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【約6.5億円で落札】マセラティ「ティーポ61 バードケージ」が同モデル最高額を記録。その歴史的価値を詳解

オークション史上最高額を記録

マセラティは2026年9月3日、アメリカ・カリフォルニア州で8月14日に開催されたオークション「グッディング・クリスティーズ・ペブルビーチ・オークション2026」にて、1959年製のマセラティ「ティーポ61 バードケージ」が424万ドル(約6億5130万円)で落札されたことを発表した。オークションハウスの発表によれば、この落札額は同モデルにおける世界最高記録であるという。

【画像13枚】世界にわずか17台。マセラティ幻の名車ティーポ61を拝む

革新的な構造を持つ「バードケージ」の系譜

アレグレッティ製のボディワークを架装した当該車両は、事前の落札予想価格であった約300万〜400万ドルを上回る結果となった。マセラティがモータースポーツへの参戦を開始し、ブランドの象徴である「トライデント(三叉槍)」を掲げてからちょうど100周年にあたる2026年に、歴史的な名車が新たな金字塔を打ち立てたと言えるだろう。

この車両は、当時マセラティのエンジニアであったジュリオ・アルフィエリが設計した一連の「バードケージ」の1台である。軽量化と高いねじり剛性の両立を目指したこれらの車両は、直径わずか10〜15mmの鋼管を約200本用い、鳥かご(バードケージ)のように複雑に溶接した画期的なスペースフレームを採用。この構造により、当時のFR式の2シーター・バルケッタとしては極めて高い剛性と軽量化を実現した。

1959年3月に完成した初期型の「ティーポ60」は、「200S」をベースとしたコンパクトな2L 4気筒エンジンを搭載した。重心低下とフロント部の小型化を図るため、エンジンは45度傾けてマウントされている。ウェーバー製45 DCO3キャブレターを2基装着し、マレリ製ディストリビューターを備えたデュアルバッテリー点火システムを採用、最高出力200psを発揮。

シャシーにはコイルスプリングを備えたダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンションと、横置きリーフスプリングを備えたド・ディオン式リアアクスルを組み合わせ、車重はわずか570kgに抑えられていた。

同じく1959年に登場した発展型のティーポ61では、基本的なシャシーや構造を踏襲しつつ、排気量を2890ccへと拡大した。これにより最高出力は250ps/6800rpm、最高速度は285km/hに向上している。車重は600kgとなったものの、比較的優れた燃費性能によりレース中の給油回数を減らすことができ、耐久レースにおいて大きな優位性を発揮した。

モータースポーツでの実績と希少性

ティーポ61は過酷な耐久レースであるニュルブルクリンク1000kmレースにおいて、1960年(スターリング・モス/ダン・ガーニー組)と1961年(カモラディ・チームのマステン・グレゴリー/ロイド・キャスナー組)に総合優勝を果たしている。これらの戦績により、当時のモータースポーツ界を代表するスポーツカーとしての地位を確立した。

生産台数はわずか17台にとどまっており、同世代のマセラティ製レーシングカーのなかでもとりわけ希少価値が高い。革新的なシャシー設計、高いパフォーマンス、そして輝かしいレース戦績を併せ持つ同車は、モーターレーシングの黄金期を象徴する1台として現在も高く評価されている。

【ル・ボラン編集部より】

約6.5億円という記録的な落札額は、単なるクラシックカー相場の高騰ではない。「ティーポ61 バードケージ」に宿るジュリオ・アルフィエリの天才性と、限界へと挑んだ狂気とすらいえる情熱に対する正当な評価である。約200本の細い鋼管を鳥かごのように編み込んだ執念のシャシー設計は、軽量化と剛性の両立という、現代のMC20 やGT2ストラダーレ に通ずるマセラティのクルマ造りの原点だ。流麗な美しさの裏に、モータースポーツの荒々しい血統を隠し持つ。この二面性こそが、100年を経ても色褪せない同ブランドの神髄である。

【画像13枚】世界にわずか17台。マセラティ幻の名車ティーポ61を拝む

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photos: Stellantis
LE VOLANT web編集部

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