コラム

なぜ「ウインカーは左側」にあるのか。「日本の常識」を覆すISO規格と操作安全の論理【メルセデス安全原論 03】《LE VOLANT LAB》

メルセデス・ベンツのステアリングを握りドライブしていると、その操作類にメルセデス・ベンツ独自の安全対策が施してあることに必ず気付く。写真はCLA/C118。
メルセデス・ベンツのステアリングを握りドライブしていると、その操作類にメルセデス・ベンツ独自の安全対策が施してあることに必ず気付く。写真はSクラス/W222。
操作類は容易に手の届く位置に設置した中央集中型で、扱いやすくなっている。
操作類は容易に手の届く位置に設置した中央集中型で、扱いやすくなっている。写真はSクラス/W220。
最新モデルでもドライバーの手の届きやすい位置に操作類は設置されているので、運転に集中でき安全である(メルセデス・ベンツの伝統)。写真はEクラス/W214。
よく使うスイッチやレバーはステアリングホイール内の手が届きやすい場所に設置してある。写真は分解したハンドルとよく使うコンビネーションスイッチ・レバー類。
メルセデス・ベンツのハンドルは普通よりも少し径が大きく楕円形である。それは平均的人間の肩幅に合わせ、左右の腕を自然に前に伸ばしたところにピッタリと決まり、操作感覚を高める設計にしているからだ。写真はCクラス/W205。
ハンドルは大径で、しかもある程度太いグリップが握る力も少なくて済み、同時に長距離運転でも疲労も少なくて済む。写真はCクラス/W205。
ハンドルは「小鳥をつかんでいるように握る」のがコツである。
メルセデス・ベンツのエンジニアはウインカー/ワイパー/パッシングライト/ウォッシャーの4機能を集中して操作できる、独自の1本のコンビネーションスイッチ・レバーをステアリングコラム左内側のストークに集結し、ハンドルから手を離さずに前方を見ながら容易に操作できるようにしている。
右内側にはオートマチックのダイレクトセレクトレバーを配置(P/R/N/D)。
メルセデス・ベンツは、特に1993年以後に発表されたCクラスセダン/W202から、どんな場合でも、「あとから操作したウインカーが優先」される設計。これは発進時の危険を少しでも減らすために、人間が操作する以前の重要なポイントでの機能を知り尽くしたメルセデス・ベンツの操作安全設計。写真はハザードスイッチのアップ。
ハザードスイッチをオンにし、前後左右のウインカーを点滅させた状態。写真はEクラス/W213のリアハザード点滅中。
再発進時にドライバーがハザードランプ点滅中、ウインカーレバーを操作し走行車線の右側に進入する意思を示すと、メルセデス・ベンツは右側ウインカーのみ点滅する。拡大写真はEクラス/W213のリアウインカー点滅中。
ヘッドライトスイッチは安全のために、必ず運転席側のダッシュボード下側に設置。写真はCクラス/W205。
ヘッドライトスイッチは安全のために、必ず運転席側のダッシュボード下側に設置。写真はEクラス/W213。
ヘッドライトスイッチは安全のために、必ず運転席側のダッシュボード下側に設置。写真は最新のCLA/C118。
シートをかたどった形状のユニークなパワーシートスイッチの採用は1979年のSクラス/W126から。写真はSクラス/W126のパワーシートスイッチ。
最近モデルでは、特にカドが無くなめらかで安全、しかも「指の腹」で押すようになっている。これは、マニキュアやネイルケアをした女性の指や爪を傷つけないための優しい気配り設計。しかも、3名分のシートポジションをメモリーできる。写真はSクラス/W222。
最近モデルでは、特にカドが無くなめらかで安全、しかも「指の腹」で押すようになっている。これは、マニキュアやネイルケアをした女性の指や爪を傷つけないための優しい気配り設計。しかも、3名分のシートポジションをメモリーできる。写真はEクラス/W213。
最近モデルでは、特にカドが無くなめらかで安全、しかも「指の腹」で押すようになっている。これは、マニキュアやネイルケアをした女性の指や爪を傷つけないための優しい気配り設計。しかも、3名分のシートポジションをメモリーできる。写真はCLA/C118。
最近のモデルではワンタッチパワーウィンドウのスイッチ自体がドアの内側に付いているので分かりやすく、操作も簡単で楽である。挟み込み防止機能付で安全。写真はパワーウインドウのスイッチ、パワーシートスイッチ、シートヒータースイッチ付き。
メルセデス・ベンツのステアリングを握りドライブしていると、その操作類にメルセデス・ベンツ独自の安全対策が施してあることに必ず気付く。写真はCLA/C118。

3 操作安全性:簡単で分かりやすい操作と独自の安全対策

メルセデス・ベンツの安全性に関する揺るぎない設計思想と技術の系譜を紹介する本連載。第3回となる今回は、ドライバーとクルマのインターフェイスである「操作系」に宿る安全哲学を紐解く。

メルセデス・ベンツをはじめとする輸入車のステアリングを握ったとき、多くの日本人が最初に戸惑うのが「左側のウインカーレバー」だろう。なぜ、日本車とは逆の位置にあるのか。そこには単なる慣習の違いではなく、ISO規格(国際標準化機構)に基づいた明確な「論理」が存在する。

メルセデス・ベンツのコックピットは、どのモデルに乗り換えても操作類の配置が統一され、違和感なく扱えるのが特徴だ。すべてのスイッチは人間工学に基づき、運転姿勢を変えずにブラインドタッチができる位置に集約されている。なぜウインカーは左なのか。なぜライトスイッチはダッシュボードにあるのか。それらすべてには、誤操作を防ぎ、0.1秒の判断遅れを排除するための「操作安全」の思想が貫かれているのである。

【画像22枚】指先ひとつで操る「論理」。歴代SクラスやCクラスに見る、人間工学を極めたスイッチ類の変遷

なぜ「大径」で「楕円」なのか。疲れないハンドルの正解

メルセデス・ベンツのハンドルは普通よりも少し径が大きく楕円形である。それは平均的な人間の肩幅に合わせ、左右の腕を自然に前に伸ばしたところでピタリと決まり、操作感覚を高める設計にしているからである。しかも、グリップは適度に太い方が良いことも長年にわたる経験の結果、この結論に達している。つまり、大径で、ある程度太いグリップは握る力も少なくて済み、同時に長距離運転でも疲労が少なくて済む。筆者から言えば、「小鳥をつかんでいるように握る」のがコツである。

メルセデス・ベンツのハンドルは普通よりも少し径が大きく楕円形である。それは平均的人間の肩幅に合わせ、左右の腕を自然に前に伸ばしたところにピッタリと決まり、操作感覚を高める設計にしているからだ。写真はCクラス/W205。

写真はCクラス/W205。

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フォト=メルセデス・ベンツAG、妻谷コレクション、ル・ボラン

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