3800人以上の熱狂的なファンが集う
2025年12月15日、タイのバンコクにあるインパクト・スピードパークにて、「Das Treffen(ダス・トレッフェン)」の記念すべき第10回大会が開催された。このイベントには、3800人以上の熱狂的なファンと、世代を超えた734台のポルシェが集結した。
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ポルシェに対する献身と情熱の結晶
ポルシェ愛好家であるシハブトル・“テン”・スームサイ氏によって考案されたこのイベントは、当初は志を同じくする愛好家たちのカジュアルな集まりとして始まった。それが今や、情熱と仲間意識、そして世代を結ぶ車を鮮やかに示す、地域で最も期待されるポルシェ・コミュニティの祭典へと進化した。
シハブトル・“テン”・スームサイ氏は次のように述べている。
「初めてここで少人数の愛好家グループとして集まったとき、ダス・トレッフェンが10回目を迎えるとは予想もしていませんでした。この成果は、パートナーの皆様の揺るぎないサポートと、アジア全域の素晴らしいポルシェ・コミュニティのおかげで実現しました。皆様のポルシェに対する献身と情熱が、毎年このイベントに命を吹き込んでくれています。私とチームは深く感謝しており、次の10年が何をもたらすのか、心からワクワクしています」
展示内容とテーマゾーン
ポルシェ・タイランドは、インパクト・スピードパークを、ポルシェ・ホスピタリティ・ビレッジを中心とした一連のテーマゾーンへと変貌させた。会場にはテーマ別のゾーンが設けられ、ポルシェの象徴的な過去のモデルから最先端のイノベーション、そして多様なライフスタイルの魅力までが披露されたのである。
来場者は、ポルシェ・ライフスタイル・ブティックで限定グッズを探したり、最新のレーシングシミュレーターでお気に入りのポルシェを駆ってコースを仮想走行したりと、モータースポーツの興奮を体験することができた。
会場に設けられたゾーンは次のようなものであった。まず「モータースポーツ」ゾーンでは、ポルシェ・ミュージアムから特別に空輸されたポルシェ「956」を展示。1980年代の耐久レースを席巻し、1982年から1985年までル・マン24時間レースで4連続総合優勝を果たした、伝説的マシーンである。その隣には、IMSAチャンピオンシップでの勝利と2025年ル・マンでの2位入賞を果たしたばかりの、最先端の963LMDhレースカーが並んだ。
「アドベンチャー」ゾーンには、マレーシアでタイ向けに製造された「カイエンS E-ハイブリッド・クーペ」が飾られた。これは、バンコクからシュトゥットガルトまで22000キロメートル、17カ国を61日間かけて横断し、その耐久性と汎用性を証明した車両である。
さらに、「パフォーマンス」ゾーンではスポーツカーの世界的なベンチマークであり続けている「911」と「718」を、「アーバン」ゾーンでは電動化と汎用性の先駆者として「タイカン」と「マカン」を紹介。「ヘリテージ」ゾーンでは、活気ある1970年代のカラーやパターン、ライフスタイルを祝う限定モデル「911 Spirit 70」が展示された。
コミュニティの結束
ダス・トレッフェン第10回開催に合わせ、ポルシェ・アジアパシフィックは、アジア全域のポルシェ・クラブ会長と経営幹部を集め、初の「リージョナル・ポルシェ・クラブ・プレジデント・ミーティング」をバンコクで開催した。ここでは各クラブが2025年の主要な取り組みを発表し、ベストプラクティスを共有して、グローバルなポルシェ・ファミリー内の連携を強化する場になったという。
お祝いは夜まで続き、トンロー中心部にあるポルシェの没入型ライフスタイル空間「Curvistan Bangkok(カービスタン・バンコク)」でポルシェ・クラブ・ナイトが開催された。アジア全域から280名以上のクラブ会員が集まり、ステファン・ボグナー氏がキュレーションした「ポルシェ・コミュニティ」に捧げる最新展示のオープニングを祝ったのである。
ポルシェ・アジアパシフィックのマーケティング・ディレクターであるヤニック・オット氏は次のように述べている。
「ポルシェ・コミュニティは私たちのブランドの鼓動です。ダス・トレッフェン、カービスタン、そして初開催のリージョナル・ポルシェ・クラブ・プレジデント・ミーティングは、ポルシェ・エンブレムの背後にある情熱や目的、そしてそれらを抱く人々が一体となって、いかに真の独自なものが生み出されるかを実感させてくれます。それこそが、私たちのブランドを前進させる精神なのです」
【ル・ボラン編集部より】
灼熱の地・バンコクで開催された「Das Treffen」。3800人の熱狂と734台という数字は、ポルシェというブランドが持つ「求心力」の凄まじさを如実に物語っている。会場に並んだ伝説の956と最新の963は、単なる新旧の展示ではなく、シュトゥットガルトから脈々と受け継がれる「勝利の系譜」そのものだ。我々が日頃の試乗で痛感する、911の唯一無二のベンチマークとしての真価や、カイエンの全方位的な全能性。それらが国境や文化を超え、ここアジアの地でも深く愛され、コミュニティとして結実している事実に、改めてこのブランドの奥深さを思い知らされる。
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