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プラグインハイブリッドスポーツ、「BMW i8」が生産終了へ

2014年から約2万台以上を販売。電気駆動技術を用いたスポーツカーとして新しい時代を切り開いた

3月11日、BMWは同社初のプラグインハイブリッドスポーツモデルである「i8」および「i8ロードスター」が、4月中旬に生産を終了すると発表。同時に、このモデルが電気駆動技術を用いる世界で最も成功したスポーツカーとして同社のマイルストーンのなかで確かな地位を築いたことを改めてアピールした。

2009年のフランクフルト・モーターショーで発表された「i8」の始祖であるコンセプトスタディ「BMWビジョン・エフィシェント・ダイナミクス」では、BMWの特徴的なドライビングプレジャーに先進的でスタイリッシュなデザインや先駆的なサスティナビリティを併せ持つ、未来のスポーツカー像が示された。

2011年に発足した新たなサブブランド「BMW i」によって、「i8」の誕生は現実味を帯びてくる。コンパクトモデルの「i3コンセプト」とともに、より市販型に近いコンセプトモデル「i8コンセプト」を発表。やがて2013年のフランクフルト・モーターショーで市販型がワールドプレミアされた。

ガルウイングドアを持つ2+2シーターのボディは、BMWデザイン言語が再解釈され、プラグインハイブリッドシステムを搭載。四輪駆動システムを組み合わせ、BMWが掲げる“駆け抜ける歓び”の新しい時代を告げるモデルとして「i3」とともに大きな注目を集めた。

2017年秋にはオープンボディの「i8ロードスター」を設定。これを機にハイブリッドシステムは強化され、1.5L直列3気筒ターボエンジン(231ps/320Nm)とモーター(143ps/250Nm)の組み合わせはシステム総合で374psを発揮。0-100km/h加速タイムはクーペで4.4秒、ロードスターで4.6秒を実現した。リチウムイオンバッテリーの容量も11.6kWhにアップし、EV航続距離はクーペが55km、ロードスターで53kmを達成している。

先進的なルックスや、高い効率性とパワフルな走りを両立するドライブトレインは専門家からも高い評価を獲得。2015年から2019年の間に、5回連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」の部門賞を獲得したほか、ドイツやイギリスの著名な自動車雑誌で数々のアワードに輝いた。

ドイツ・ライプツィヒ工場では現在、世界200台の最終限定モデル「アルティメット・ソフィスト・エディション」を生産している。2019年12月の時点で「i8」の累計生産台数は2万台を超えた。ちなみにこの台数は、同社の伝説的なスポーツカーである「M1」の399台、「Z8ロードスター」の約5000台をはるかに上回っている。

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