ニュース&トピックス

女性主役のKYOJO CUPが10周年。富下李央菜の開幕戦2連勝と、世界を見据えた語学教育支援

KYOJO CUP:富下李央菜選手
10年目を迎えたKYOJO CUP
KYOJO CUP 10周年記念 記者発表会
KYOJO CUPの代表を務める関谷正徳氏
株式会社EdulinX(エデュリンクス)のピーター A. オワンス社長
KYOJO CUP代表の関谷正徳氏(左)と、株式会社EdulinX(エデュリンクス)のピーター A. オワンス社長(右)
KYOJO CUPと語学教育のプロフェッショナル・株式会社EdulinX(エデュリンクス)とのパートナーシップが結ばれた
KYOJO CUP:佐々木藍咲選手
KYOJO CUP:佐藤こころ選手
KYOJO CUP:富下李央菜選手
KYOJO CUP:松井沙麗選手
KYOJO CUP:白石いつも選手
KYOJO CUP:平川真子選手
KYOJO CUP 2026 開幕戦:予選
KYOJO CUP:富下李央菜選手
KYOJO CUP 2026 開幕戦:スプリント
KYOJO CUP:富下李央菜選手
KYOJO CUP 2026 開幕戦:スプリント
KYOJO CUP 2026 開幕戦:ファイナル
KYOJO CUP:富下李央菜選手

次なるステージは「世界」。女性アスリートの飛躍を後押しする新プロジェクト

2017年に日本初の女性限定レースシリーズとして誕生した「KYOJO CUP」が、2026年の今年、設立10周年の節目を迎えた。5月9日から10日にかけて富士スピードウェイで開催された開幕戦は、インタープロトシリーズとの併催大会として過去最多となる9400名の来場者を記録し、大きな盛り上がりを見せた。ここでは、9日に行われた10周年記念記者会見で語られた次なる10年のビジョンや新たな語学教育支援プロジェクト、そして開幕戦での若手ドライバーたちの躍動についてお伝えしよう。

【画像41枚】コースレコード続出のハイスピードバトル! 10年目を迎えた「KYOJO CUP」開幕戦の激闘をギャラリーで見る

「ヒューマンスポーツ」の証明。女性ドライバーが正当に評価される舞台への成長

モータースポーツはクルマの性能だけで決まると思われがちだが、200km/hを超える中で情報を処理し、正確に操作する高度な人間の能力を競う「ヒューマンスポーツ」だ。ル・マン24時間レースで日本人初の総合優勝を果たした関谷正徳氏は、クルマの性能ではなく人間の力を証明するために、ワンメイクレース「インタープロトシリーズ」を立ち上げたと語る。

その流れのなかで浮き彫りになったのが、女性ドライバーが継続して参戦し、才能を伸ばして評価される環境が整っていないという課題であった。これを打破するべく、女性が主役になるモータースポーツをテーマに2017年にスタートしたのが「KYOJO CUP」だった。当初は数名からのスタートだったが、関谷氏らが一人ひとりに声をかけ、練習の機会を増やしてきた結果、2024年の最終戦には37名もの女性ドライバーが集まるまでに成長を遂げた。一つのカテゴリーにこれほど多くの女性が集まるレースは世界でも例がないという。

また、関谷氏はモータースポーツの社会的意義にも触れている。レースを通じてクルマの危険性やルールを守る重要性を知る若者は、公道において誰よりも安全なドライバーになる。そして、日常的に運転をする女性たちが、KYOJO CUPの選手たちの姿を見て意識を変えることができれば、交通事故の減少にもつながると、その波及効果に期待を寄せた。

目指すは「女性ドライバーのW杯」。EdulinXとのタッグで実践的な語学支援が始動

10年目を迎えたKYOJO CUPは、新たなフェーズへと足を踏み入れている。2025年からは女性フォーミュラ育成プログラム「KYOJO FORMULA」が導入された。これは単なる車両変更にとどまらず、世界中の女性ドライバーが富士スピードウェイを目指してやってくるような「女性ドライバーのワールドカップ」を見据えたステップだ。

