タイヤ

氷上性能やウェット性能の高さが特徴のスタッドレスタイヤ「ヨコハマ アイスガード 6」【2019-2020冬・スタッドレス&オールシーズンタイヤ・バイヤーズガイド】

近年、気温上昇による道路環境の変化から、スタッドレスタイヤにはウェット性能へのニーズが高まっている。この「アイスガード6」は、氷上性能を大幅に向上させつつ、ウェット性能をさらに高めているのだ。

氷上の路面で確実につかんでくれる安心感

アイスガード6は氷に効く。先代モデルとなるアイスガード5プラスと比べ、実に15%も氷上制動距離を短くしているのだ。キーポイントは微粒径化した多量のシリカを配合することができたことだ。シリカをより効率よく多量に配合するには微粒径化するのが有効だが、反面ダマになりやすく、均一に分散させるのが難しいのだ。

雪上ではエッジの効いたグリップ感があり、氷上では氷の路面に密着するようなグリップ感がある。しかも、単にグリップレベルが高いわけではなく、滑り出しの予見性が良く、滑り出してからの挙動も穏やか。

ヨコハマは、シリカ高反応ホワイトゲルという、シリカとポリマー(≒ゴム)のカップリング剤を開発したことによって飛躍的に分散性を高めることに成功。極低温で柔軟性が高く、氷の路面に密着する(グリップのいい)コンパウンドが完成したのだ。このコンパウンドをベースに、新マイクロ吸水バルーンやエボ吸水ホワイトゲルによって吸水性も従来比で6%アップした。

コンパウンドの柔軟性を高めたことで、トレッドブロックを大型化して実接地面積を広くするとともに、ブロックを高剛性化することができた。サイプも立体形状のクワトロピラミッドディンプルサイプによって、微入力時の柔軟性と、大入力時のブロック剛性を両立している。またコンパウンドの特性に合わせてトレッドデザインも大きく変更し、大型ブロックを基本とした非対称デザインを採用。接地面圧の均一化やブロックの高剛性化によって耐摩耗性も向上している。

左右非対称にしてトラクション&ブレーキとコーナリングを分担させ多機能的なデザイン。一つ一つのブロックを比較的大きめにし、溝も太めの縦溝・横溝を作ることでエッジ成分を効率よく引き出している。

試乗して感心したのは、氷の路面でのガシッとしたグリップ感だ。文字通りトレッドコンパウンドが氷の路面に密着しているような感触があり、タイヤが転がっていく時のグリップ感が明らかに良くなっている。

氷上のグリップの良さは間違いなくアイスガード6の特徴として挙げられるものだ。実は、雪上の性能も向上している。圧雪路を走らせてみると、明らかに路面にブロックのエッジを効かせ力強くけり出す感触がある。ブロックが大きくなったことでブロックの変形が少なくなっているからだろうか。
トレッドデザインの効果もあるのだろう。ブロックが大型化されたためか太い縦溝・横溝で構成されている。トラクションに効き、カーブでは縦溝がエッジ成分をしっかり発揮してくれるので、ガシッと踏ん張るようなグリップ感とその手応えがある。コンパウンドに配合されているオレンジオイルSの効果で、4年後でも(ゴムの)性能の落ち込みが少ないのも大きな魅力だ。

お問い合わせ
横浜ゴム 0120-667-520 www.y-yokohama.com

ル・ボラン2019年12月号より転載

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