC60は、後にボルボ初のグローバルモデルとして中国でも生産され現地での販売を支えているほか、2018年には「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれている。現行モデルのXC60は、プラグインハイブリッド車をより幅広い層の顧客に販売し、昨年、欧州で最も売れたプラグインハイブリッド車になったという。

また現行XC60は先ごろ大幅なリフレッシュが施されており、ボルボでは「モダンなデザイン、より直感的なユーザー・エクスペリエンス、向上した快適性、より応答性の高いインフォテインメント・システムを備え」たとしている。
ボルボ・カーズのグローバル・オファー責任者のスザンヌ・ハグランド氏は以下のように述べた。
「1980年代のスウェーデンで育った私にとって、ボルボ240はまさに象徴的なファミリーカーでした。どの家の前にも必ずと言っていいほど停まっていたものです。
現在、XC60は2つの面でそのポジションを引き継いでいます。ファミリーカーの定番としてだけでなく、ボルボ・カーズの歴代ベストセラーモデルとなったこと、それ自体がこの車の成功を何よりも物語っています。そして、今回の刷新により、さらなる進化を遂げています」
理想的なファミリーカーとして
XC60は、最先端の安全機能、スカンジナビアンデザイン、そしてSUVならではの利便性を、自信に満ちたパッケージに融合させた、ファミリー向けの理想的なオールラウンダーモデルとされている。家族に信頼されるクルマをつくるというボルボ・カーズが誇る伝統の中で、XC60はその中核をなすものだという。
ボルボ240エステートは長年にわたって世界中のファミリーに人気のある選択肢であったと言えるだろう。今日ではSUVがエステートに代わってファミリー向け選択肢の定番となっている。XC60が新たにボルボ・カーズの歴代ベストセラーモデルになったことは、ユーザーの求めるもの・必要とするものが変化したことを明確に反映している。
安全技術のこれまでとこれから
ボルボ240は1974年に発売され、その後にも通じる安全基準を確立した。その代表的な例は、強化されたキャビンを持ちつつフロントとリアをクラッシャブルゾーンとしたボディであろう。また、強化された側面衝突保護を初めて採用した車のひとつでもある。これは後に、ボルボの特許取得技術である側面衝撃吸収システム(SIPS)へと進化した。

一方、ボルボXC60も、これまでも数多くの先進安全技術を導入してきた。たとえばシティセーフティは、時速30km以下の走行時における衝突回避または被害の軽減を支援するとされる、世界初の標準装備の低速自動緊急ブレーキシステムだ。
もう一つの世界初として、XC60は2017年に「オングミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」を導入。これは、対向車線に逸脱した場合に、自動でステアリング操作を行い、自車線へ戻すというシステムである。240に見られる安全思想はXC60になっても変わらず、そしてさらに進化していくことだろう。
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