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ボルボが新車輸送を鉄道主体に

欧州における物流を変革。CO2削減の方向性を強める

電動化などCO2排出削減に積極的な姿勢を見せるボルボ・カーズが、新車の輸送を鉄道主体にシフト。現在、多くの自動車メーカーは生産・組み立て工場から車両保管場所までの輸送にトラックを使っているが、ボルボは鉄道に切り換えることでCO2を削減。今回、ベルギーのヘント工場からイタリア北部、あるいはオーストリアの倉庫までの輸送を鉄道へ変更することでCO2排出量を50-75%削減できたとしている。

ボルボ・カーズはベルギーのヘント工場からオーストリアの倉庫までの輸送を鉄道へ変更することで、CO2排出量を50〜75%削減できるとしている。

日本では2006 年からトヨタ自動車が部品の輸送に専用列車を使っており、ドイツではポルシェが2018年から一部完成車の輸送に鉄道を使っている。一方で道路状況のよくないインドなどアジアでも完成車の鉄道輸送が計画されているが、ボルボはより広範囲で鉄道輸送を活用。中国からベルギーまでの輸送ルートの一部や、米国チャールストン工場からの出荷輸送にも鉄道を使っている。
一度に多くの台数を運べる鉄道輸送だが、一方で駅止めとなるので小回りが効かなかったり、災害などの影響を受けやすいといったデメリットもある。またトラックの電動化が進めば、CO2削減のための鉄道輸送という大義名分も成り立ちにくくなる。ボルボは今後しばらくは完成車の鉄道輸送を増やしていく考えだが、CO2削減効果がいつまで保たれるのか、そのあたりもウォッチしていきたいところだ。

ルボラン2020年6月号より転載
田畑修

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