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EV旅は“大冒険”から気軽なドライブへ! 103台が再エネの村・白馬に集結「ジャパンEVラリー2026」体験記

第13回ジャパンEVラリー白馬2026
第13回ジャパンEVラリー白馬2026:BYD東福寺厚樹社長(右)
第13回ジャパンEVラリー白馬2026:e-Mobility Power池亀耕太郎社長(右)
白馬EVクラブの渡辺俊介さん
白馬三山を水面に映す八方池。写真=白馬村観光局
白馬岩岳マウンテンリゾートにある絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」。写真=白馬村観光局

EVオーナーたちのリアルな声が交差する白馬村

長野県白馬村で、2026年7月11日と12日の2日間にわたり、日本EVクラブ主催、白馬EVクラブ共催による「第13回ジャパンEVラリー白馬2026」が開催された。日本の中央に位置する長野県白馬村に、日本全国から電気自動車(EV/PHEV/FCEV)が「いざ白馬!」を合言葉に集まる、毎年恒例の夏の祭典だ。電力自給率120%を超える美しい村で体験した、最新エコ・ドライブの最前線をレポートする。

【画像15枚】北アルプスの絶景と103台のEVが集結! 「ジャパンEVラリー2026」の様子を写真で見る

13メーカー38車種、103台の電気自動車が白馬に集結

1日目の会場は、1998年長野冬季オリンピックの会場にもなった白馬ジャンプ競技場。サマージャンプ練習中のスキージャンパーたちが次々に滑空するラージヒルとノーマルヒル、2本のジャンプ台をバックに、13メーカー38車種103台という多種多様な電気自動車が集まった。

特設ステージは、三菱ミニキャブMiEVトラックの荷台というEVクラブらしい設えで、オープニングセレモニーから各ブランドのオーナーズクラブ紹介、またBYDやe-Mobility Powerといった協賛各社の社長が登壇する「社長と話そう」など、プログラムが目白押し。この「社長と話そう」や、EVミーティング「どうする?日本のEV普及」では、EVオーナーだからこそのリアルな体験に基づく意見交換が活発に行われた。

パンケーキやかき氷も!? 初心者も楽しい「ゆるい」空間

というとなんだかお堅い感じがするかもしれないが、会場の雰囲気はとびきりゆるい。芝生エリア上部では、タープの下でリーフから給電したホットプレートでパンケーキやたこ焼きを焼いている。ワンコとのんびりしている人もいれば、コーヒーを淹れて遠方の友人との再会を喜んでいる人もいる。

協賛出展している企業ブースもかなりゆるい雰囲気だ。ホンダブースではインサイトやスーパーワン、また開発中の取り組みとして燃料電池車のCR-V e:FCEVからBEVへ給電するレスキューカーを展示しつつ、電動かき氷機でかき氷をふるまい、シロップの味で盛り上がっている。

BYDはまだ発表前だというのに「フライングでRACCOちゃん持ってきちゃいました。後で試乗会場にも持っていきまーす」という攻めたゆるさを発揮していた。

最新EVの試乗と、夜の楽しい懇親会「白馬EVナイト」

その試乗会場にはBYDからシーライオン6とシーライオン7と飛び入りのRACCO(同乗試乗)、ホンダからはスーパーワン、そして日産リーフ、BMW i7 M70、MINIカントリーマンSE、フォルクスワーゲンID.Buzz、加えて長野市の三輪車専門店「三輪車DUCK」からEVトゥクトゥクも用意された。

上田市から試乗を楽しみに毎年来ているという方は、「EVオーナーじゃないよ。ずっと選んでるってことにしておいて(笑)」と、うれしそうに試乗車に乗り込んでいた。

夜はそれぞれの宿に愛車を置き、クラフトビールと石窯ピザがおいしいチェリーパブというお店で懇親会「白馬EVナイト」が行われた。オーナーたちがわいわいがやがやと楽しんでいる間、愛車は宿で充電中。地元、白馬EVクラブの渡辺俊介さんによると、白馬村は宿泊施設など100カ所以上にEV用充電器がある、日本屈指の「EVリゾート」なのだそうだ。

