
「ゆっくり走ろう」でお馴染みハイオーナーカー
今や国産旧車のキット化なら任せろと言わんばかりのハセガワから、またも新製品アナウンスがなされたのでお伝えしたい。1/24スケール・プラモデルとして、「ニッサン ローレル HT 2000 SGX(KHC130)後期型(1973)」が、2025年11月22日頃に発売予定ということである。
【画像40枚】完成写真や試作パーツの画像からローレルの再現ぶりを確認する
カスタムのベースとしても大人気
セドリックとブルーバードの中間を埋める車種として1968年に登場した“ハイオーナーカー”ローレルは、1972年4月にフルモデルチェンジを行い、2代目・C130型系へと移行した。車体サイズの拡大や6気筒エンジン搭載車の設定、装備やバリエーションの拡充、安全対策・公害対策の進化などを行いつつ、ボディ形式が4ドア・セダンと2ドア・ハードトップの2種類であるのは初代と同様だった。
シャシー周りはGC110型スカイラインGT(ローレルより遅れて登場)とほぼ共用だが、ホイールベースは2670mmで、スカイラインより60mmほど長い。スタイリングは、そのサイズ感を活かし「優雅でダイナミックな彫刻美」を盛り込んだもので、車体中央あたりでZ字を描くキャラクターラインが特徴。さらに2ドアには、当時のアメリカ車のようにテールランプをバンパーに埋め込むという独特の処理が取り入れられていた。
エンジンはスカイラインと同じ直列6気筒OHC 2LのL20をローレルにも採用、シングルキャブ(最高出力115ps)とツインキャブ(ハイオク仕様で130ps)の2種類があり、他に4気筒OHCのG型が3種類(1.8LのG18、2LのG20、そしてそのツインキャブ仕様)の3種類。ハードトップで最高グレードとなるのは、ツインキャブのL20を搭載したSGXである。
1973年10月にはマイナーチェンジとともに2.6L車を追加。この後も排ガス規制適合やそのためのエンジンラインナップの変更、2.6Lから2.8Lへの拡大などを行いつつ5年近く生産され、1977年1月に3代目へとモデルチェンジを行っている。また、中古車となってからも街道レーサー的方面で大人気を博した。サーフィンラインのあるスカイラインと違い、後輪に太いタイヤを装着しやすかったのもその理由とされるのは、よく知られた話であろう。

今回ハセガワが製品化するのは、1973年10月にマイナーチェンジを受けて以降の後期型。フロントマスクで最も目に付く違いは円筒形のライトベゼルが備わったことだが、そのパーツ表面の凹凸形状もしっかりと再現されている。こんな小さな部分が顔つきの表情にも小さくない影響を及ぼすのである。
実車におけるケンメリとの設計共用化ぶりがキットでも理解できる
今回ハセガワがキット化するのはこのC130型系ローレルのうち、1973年のマイナーチェンジを受けてからのハードトップSGXである。キットが銘打っている通り、ざっくりと言えば後期型だが、1975年の排ガス規制適合以降を後期型とする分類もあり、それに則ると中期型という言い方にもなる。
今回は珍しく、製品化の発表と同時に完成見本が公開されている。この記事ですでにご覧いただいているのがその写真だが、実車と見紛うばかりのプロポーションの良さやディテールの正確さなど、その素晴らしさが伝わりすぎるくらいに伝わってくると言えるだろう。ケンメリと基本を共用しながらもホイールベースが延長されたシャシー、スポーティなムードとラグジュアリー感を兼ね備えたインテリアなども見所だ。。
ボディはホワイト成型となり、前後バンパーやフロントグリル、ライト鏡面、その他ディテールの多くはメッキパーツで用意される。窓の塗り分け用マスクシールも付属し、価格は3,630円(税込)、発売時期は2025年11月22日頃の予定だ。キットの詳細は完成写真だけでなく試作パーツの細部写真も併せてご紹介しているので、画像ギャラリーと各画像に添えたキャプションをご参照いただきたい。