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大胆予想! 2019年から2020年の輸入車ヒット予測

現在発売中のモデルから2020 年内までに発売されるモデルの中で、ヒット確実と目される輸入車をル・ボラン誌執筆陣が大胆に、そして思うがままに大予想! 国内導入は2020 年を過ぎてしまうかも……と思われるモデルもあるかもしれないが、それは「他の何を差し置いてもオススメ!」、ということ。次に買うモデルの参考にどうぞ!

ポルシェ911(992)

藤原よしお

捻りがなくてもやっぱコレ!

あえて逆説的なことを言えば、1963年以降の歴史の中で911がヒットしなかった試しはない。今回の992も3.8Lフラット6ターボは基本的に据え置きながら、シャシーを大きく進化させるといういつも通りの常套手段で登場。すでに991でかなりの完成度を誇っていただけに、その出来栄えには少しの疑いの余地もない。
そもそも世界中の自動車メーカーに「リア駆動、フラット6エンジンで、万能な2+2GTを作れ」というお題目が出されたとして、おそらく911以上のスポーツカーを作れるのはポルシェ以外にいないはずだ。確かに世界観が一変するほどの劇的な変化はないかもしれないが、コンセプトを守って正常進化できるのは、それだけ個としてのブランド力が強い証でもある。その上で、将来のハイブリッド化の余地も残されている。我ながら捻りがなさすぎる気もするが、992型ポルシェ911は2019-2020年シーズンのヒット大本命だ。

島下泰久

イチオシは3Lターボエンジン

先日デビューした新型ポルシェ911カレラS/カレラ4Sは、ヒット間違いなしでしょう。理由は、まずデザイン。ヘッドライトの角度が微妙に変更されたり、ワイドトレッド化されたりしたことでフォルムはますます911らしく、しかもマッシヴになりました。先進感あふれるディテールもいい感じ。インテリアも同様で、“らしさ”と“新しさ”の融合ぶりは見事です。
走りも凄まじく進化しています。ワイドトレッド化もありスタビリティが高く、トラクションは強力。意のままに曲がり、しかも快適性も増しています。個人的には特に、格段にスムーズになった3Lターボエンジンが好印象です。
とは言え不安もいくつか。現時点では右ハンドル、PDKしか設定なし。MTに関しては本国でも未デビューなので、ホントに出るのかも含めて気がかり。右でも左でも、PDKでもMTでも好きに選べてほしいですよね、プレミアムカーなんですから。

 

メルセデス・ベンツ GLB

藤野太一

売れないはずがない!

メルセデスが満を持して投入するコンパクトSUV。全長4634×全福1834×全高1658mmという、イメージとしてはBMW2シリーズグランドツアラーより全長約5cm大きなサイズのボディにオプション設定ながら3列シート7人乗りシートを詰めこんでいる。ベースとなるBクラスを単にSUVに仕立てたモデルではなく、ホイールベースを約10cm延伸することで広い室内空間を実現しているという。輸入車のコンパクトミニバン市場を独占している2シリーズと、マイナーチェンジを控えるX1をまとめて迎え撃つ戦略的モデルというわけだ。前後のオーバーハングを切り詰め、フロントマスクを直立させたデザインは、このクラスで大ヒット作となったボルボXC40も思わせる。
メキシコ工場と中国市場向けには北京で生産されるという。日本市場への導入はまだ正式にはアナウンスされていないが、これだけいいとこ取りなモデルが売れないはずはない。

