コラム

【次期アルピーヌA110】EV化の懸念を払拭する驚異の低全高──デュアルモーターと新プラットフォーム「APP」の革新レイアウトを紐解く《LE VOLANT LAB》

3代目A110用と思われるAPPの写真。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行する3代目A110のテストカー「A110 FUTURE」。外観は2代目をベースに、さらにグラマラスになっている。このまま市販されるかどうかは不明。
2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行する3代目A110のテストカー「A110 FUTURE」。外観は2代目をベースに、さらにグラマラスになっている。このまま市販されるかどうかは不明。
3代目A110用と思われるAPPの写真。アルミの引き抜き材を車体のフレームとして用い、車体の前後にバッテリーを積んでいることがわかる。
3代目A110用と思われるAPPの写真。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
3代目A110用と思われるAPPの写真。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
3代目A110用と思われるAPPの写真。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
3代目A110用と思われるAPPの写真。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
3代目A110用と思われるAPPの写真。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
2026年5月にパリ郊外のアルピーヌ・デザインセンターで行われたアルピーヌ・テックデイの様子。
アルピーヌ・テックデイではシミュレーターも公開された。
3代目A110用と思われるAPPのイラスト。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
こちらはAPPを2+2モデルに転用した場合のレイアウト。
3代目A110用と思われるAPPのイラスト。バッテリーを前後に分割することで、運転席を低い位置に設定することを可能にした。
3代目A110用リア・パワートレイン周りのイラスト。いちばん上の箱状のものがバッテリーで、その下の手前側に見える部分が、左右の後輪を独立して駆動するデュアルモーター部分。
3代目A110用と思われるドライビングダイナミクスの解説イラスト。

英国グッドウッドで第3世代A110のテストカー「A110 FUTURE」公開へ

2026年7月9日から英国で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、アルピーヌは次期A110のテストカー「A110 FUTURE」を実車公開する。これに先駆けて、モータージャーナリストの大谷達也氏が5月にアルピーヌ・テックデイで直接取材した新プラットフォーム「APP」の全貌を公開。EV化による重量増への懸念を払拭する、独自のバッテリー搭載法やデュアルモーターの秘密に迫る。

【画像15枚】これが次期A110の骨格だ! 驚異の低全高を実現した「APP」プラットフォームを見る

EV化でA110の魅力は失われるのか?」ファンの不安とテックデイでの衝撃

今年6月、第2世代にあたるアルピーヌA110の生産が終了した。アルピーヌ創業の地であるフランス・ディエップから世に送り出された2代目A110は2017年の生産開始以来、実に3万5450台に上った。

2代目A110が生産終了に追い込まれた最大の理由は、国際的な緊急ブレーキの義務化にあった。現行型プラットフォームに緊急ブレーキを装備するには無理があると判断したアルピーヌは、潔く2代目の生産終了を決めるとともに、3代目の開発に乗り出す。

2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行する3代目A110のテストカー「A110 FUTURE」。外観は2代目をベースに、さらにグラマラスになっている。このまま市販されるかどうかは不明。

2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで走行する3代目A110のテストカー「A110 FUTURE」。外観は2代目をベースに、さらにグラマラスになっている。このまま市販されるかどうかは不明。

ただし、既存のアルピーヌ・ファンにとって衝撃的だったのが、3代目はフル電動のEVになると報じられたことにあった。A110といえば軽量でバランスに優れたシャシーが織りなす軽快なハンドリングに最大の魅力がある。したがって「EVにすれば、その魅力が失われるのは必至」と考えたファンが3代目A110の方針に失望したことは間違いないだろう。

では、電動化される3代目A110は、本当に重くてダルなスポーツカーになってしまうのだろうか?

私はフランス・パリ郊外で行われたアルピーヌ・テックデイに参加。3代目A110に用いられる予定のアルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)に関する説明を受けてきたが、その内容は大いに期待できるものであった。

現行型と同等の全高1250mmを死守した、驚異のバッテリーレイアウト

今回の発表でまず驚かされたのが、APPが極めて幅広い可能性を秘めたプラットフォームであるということだ。

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Photo: ALPINE, Tatsuya Otani
大谷達也

AUTHOR

大学卒業後、電機メーカーの研究所にエンジニアとして勤務。1990年に自動車雑誌「CAR GRAPHIC」の編集部員へと転身。同誌副編集長に就任した後、2010年に退職し、フリーランスの自動車ライターとなる。現在はラグジュアリーカーを中心に軽自動車まで幅広く取材。先端技術やモータースポーツ関連の原稿執筆も数多く手がける。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考員、日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本モータースポーツ記者会会員。

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