なぜ白馬? 再生可能エネルギーの村とEVラリーの原点

このジャパンEVラリー白馬は15年前、「あぜくら山荘」という宿泊施設のオーナーであった、渡辺さんのお父さんのご尽力もあって実現した。

「今回で13回目ですが、それより前にプレ大会が2回あったので2012年のことです。日本EVクラブの方が日本の真ん中である白馬にEVで集まりたいということで、当時は手作りのコンバートEVが3台とリーフとi-MiEVが1台ずつだったのですが、みなさんがうまく充電できるように宿に充電器(コンセント)を設置するところからのスタートでした。父は自動車が好きだったのと、やっぱり白馬の気候が変わってきていること、特に雪がなくなる心配をしていまして、何か環境に対するアクションを起こそうと考えたようです」

白馬EVクラブの渡辺俊介さん

白馬EVクラブの渡辺俊介さん

スキーリゾートであり、豊かな水が米作りや発電を支える白馬だからこそ、山にしっかり雪が降ることは生命線。また白馬村には百年以上使われている水力発電所があり、加えて小水力発電や公共施設の屋根に設置したソーラー発電などを合わせると、村民が少ないこともあって電力自給率は120~130%にもなるそうだ。

白馬三山を水面に映す八方池。写真=白馬村観光局

白馬三山を水面に映す八方池。写真=白馬村観光局

「白馬の宿では、お帰りの際には水筒やペットボトルに蛇口から出る白馬のおいしい水を持ち帰ってくださいとご案内していますが、EVでいらしたみなさんには、愛車を白馬のきれいな電気でいっぱいにして帰っていただきたいと思います」

静かで快適! 鳥の声が聞こえるEVパレードと安心の充電事情

2日目はエイブル白馬五竜スキー場を拠点にEVパレードが行われ、北アルプスの雪解け水をたたえた水田が広がる美しい田園風景を85台のEVが走った。クルマのイベントのパレード出発地点というとエンジン音のやかましさに盛り上がるものだが、EVばかりなのでとても静かで、普通の声でリラックスした会話ができるのが新鮮だ。パレード中もちょっと窓を開けると、用水路を流れる水の音や鳥の声が聞こえる。

白馬岩岳マウンテンリゾートにある絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」。写真=白馬村観光局

白馬岩岳マウンテンリゾートにある絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」。写真=白馬村観光局

かつてコンバートEVや航続距離の短いEVでの白馬までの道のりは猛者たちの大冒険だったが、今や買ったばかりのEVで普通にドライブを楽しみながらという参加者も多く、なんと4割が初参加とのこと。一番遠くから来た人に授与される「白馬村長賞」を受賞した日産アリアで岩手県紫波郡から参加したご夫婦も、「気持ちよくドライブして、休憩がてら2回充電で来れるので」と肩の力の抜けた様子だ。

あるいは特設ステージとなったMiEVトラックはバッテリー容量たったの10.5kWh! 当日参加できなかったオーナーに代わり、滋賀から白馬まで自走で運んでくれた日本EVクラブ会員の鈴木一史さんは、昔ながらの1泊2日がかりの大冒険だ。実際この鈴木さんはEVコンバート・ジムニーで「ゼロ・エミッション走行での南極点到達」を目指しているガチの冒険家だった。

排ガスゼロの誇らしさ。電気自動車で白馬へ行こう!

いろんな人といろんなEVが、それぞれのスタイルでゆるく集まったジャパンEVラリー白馬2026。これをキックオフイベントとして、白馬にBEVで来た人に、白馬村オリジナルノベルティグッズをプレゼントするという白馬村観光局によるキャンペーン「電気自動車で白馬へ!」もスタートしている。EVオーナーはもちろん、そうでない人もぜひ白馬に行ってみてほしい。もし興味があればEVのレンタカーという選択肢もある。

ちなみに筆者の愛車はガソリンエンジン車なので、今回は試乗車のBYD シーライオン7を試乗会場に運ぶという役得で1日余計にお借りし、2泊3日で白馬を満喫した。北アルプスに抱かれた美しい村を気ままにドライブし、山に登り、温泉に浸かる。おいしい空気とおいしい水を全身で味わっていると、排ガスを出さずに走っていることがちょっと誇らしかった。借り物ですらこうなんだから、オーナーさんたちはきっとすごくいい気分だったに違いない。

■白馬村観光局「電気自動車で白馬へ!」キャンペーン
https://www.vill.hakuba.nagano.jp/recommendation/ev/

【画像15枚】北アルプスの絶景と103台のEVが集結! 「ジャパンEVラリー2026」の様子を写真で見る

フォト=樋口 涼/Ryo Higuchi、白馬村観光局

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