RUFが1000ps超の水平対向8気筒エンジン「B8エアプローバー」を初公開
ドイツのスポーツカーメーカーであるRUFは、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて、同社初となる新型水平対向8気筒エンジン「B8エアプローバー」を世界初公開した。排気量4.8Lから最高出力1000ps以上を発生させるこのツインターボユニットは、次世代モデルの技術検証を目的としたプロトタイプであり、自動車史に新たな歴史を刻む試みとして大きな注目を集めている。
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RUF初の8気筒ボクサーエンジンとその圧倒的な性能
英国で開催されたモータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、RUFは社内コードネーム「Erprober(エアプローバー/テスターの意味)」として開発した新型エンジンを披露した。「B8」と呼ばれるこの水平対向8気筒ツインターボエンジンは排気量4.8Lを誇り、最高出力1000ps超、最大トルク1000Nm以上という極めて強力なスペックを備えている。
このB8は量産モデルではなく、将来のRUFモデルに採用される技術を検証するための専用テストベッドである。極限のパフォーマンスと耐久性、扱いやすさを両立させるため、数千kmに及ぶ走行試験が実施されている。なお、開発には高性能潤滑油メーカーのMOTULも技術協力を行っている。
グッドウッドでの実走デビューと込められた決意
2026年7月10日から12日のグッドウッドにおいて、B8は初公開されるとともにスーパーカー・ランにも参加した。ラリードライバーのタンナー・ファウストがステアリングを握り、1000ps級のボクサー8気筒ならではの圧倒的なパフォーマンスと独特のエキゾーストサウンドを観客の前で披露した。また、会場のスーパーカー・パドックにはテスト車両が展示され、多くの来場者の注目を集めた。
RUF代表のアロイス・ルーフ氏は、ロードカーとしての水平対向8気筒エンジンは自動車の歴史に存在しなかったと述べ、自動車史に新たな章を書き加える決断を下したと語っている。同社は「目立たない姿で公然とテストする」という独自の開発哲学を貫いており、今回のプロトタイプ車両の投入も、その哲学を体現する取り組みとして位置付けられている。
CTR3をベースにした開発車両と特別なカラーリング
B8を搭載するためのテストプラットフォームには、同社のスーパーカーであるCTR3が選ばれた。高いポテンシャルを持つCTR3をベースにすることで、性能限界を検証しながら自然な形で走行テストを行うことが可能となった。巨大な新型エンジンを搭載するために車体の全長は100mm延長されており、その強大なパワーはRUF製6速マニュアルトランスミッションを介して後輪へと伝達される。
このB8搭載車には、プロジェクト専用の特別なグラフィックが施されている。アロイザ・ルーフ氏とOPTIMA Batteriesのコラボレーションによってデザインされ、同社の伝説的モデルであるCTR「イエローバード」のブロッサム・イエローをモチーフにしている。ボディ全体には連続して流れる「8」のモーションをイメージしたグラフィックが採用され、伝統への敬意と未来への挑戦が同時に表現されている。
進化を続けるRUFの終わりのなき追求
アロイザ・ルーフ氏によれば、このカラーリングは誰もエンジン音を聞く前からクルマのストーリーをグラフィックだけで感じてもらうために考案されたという。流れるような「8」の形は、新しいボクサー8気筒エンジンを示すだけでなく、RUFが長年大切にしてきたエンジニアリングやテスト、改良といった終わりのなき進化へのプロセスを象徴している。
今回公開されたB8エアプローバーは、次世代ハイパフォーマンスカーに向けてRUFが新たな領域へ踏み出したことを示す重要なプロジェクトである。1000ps級の水平対向8気筒という前例のない挑戦が、今後のRUFのモデルラインアップにどのような形で結実していくのか、世界中の自動車ファンから大きな期待が寄せられている。
【ル・ボラン編集部より】
1987年、最高速テストで世界を震撼させた初代CTR「イエローバード」。RUFの名を確固たるものにしたその哲学は、初のフラット8という未踏の領域に挑む「B8」にも色濃く受け継がれている。完成された市販車ではなく、CTR3をベースとしたテストベッドに伝統のブロッサム・イエローを纏わせ「公然とテストする」姿勢こそが、マニュファクチュアたる彼らの真骨頂だ。名車が紡いできた歴史と精神的繋がりを感じさせるこのプロトタイプは、終わりのなき進化を追うブランドの新たな伝説の幕開けを確信させる。
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