モーターショー

【地方モーターショー探検】広島の輸入車ショーで鹿児島の至宝に出会った

マツダCX-30ともみじまんじゅうに出迎えられて

過去のイベントリポートに書いたように、地方の輸入車ショウのいろいろな面白さに目覚めた私。今年も行けるだけ行こうと思いカレンダーとにらめっこし、広島、大分、愛媛輸入車ショウ三都物語を楽しむことに。2週連続3カ所の“モーターショーはしご”を決行いたしました。
さて今年はどんな出会いがあったのでしょうか。みなさんの今後の参考になれば幸いです。
第一弾は2020年2月1(土) 〜2日(日)に広島県立総合体育館(広島グリーンアリーナ)で開催された第27回広島輸入車ショウ2020です。

さすが広島です。

広島駅改札を出るとそこにはマツダCX-30ともみじまんじゅうの広告が。こんないかにもな、ガイドブックを実物にしたような展示にニンマリです。クルマの横のサイネージにはものづくりに関するビデオが常時流れていたのですが、これがまた凝っていて乗車待ちの15分にちょこっと見るにはもったいない感じ。さすがまじめですね。

まずは腹ごしらえから!?

会場に着くと、というかその手前ででっかく開催されていた”ひろしまフードスタジアム2020広島大牡蠣祭り冬の陣”という食の祭りの方に自然に吸い込まれてしまいました。
いったい何店あるのやら数えられないくらい(あとで調べたら75店あった)の食のブースに、3月末現在では考えられないくらいの人が集まってもりもり食べている。

圧巻は2日分で牡蠣を240キロ使うという超巨大牡蠣鍋。私が覗きこんだ時には残念ながら超巨大味噌汁になってしまっていましたが、翌日来ればまたあるよとのことだったので来年挑戦しようと思います。
こうなると何か食べないとやってられないという気分になりますが、食べ過ぎてやる気なくなったら困るので心を鬼にして(帰りに寄ることにして)会場を後にしました。

ぎゅっと展示

会場に入るとできるだけ詰め込みましたという感じで密度高くクルマが並べられていました。
これだけの輸入車を一度に見て触れるのも地方モーターショーの魅力。特に東京モーターショー2019で消化不良だっただけに心躍ります。

個性的なボディカラーのクルマも多かったので密着の中に華もあり、特に真新しいモデルはなかったものの一台一台見るのが楽しかった。
ケイターハム、ロータス、ランボルギーニなど日ごろ間近に見る機会が少ないスポーツカーにをじっくり見る人が多かった。ラクシュリーブランドには常連さんがという感じでした。

実用車にはじっくり品定めする人が多かったので、結局まんべんなくどこにも人がいました。
個性的なデモカーのボディカラーにこだわることで知られているポルシェセンター広島もちゃんといい色を飾っていました。911のリザードグリーンは初期導入車限定の色だったので新車ではもう買えないそうですが。認定中古車で良ければということでカレラ4Sが2150万円でありますよとのことでした。ちなみに、特別なカラーの認定中古車は情報が表に出る前に売り先が決まってしまうことが多いそうです。

ボディカラーで言えば私はやはりベントレーです。ル・ボランCARSMEET横浜・神戸でもコンチネンタルGTコンバーチブルが展示してありましたが、あの色も素晴らしかった。色使いは世界一だと思っています。
自由にとはいかないクルマも一部ありましたが、全車自由に触り放題ということも魅力ですね。

プレミアムなガレージはいかが?

ヨドコウのブースに模型が展示してあった”ヨドガレージ エマージュII“プレミアムガレージにちょっと惹かれました。
ガレージ横にリビングにも使えるユーティリティスペースがあるのがいい。写真のクルマ1台型の497万円(一般地型・税別)から2台型の860万円(同)まで。3種類あります。
ポルシェやベントレー買える人ならオプション代くらいでしょうからそんなに高い気はしません。

フェラーリはローマのパネル

V8 GT Ferrari Romaの予約展示パネルにちなんで250GT Berlinetta Lussoを展示していました。


2,953.21cc V12エンジンを搭載した、レース用と高級車の中間に位置するGTカー。1963年から1964年後半にかけて350台が作られたそうです。
ランボルギーニ派の私はフェラーリを見てカッコいいな、欲しいなと思ったことはこれまで一度もありませんでしたが、このベルリネッタは美しかった。

驚きの目玉は羽仁コレクション!

