コラム

名車「GT40」のル・マン制覇さえも通過点。創業者自らが走った1901年の番狂わせから続く「フォード・レーシング」125年の系譜

フォード・レーシング125周年の軌跡:ヘンリー・フォードの挑戦から巨大モータースポーツ帝国へ

ヘンリー・フォードは決してプロのレーサーではなかったが、モータースポーツに大きな可能性を見出していた。1901年に彼自身がステアリングを握り、大本命を相手に番狂わせの勝利を収めたレースから125年。フォード・レーシングは現在、世界中の主要なチャンピオンシップに参戦する巨大なレーシングプログラムへと成長を遂げた。「アメリカのレースチーム」として世界のモータースポーツ界を牽引し続ける、その輝かしい歴史と数々の画期的な勝利を振り返る。

【画像29枚】ヘンリー・フォードの挑戦からル・マンの栄光まで。フォード・レーシング125年の軌跡を写真で振り返る

黎明期からストックカーレースへの挑戦

フォードのモータースポーツ史は、会社が正式に設立される前の1901年に、ヘンリー・フォードが自ら開発したレーシングカー「スウィープステークス」で強豪を打ち破った劇的な勝利から始まった。その後、フォード・モーター・カンパニーは自社製品の技術力と耐久性を世に証明するため、ヴァンダービルト杯などの注目イベントに積極的に参戦していく。1909年にはモデルTで大陸横断レースを制し、1934年にはV8エンジン搭載のクーペで長年破られることのない速度記録を樹立するなど、モータースポーツを舞台にその実力を知らしめていった。

世界大戦と大恐慌を乗り越えた1950年代には、アメリカ国内でストックカーレースであるNASCARが新たなブームを巻き起こす。市販車の技術をレースに直結させやすいこのカテゴリーは、フォードにとって絶好の舞台であった。1949年のNASCAR初公認レースではリンカーンが優勝を飾り、その後もフラットヘッドV8エンジンを搭載したフォード車が初勝利を挙げるなど、現在まで続くストックカーレースにおけるフォードの快進撃がこの時期に幕を開けたのである。

世界への飛躍とル・マンでの歴史的勝利

1960年代に入ると、フォードは世界中のレースへとその活動の場を大きく広げていった。デイトナ500での勝利やラリー競技での活躍に加え、1965年にはF1王者のジム・クラークとタッグを組みインディ500を制覇する。そして1966年、モータースポーツ史に燦然と輝く出来事が起こる。キャロル・シェルビーの主導のもと開発されたフォードGT40がル・マン24時間レースに出場し、強豪フェラーリを打ち破る圧倒的な強さを見せつけたのである。

この歴史的勝利を皮切りに、フォードの国際的な活躍はさらに加速していく。F1ではエンジンのサプライヤーとして10度のコンストラクターズタイトルを獲得し、グランプリの優勝をフォードエンジン搭載車が独占する黄金期を築き上げた。また、1980年代にはNASCARにサンダーバードを投入して革命を起こし、1987年には時速212マイルを超える歴代最高速度記録を打ち立てた。国内のストックカーレースから欧州のフォーミュラカーまで、あらゆるカテゴリーで勝利を収め、一流の自動車メーカーとしての地位を不動のものとしたのである。

現代へと続く系譜とアメリカのレースチームとしての誇り

1990年代以降もフォードの勢いは衰えることなく、F1やインディなどのオープンホイールカーレースで数々のチャンピオンを輩出した。特にアメリカ国内で絶大な人気を誇るNASCARではプログラムをさらに強化し、2013年には同シリーズの主要3カテゴリーにおける通算1000勝という大記録を、本拠地であるミシガン州のトラックで達成している。スポーツカーレースの分野でもトランザム・シリーズでの3連覇など、サーキットにおけるフォードの存在感は常に圧倒的であった。

記憶に新しい2016年には、1966年のル・マンでの勝利からちょうど50年という記念すべき日に、フォードGTがクラス優勝を果たし、見事な復活劇を演じてみせた。現在、フォード・レーシングは世界ラリー選手権(WRC)や過酷なオフロードレースであるバハ1000など、世界中の36もの主要なチャンピオンシップに参戦している。ヘンリー・フォードが見出したたった1度のチャンスから始まったプロジェクトは、125年の時を経て世界で最も広く知られるレーシングプログラムの一つへと変貌を遂げた。今もなお「アメリカのレースチーム」として、最先端のテクノロジーと数多くの栄光を本拠地ディアボーンに持ち帰り続けているのである。

【ル・ボラン編集部より】

大衆車の量産という極めて合理的な産業を築いたフォードが、その黎明期から最も非日常的なモータースポーツに情熱を注いできた事実は実に興味深い。だが、ル・マンを制したGT40やF1の常識を覆した名機DFV、そしてニュル最速に挑む現代のGT Mk IVに至るまで、彼らの挑戦は常に「実用と極限」の高度な融合であった。サーキットという過酷な実験場で磨かれた技術と反骨精神があるからこそ、マスタングをはじめとする市販車は、大人が嗜むにふさわしい奥深い走りの味わいを宿しているのである。

【画像29枚】ヘンリー・フォードの挑戦からル・マンの栄光まで。フォード・レーシング125年の軌跡を写真で振り返る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photo: Ford Motor Company

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