このグローバル競技化という目標に向けて、今シーズンから新たに「若手女性アスリート育成支援プロジェクト」が発表された。国境を越えて活動するうえで不可欠となる言葉の壁を乗り越えるため、語学教育のプロフェッショナルである株式会社EdulinX(エデュリンクス)とのパートナーシップが結ばれたのである。

EdulinXのピーター A. オワンス社長は、完璧な英語を目指すのではなく、ピットでのエンジニアとの会話やメディア対応など、モータースポーツの現場に特化した実践的なコミュニケーション能力の育成を重視していると説明した。

関谷氏は現役時代を振り返り、「私は英語ができなかったので、本当に苦労しました」と語り、もっと言葉が通じていれば深い信頼関係が築けていたかもしれないという後悔から、若い選手には同じ思いをさせたくないと熱弁を振るった。

EdulinXによる英語学習サポートプログラムの受講ドライバーは6名。その一人である富下李央菜選手は、「この機会をしっかり活かして、国内外問わず活躍できるドライバーになれるよう頑張ります」と力強く決意を表明した。

15台がコースレコードを更新! プレッシャーを跳ね返した富下李央菜が圧巻の2連勝

教育支援の発表で士気が高まるなか、開幕戦のコース上では若手とルーキーが素晴らしい走りを見せた。今季は王者獲得経験を持つ三浦愛をはじめ、国内外の実力者が新たに参戦し、18名の選手が開幕ラウンドに集結。

9日に行われた公式予選では、15台がコースレコードを更新するハイスピードな展開のなか、富下李央菜が1分43秒604をマークし、ポールポジションを獲得した。続く10周で争われるスプリントレースでも、富下は強い緊張感に襲われ本来の走りが発揮できない状況が続いたが、なんとかペースを立て直し、参戦4年目にして自身初となる優勝をもぎ取った。2位には日本での初陣を迎えたルーキーのジョアンヌ・チコンテが入り、3位には佐藤こころが続いた。

さらに、今季から15周に変更されたファイナルレースでも富下の速さは健在だった。スタート直後こそ後続のチコンテに接近されたものの、徐々にペースを上げて独走状態となり、最終的には2.7秒の大差をつけてトップチェッカーを受け、開幕戦で2連勝という快挙を成し遂げた。チコンテはここでもプレッシャーを与える走りで2戦連続の2位表彰台を獲得し、3位には2024年のチャンピオンである斎藤愛未がスタートの出遅れから5台を抜き去る貫禄の追い上げを見せて入賞した。

優勝した富下は、「今年はシリーズチャンピオンを狙っているので、気を抜かずに次も1位を目指します」と力強く語り、さらなる飛躍を誓った。モータースポーツを文化として根付かせ、女性ドライバーの社会的価値を高めるKYOJO CUPの挑戦は、実践的な教育支援という新たな武器を手に、世界という舞台へ向けて加速していく。

* * *
なお、5月30日(土)・31日(日)に横浜赤レンガ倉庫で開催されるオープンイベント「ル・ボラン カーズミート横浜2026」にKYOJO CUPが出展決定! 31日の午後にはKYOJOドライバー(三浦愛選手、斎藤愛未選手、富下李央菜選手の予定)&関谷正徳代表によるトークセッションが行われる。
さらに同じく5月30日(土)・31日(日)に横浜公園・日本大通り・県庁本庁舎駐車場で開催される「tvkかながわMIRAIストリート」でも、31日のトークショーにKYOJO CUPのドライバー(三浦愛選手、斎藤愛未選手、富下李央菜選手の予定)が出演する。

いすれも入場無料なので、週末の横浜でKYOJO CUPに触れてみてはいかがだろうか。
■ル・ボラン カーズミート横浜2026 公式ウェブサイト:https://levolant.jp/lvcm2026_yokohama/
tvkかながわMIRAIストリート 公式ウェブサイト:https://www.tvk-yokohama.com/mirai/street/

【画像41枚】コースレコード続出のハイスピードバトル! 10年目を迎えた「KYOJO CUP」開幕戦の激闘をギャラリーで見る

フォト=KYOJO CUP、LE VOLANT
LE VOLANT web編集部

AUTHOR

注目の記事
注目の記事

RANKING