木村好宏

売れる“3要素”を持つ最強SUV

メルセデスが昨年販売したモデルの内訳は、3分の1がSUV(主にGLC)、4分の1がコンパクトモデル(主にAクラス)である。新しくラインアップに加わるGLBも「コンパクト」と「SUV」に分類され、しかも「7シーター」である。この3つを組み合わせるGLBは、どう考えても最強だ。
コクピットには10.25インチのモニターが2枚並び、ジェットエンジンライクなエアアウトレットに加え、頑丈なアルミ製ドアグリップなどがヘビーデューティな印象を与えてくれる。外観もGクラスの角を取ったような逞しいデザインだが、全長4.6×全幅1.8×全高1.66m、ホイルベースはBクラスよりも10cmだけ長い2.83mと、安心して扱えるボディサイズを備えている。
最新のユーザーエクスペリエンス「MBUX」も装備し、FFがスタンダードで4マチックも用意。日本での発売は’20年の夏頃になる予定だ。

 

アルピーヌA110S

 

嶋田智之

やっぱり“S”も裏切らない

252psと320Nmに1100kg+αのスタンダードなA110で、僕は充分だと思ってる。というより、いかなる場面でもじれったさがないのに持て余すこともなく堪能できる“ちょうどいい”速さと、直感的な快感があるのに奥の深さもあるフットワーク、それにどこまででも走って行けそうな快適さの絶妙なバランスこそがA110の真髄だとすら感じてる。が、やっぱりコレ、売れるんだろうなぁ。
先日のル・マンで発表されたA110のハイパフォーマンス版、A110S。もう少し詳しいことは“月刊イタフラ”の頁で触れるけど、292psまでチューンナップしたエンジンと、バネとダンパーとスタビを結構ガッチリ固めたシャシーという仕立ては、ハッキリと“S”が目指した方向を示している。アルピーヌの仕事だから酷いことにはなってないだろうけど、バランスの加減は変わってるはず。でも皆、とりあえずパワーが高い方が好きだもんね。僕も早く乗ってみたいとは思ってるのけど……。

 

ランドローバー・レンジローバースポーツHST
(直列6気筒エンジン+48Vマイルドハイブリッド搭載モデル)

 

萩原秀輝

直6の気持ち良さを再評価

直列6気筒エンジンが復権を開始。ここ数十年、6気筒エンジンはV型が主力となり直列はBMWが手がけるだけに。それが変わってきたのは、エンジンのモジュール化を各メーカーが取り入れたから。3、4、6気筒エンジンの基本設計を共用すれば、開発と生産の合理化につながりスケールメリットも拡大。メーカー都合のように思えるが、基本設計は6気筒エンジンに合わせるので4気筒と3気筒にもゼイタクな技術が投入されるだけにユーザーのメリットにもなる。
しかも、6気筒エンジンはV型よりも直列の方が、回転バランスが優れている。ジャガー・ランドローバーは、自社製インジニウムエンジンを4気筒に続いて6気筒を追加しレンジローバースポーツに搭載すると発表。何と、電動スーパーチャージャーとターボチャージャーに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせ、最高出力は400psを発揮するという。ジャガーにも搭載されそうだ。

 

メルセデス・ベンツAクラス(A200d)

大谷達也

A200dは完全無欠!

ひとりで長距離移動することの多い私がいまいちばん欲しいのは「走りがいいコンパクトなヨーロッパ車で、高速走行時の燃料代が安くて運転支援装置が充実しているクルマ」。ただし、走りの性能とのバランスを考えればディーゼルがいちばん。
そこでCセグメントのヨーロッパ車でディーゼル搭載モデルを探すと、BMW118d、プジョー308アリュール・ブルーHDi、メルセデスA200dあたりが候補に挙がってきます。このなかでは、アクティブレーンキーピングを持たない118dがまず脱落。308はシャシーもエンジンも信じられないほどよくて、価格も約300万円と驚くほどお手頃ですが、残念ながらアクティブレーンキーピングの完成度がいまひとつ。こうやって考えていくとA200dは完全無欠のように見えてきます。A180では褒められなかった乗り心地も、ヨーロッパのレンタカーで確認した限り、A200dは問題なさそう。約400万円の価格もリーズナブルです!

ル・ボラン2019年8月号より転載
CARSMEET web編集部

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