その世界では知らない人はいないHANI VINTAGE COLLECTIONからの貴重な2台が展示されていました。これには驚いた。めったなことでは鹿児島から出ないし、基本的にショーには展示しないと言われているコレクションがこんなところにあるなんて。
こういう予想外の出会いがあるから地方の輸入車ショー探検はやめられない。

1)AUBURN V12 BOAT-TALE SPEEDSTER (オーバーンV12ボートテイルスピードスター)

ボートの後部を思わせるテイルの大変流麗なスタイルのソフトトップ2シーターは、世界での現存数はわずか4台と言われているそうです。もちろん日本にはこの1台。
スペックほど大きく感じないけど、これで2人乗りとはなんと贅沢な空間の使い方か。とてもきれい。

●V型水冷12気筒6,412cc 160hp
●5.05m(全長)×2.02m(全幅)×1.45m(全高)

2) Oldsmobile Starfire 98 Holiday Coupe 1957 (オールズモビル スターファイア 98 ホリデイ・クーぺ)

画に描いたような古き良き時代のアメリカンクーペだけど、改めて子細に見るととても贅沢で美しいとても凝った作りをしています。
この時代に全自動変速機拝ドラマチック、パワーステアリング、パワーウインドウ、パワーステアリング、ブレーキアシストなどが標準装備。
現存する個体は極めて少ないそうだけどこの個体はワンオーナーでオリジナルコンディションを維持しているとのことです。まさに驚嘆。

●V8 OHV 6,063cc 300hp
●5.48m(全長)×1.95m(全幅)×1.47m(全高)
●総生産台数17,791台

3) 羽仁正次郎氏はこんな人
1938年鹿児島県生まれ。現在は自動車関連のみの会社を経営。1957年、18歳の時に1953年型シボレーベルエアを手に入れてから外国車の虜になる。(中略。書ききれません)
海外の有名コレクターに知己も多い。

タイミング良くご本人に面会できたので話を伺いました。現在のコレクションは、完成品で二百数十台、未完成品でも数百台あり、その中には世界に数台しかない貴重なヴィンテージカーもある。
世界中に知られた存在だからでしょう、貴重なクルマを買わないかというオファーも頻繁にあるとのこと。つい先日も買ったばかりだと仰っていました。
鹿児島に行けばコレクションをいつでも見せてもらえるとありがたいお言葉をいただいたので早速見に行こうと思います。
完成品に関してはいつでも動かせるように常にコンディショニングしているそうです。白状すると、羽仁正次郎氏のこともこの2台のクルマのことも全く知らなかったので帰宅して慌てて少し調べました。勉強も兼ねてコンディショニング担当で雇ってもらおうかな?

広島と言えば広電ともみじまんじゅう、だけじゃない!

ショーのあとにはバリエーション豊かな広電に乗って市内散策を楽しみもみじまんじゅうを買って帰るというのがイメージの定番ではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。


西部警察PART-IIの”広島市街パニック!!“で広電750形が爆破されるシーン。車体にはもみじまんじゅうの広告がありました。以来、広島と言えば爆破されるもみじまんじゅうを思い出します。
そんなことを思いながら広島駅のおみやげ街をぶらぶらしているとこんな表示が目に入りました。

”バームクーヘン発祥の地 広島“
ん? ホンマか? ドイツちゃうの? と店のおねえさんに訊くと、日本のバームクーヘンは本当に広島で始まったのだといいます。でも彼女も店に入るまで知らなかったとのこと。広島出身なのに。


少し調べてみました。
”原爆ドームがまだ広島物産陳列会館という名称だった1919年にカール・ユーハイムという人が販売したのが始まり。その人はドイツの菓子職人で、1919年3月に、瀬戸内海に浮かぶ似島(にのしま)の捕虜収容所に抑留されていた時に他の捕虜に振る舞うために焼いたのが最初といわれている“
何やら悲しい歴史話がありそうです。
洋菓子のユーハイムはここから始まったんですね。ユーハイムのバームクーヘンが大好きで、他にどれだけ行列ができるバームクーヘン屋が現われたとしても浮気せず頑なにユーハイムを愛してきた私なのにこの歴史を知らなかったとは恥ずかしい。


そして2019年は日本のバームクーヘン誕生100周年で、今年2020年は次の100年に向けての1年目。ユーハイムでバームクーヘン買ってお祝いしなければ。

とりあえずはこの店のバームクーヘンを齧りながら、塩ちゃんいなかったな~と思いながら、新幹線で西に向かったのでした。さあ、明日は大分輸入車ショウだ!

(取材・写真・文:大田中秀一)

いま、ローカルモーターショーが熱い!【その1】富山輸入車ショー
https://carsmeet.jp/2020/02/19/139862/

いま、ローカルモーターショーが熱い!【その2】岡山輸入車ショー
https://carsmeet.jp/2020/02/20/140430/

大田中 秀一

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