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【BYD ラッコ試乗】子どもの送迎や買い物に使える「普通の軽EV」って本当? ファミリー視点で検証した完成度と気になる乗り味《LE VOLANT LAB》

BYD ラッコ 300プレミアム
BYD ラッコ 300プレミアム
BYD ラッコ 300プレミアム

BYDが放つスーパーハイト軽BEV

BYDから待望のスーパーハイトワゴン型軽BEV「ラッコ」が上陸。発売わずか2週間で累計受注1000台を突破するなど、かつてない注目を集めている。果たしてこの“黒船”は、日本のファミリー層の日常を支える「普通の軽自動車」として本当に使えるのだろうか。今回は自動車ライターであり3児の母でもある竹井あきら氏が試乗。子どもの送迎や買い物といった日常のリアルな視点から、その実力と気になる乗り味を徹底検証する。

【画像24枚】N-BOX超えの装備も!? 実質200万円以下から買えるBYD「ラッコ」の広々とした室内とシートアレンジをチェック

アイドリング不要の快適性。軽自動車とEVの相性は抜群

待ってました! ついに広大な室内空間と両側スライドドアを備えたスーパーハイトワゴンタイプの軽EVが出た。世間を騒がせているBYDの「ラッコ」である。

ヒンジドアの日産サクラや三菱eKクロスEV、商用のホンダN-VAN e:では応えきれなかった、「普通の軽自動車として選びたい」というユーザーの声。それこそNAとターボを選ぶような感覚で選べる、待望のスーパーハイトワゴンタイプの軽EVがついに登場した。

軽自動車とBEVの相性はいい。充電インフラが整っていないことがBEV普及の障害としてよく挙げられるが、主に通勤や買い物、子どもの送迎に使われる多くの軽自動車の1日の走行距離は100km程度。軽とは別に長距離レジャーを担うクルマが併有されることも多く、この距離であれば外出先での充電を必要とすることはまずない。

自宅に普通充電器があれば、駐車場に置いている間に充電が可能で、給油しに行く手間も時間も省くことができる。勤務先やスーパーへの道中にガソリンスタンドがなかったりしたらなおさら便利に感じるだろう。

そして停止状態からフルトルクを発生させることができるモーターの特性は、ストップアンドゴーの多い使用環境にぴったりだ。そんな環境で毎日ちょい乗りされるのは、エンジンにとってはシビアコンディションに当たるからオイル交換の推奨頻度は上がるわけだが、BEVはオイルメンテナンス不要だ。

上の子の塾や習い事が終わるのを下の子とクルマで待つなんて時も、アイドリングなしにエアコンが使えるのがありがたい。

実質200万円以下~の衝撃。BYDの強みである内製バッテリー

約130万台という軽乗用車市場、その約半数は全高およそ1800mmのスーパーハイトワゴンが占める。たとえその中でBEVを求める層が一握りだとしても、売る側からしたら無視できないマーケットのはずだ。それでもこれまで実現されなかった一番の理由は、ユーザーが許容できる価格に収めることができなかったからだろう。

エントリーグレードの「ラッコ200」は214万5000円(税込)で、国のCEV補助金はサクラの半分にも満たない15万円ながら、補助金を差し引いた実質支払額は200万円を切る。BYDの出自はバッテリーメーカーであり、EVの心臓部であるバッテリーとモーターまで内製できるのは大きなアドバンテージだ。ブレードバッテリーとそのバッテリーをシャシーの一部として組み込む「セル・トゥ・ボディ(CTB)」技術を統合した「X-PACK」は軽規格専用、ラッコのために新設計されている。

駆動用バッテリーは、一充電走行距離(WLTC)210kmの総電力量22.4kWhと、320kmの35.84kWhという2種類をラインナップ。前者を搭載し約200km走れる「ラッコ200」、後者を搭載し約300km走れる「ラッコ300プラス」と同バッテリーで装備充実の「ラッコ300プレミアム」とネーミングは明快だ。200は35.8kW、300シリーズは49.7kWのCHAdeMO急速充電にも対応する。

王者N-BOX超えの装備も? 使い勝手抜群の広々とした室内

今回試乗したのは「ラッコ300プレミアム」、希望小売価格(税込)249万7000円也。乗り込んでドアを閉めるとドスッと剛性の高さを感じさせる手応えがある。スタートボタンを押すとチャポンという水の音と、キューッというかわいらしいラッコちゃんぽい鳴き声がする。ちなみに終了音もまた同様だ。

ブラックとベージュの合成皮革シートは厚みも充分あり、運転席は電動調整付きだ。特筆すべきはステアリングホイールにテレスコピックが備わること。小柄なドライバーが適切なドライビングポジションを取るには必須の装備だが、王者N-BOXにも備わらないものだ。

後席の両側電動スライドドアは全車標準装備だが、「プレミアム」には地面に投影された明かりに足を差し入れるとドアの開閉ができる「足元投影ガイド付きハンズフリー」も備わる。夜間や屋内駐車場でないと明かりは見えないもののとても使いやすい。

助手席下とセンターコンソール下には靴などを入れるのに便利なアンダートレーもあり、ダッシュボードのトレーやペットボトルから紙パック入り飲料までOKのドリンクホルダーなど収納も充実している。

後席は広々として、シート形状はフラットながら前席同様に肉厚で座り心地は上々。5:5分割でスライドもリクライニングもでき、チップアップもダイブダウンも可能。一番後ろにスライドさせても、荷室には買い物カゴを横置きできるスペースが確保される。

後席を下げて前席のヘッドレストを外して倒せばほぼフラットになるし、後席両側の窓にはシェードも備わるから、出先で子どもとちょっとごろごろするにもいい。

扱いやすさ重視のインターフェースと、ちょっと感じた乗り味のクセ

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フォト=佐藤亮太/R. Sato

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