
雲海と出会うには最高の条件を備える道
信州のビーナスラインは国内有数の絶景ロードである。
中央分水嶺の稜線に沿って延びる道は、左右にすばらしい展望が広がり、茅野市内から終点の美ヶ原台上まで総延長が60kmにも達するので、走り応えもたっぷりだ。そのうえ、南には諏訪湖という巨大な水がめがあり、そこで発生した雲が諏訪盆地に滞留すると大雲海が生まれる。まさに言うことなしのドライブルートなのである。
地元の宿の人の話によると、雲海が最も多く発生するのは、ビーナスラインの冬季閉鎖が解除されるゴールデンウィークの頃から梅雨入り前の初夏にかけてで、多い時には週に2〜3回は見事な雲海になるという。
展望が広いだけに、変化に富んだ雲海風景が味わえるのもビーナスラインの大きな魅力と言えるだろう。車山から霧ヶ峰にかけては、八ヶ岳や南アルプス、乗鞍岳が一望となり、条件が良ければ、その雲のじゅうたんの彼方に富士山や御嶽の姿も望むことができる。一方、終点の美ヶ原台上に近づくと北側の展望も開けるため、北アルプスや浅間山をバックにした雲海と出会うこともできるのだ。
アクセスガイド
ビーナスラインをめざす時は中央道・諏訪ICからが一般的。ただし、全線を走破しようとすると、起点の茅野市街は道がごちゃごちゃしていて少々わかりづらく、「白樺湖」の案内標識に従って走っていると、国道152号(大門街道)へ導かれてしまうことが多い。
Data【Route 37 ビーナスライン】
雲海遭遇率 ★★
雲海の季節 春~秋
◎所在地/長野県茅野市、
諏訪市、長和町など
◎ルート/県道40号/178号/
194号/460号
◎区間距離/約60km
◎最高地点/標高1959m
◎冬季閉鎖/12月上旬~4月中旬
【A】白樺湖ビューホテル
ビーナスラインの中間点にある白樺湖畔の宿
ビーナスラインの中間点、白樺湖畔にある宿。いちばんの魅力は宿泊料のリーズナブルさで、夏休みや連休も関係なく1年を通じて7,800円で泊まることができる。夕食は食べ放題のバイキングで、さらにアルコール類も90分の飲み放題。お風呂は芹ヶ沢温泉から引いた天然温泉で、大浴場からは白樺湖が一望。
●1泊2食付7,800円(税別)/立科町大字芦田八ヶ野白樺湖1525/TEL 0267-55-6211
【B】夏山展望リフト
所要時間わずか15分で車山山頂に立てる
ビーナスラインの開通に合わせ、4月下旬から11月上旬まで営業している夏山リフト。2本の4人乗りクワッドリフトを乗り継げば、わずか15分で標高1925mの車山山頂に立つことができる。車山山頂からは360度の大パノラマが展開。春から夏にかけての休日などにはサンライズ雲海運転(4:00〜)も実施。
●車山山頂・往復1,600円〜/9:00〜16:40(通常期)/TEL 0266-68-2227
観光情報
蓼科観光協会 TEL 0266-67-2222
白樺高原総合観光センター TEL 0267-55-6201
諏訪観光協会 TEL 0266-52-2111
松本観光コンベンション協会 TEL 0263-34-3295
文:佐々木 節/撮影:平島 格