約18kgの荷物を人間のように持ち運ぶことができる
1月6日、フォードは米国の「アジリティ・ロボティクス」が発売する業務用2足歩行ロボット「ディジット」を2台導入し、社内の物流業務などに活用する方針を明らかにした。
アジリティ・ロボティクス社は、2015年末にオレゴン州立大学ダイナミック・ロボティクス研究所からスピンアウトして設立されたスタートアップ。設立当初から2足歩行ロボットの商品化を目指しており、2017年にはダチョウからヒントを得た2足歩行研究プラットフォーム「キャシー」を発表。今回フォードが購入するディジットは、キャシーの上半身と腕、センサーを取り付けた強化モデルとして2019年春に発表されたものだ。
フォードとアジリティ・ロボティクス社は2019年よりパートナーシップを結び、ディジットの共同開発にあたっている。フォードが目指すのは、この2足歩行ロボットと自動運転車を組み合わせて、物流における「ラスト50フィート(クルマから玄関までの配送)」に対応するという課題の克服だ。
5月にプロトタイプが完成したディジットはその後、改良が重ねられ、片足でもバランスが取れるようになったり、障害物を安全に避けられるようになった。周囲を知覚してマッピングを行なう新しいセンサーも追加され進化を果たしている。
ディジットは折りたたむことができるので、車両の荷室に簡単に積み込むことができる。クルマが目的地に到着すると荷物を取り出し、受け取り側に届ける配送の最終ステップを実行可能だ。ディジットは約18kgまでの荷物を持ち運ぶことができる。
今後、両社はさらなる進化とともに手頃な価格で販売できるよう模索し、倉庫管理を含む物流業務に活用する企業に向けて提供する方針だ。なお、1月7日に米国ラスベガスで開幕した世界最大級の家電見本市の「CES2020」において、フォードはこのディジットをブース内に展示する。