コラム

魔物が棲む鈴鹿のサバイバルを完全攻略!「ウマ娘 BMW」冨林/藤原組が果たしたスーパーGT初優勝の軌跡【2026 SUPER GT第5戦】

灼熱の鈴鹿、序盤から激しい順位争いが勃発

自動車レースの国内最高峰、スーパーGTの第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」決勝が2026年8月23日、鈴鹿サーキットで開催された。気温34度、路面温度は50度に迫ろうかという過酷なコンディションのなか、GT300クラスでは#9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰)がポールポジションから見事な逃げ切りを見せ、チームおよび両ドライバーにとって記念すべき初優勝を飾った。
【画像66枚】完璧なピット戦略と逃げ切り! 「PACIFIC ウマ娘 NAC BMW」が激戦のGT300で掴んだ初優勝の軌跡

前日の予選に続き、厳しい残暑に見舞われた鈴鹿サーキット。三重県警のパトカーに先導されたパレードラップを経て、決戦の火蓋が切られた。GT300クラスのスタート直後、ポールポジションから好ダッシュを決めたのは#9(PACIFIC ウマ娘 NAC BMW)の藤原優汰だ。1コーナーをトップで駆け抜け、後続を力強く牽引していく。その後方では、予選2番手の#777 D’station Vantage GT3と、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTによる熾烈な2番手争いが展開されたが、ここは#777がポジションを死守する。

しかし、GT500クラスの車両が後方から迫る混走の展開に入ると、徐々に順位に変動が生じる。7周目には#60 Syntium LMcorsa LC500 GTが#61を捉えて3番手へ浮上。一方の#61は徐々にペースダウンを余儀なくされ、他車との接触からコースアウトするなど、苦しい展開を強いられてしまう。

ピット戦略が勝敗を分ける! 9号車は独自の戦略で首位を堅守

レースが中盤の16周目を迎えると、上位陣のピットストップが慌ただしく動き始める。いち早く動いたのは2番手を走る#777だった。各車が続々とルーティンのピットインを行うなか、見事なピットワークで2番手にジャンプアップしたのが#60だ。さらに、#7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVOもピット戦略を当てて3番手へと浮上し、表彰台圏内に名乗りを上げた。

一方で、トップを快走する#9のM4 GT3はピットインを遅らせるステイアウトの作戦を選択。ライバル陣の動向を見極めた後の24周目にようやくピットへ向かい、藤原から冨林勇佑へとステアリングを託す。この絶妙なタイミングでのピット作業により、#9は実質的なトップの座を一度も譲ることなくコースへ復帰。後半スティントへ向けて盤石の態勢を築き上げた。

魔物が棲む鈴鹿の終盤戦。波乱を乗り越え「ウマ娘 BMW」が歓喜のフィニッシュ!

レース後半、冨林が駆る#9のペースは衰えることなく、後続とのギャップを巧みにコントロールしながら独走状態へと持ち込む。しかし、夏の鈴鹿にはやはり“魔物”が潜んでいた。

42周目、2番手を快走していた#60が突如ペースダウンし、無念の緊急ピットイン。さらに47周目には、猛追を見せていた#52 Green Brave GR Supra GTが130Rでコースアウトし、クラッシュバリアに激突するアクシデントが発生してしまう(幸いにもドライバーは無事)。

このアクシデントにより、壊れたバリアの修復および車両回収のためにセーフティカー(SC)が導入。レースは再開されることなく、そのままSC先導でチェッカーフラッグが振られる劇的な幕切れとなった。

結果、#9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWがポール・トゥ・ウインで完全勝利。冨林、藤原の両ドライバー、そしてPACIFIC RACING TEAMにとっても待望のスーパーGT初優勝という歓喜の瞬間を迎えた。2位には2戦連続の表彰台となる#7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO、3位には#18 UPGARAGE AMG GT3が続いた。

猛暑のサバイバル戦を、圧倒的なマシンの速さとミスのない完璧なレース運びで制した「PACIFIC ウマ娘 NAC BMW」。この1勝が、後半戦のGT300クラスの勢力図にどのような影響を与えるのか。次戦以降の彼らの走りにも大いに注目したい。
【画像66枚】完璧なピット戦略と逃げ切り! 「PACIFIC ウマ娘 NAC BMW」が激戦のGT300で掴んだ初優勝の軌跡

■スーパーGT公式HP:https://supergt.net/

フォト=田村 弥/W.Tamura

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