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横転!爆破!!『西部警察』65話「博多港決戦!!」の「棺桶ローレル」パトカーをアオシマ製プラモで再現【モデルカーズ】

地方ロケ編名物のハードトップ白パト

わが国初の”ハイオーナーカー”、日産ローレルが2代目・C130型系へとフルチェンジを果たしたのは1972年のことである。4ドア・セダンと2ドア・ハードトップのみを設定、営業用モデルをラインナップしないというポリシーは初代から変わらず、タクシー仕様などは用意されなかった。そのボディラインは当時の日産車の流れを汲む、小型化したセドリック/グロリアといったものだが、2ドア・モデルは当時のアメリカ車のようにテールランプをリアバンパーに埋め込んでいたのがひときわ特徴的だった。
シャシー周りについては、数ヶ月遅れて登場したC110系スカイラインと基本コンポーネンツを共用していたが、ホイールベースは2670mmと、スカイラインより60mm長い。サスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレ(2ドア)/リーフ(4ドア)。エンジンは1.8L 直4のG18、2L 直4のG20、そして2L 直6のL20を用意。トップグレードのSGXにはツインキャブ仕様のL20が搭載されていた。さらにデビュー翌年には2.6LのL26搭載車を追加、のちにG18はL型4気筒のL18に変更されている。

このC130ローレル、現役当時よりも型遅れとなってからの方が人気が高まった(主に族車方面で)のは有名な話だが、中古車になってからの活躍の場としてもうひとつ挙げられるのが、映画やドラマのスタント用車両であろう。タクシー用グレードがなかったため、タクシー廃車が破壊用に動員されがちだったセドグロほどではないが、ドラマ『西部警察』シリーズでも、特に地方ロケ編では横転や爆破などに大活躍を見せていた。ここでお目にかけていているのは、そんなローレルをアオシマ製1/24プラモデルで再現した作品である。

モチーフとしたのは、『西部警察』(いわゆるパート1)の第65話「博多港決戦!!」に登場した白黒パトカー(白パト)だ。この回は九州ロケ前後編の後編にあたるエピソードで、車両破壊の大盤振る舞いなのだが、その分車両の調達に苦心したのであろう。通常このドラマにはあまり登場しない2ドア車のパトカーが横転シーンを演じており、それがこのローレルなのである。

この個体については、フロントグリルから前期型であることは確認できるが、グレードは不明である。フロントのエンブレムが赤文字であることから2Lなのは確かで、メッキのタルボミラーとデュアルエギゾーストからSGXであると推測されるが、確証は持てない。この作品ではSGXと仮定し、制作を行った。現在、アオシマ製キットには新規パーツとして前期グリルも含まれているが、この作例の制作時点ではまだパーツ化されていなかったので、ここでは後期グリルを加工して前期タイプとしている。

リアピラーからトランクにかけてラインを修正!
アオシマのローレルは側面ガラスの天地が若干不足気味で、ルーフが厚く屋根が低く見える。そこでレインモールのモールドを除去し、その上のテーパー面を削り込んで開口部を上に拡げた。レインモールは0.5mmプラ板で再生。また、リアピラーからトランクリッドまでのラインがほぼ一直線のファストバック状なのが気になるところ。実車は浅いノッチがある。そこで、まずリアガラスの縦の窓枠をナイフで切り取る。次の作業の邪魔になるためだ。そしてトランク左右のスジを切り込み、後端にも筋彫りを入れ、押し込んで曲げる。

約2mm下がった状態で裏側にポリパテを盛り、フェンダーに固定する。上面のスジ彫りはプラリペアを流し込むように盛って固めた。トランクリッドは水平に近づけたぶん前方に長くなるので、前端を約2mm切り詰め。フェンダー側も削って角度をトランクリッドに合わせ、さらにリアピラーも削り込んだ。肉が足りず破けた箇所はパテでふさぎ、外側に広がってしまったピラーのエッジを削って修正。さらに、ピラー下部の谷状のプレスラインがキットでは後ろ上がり過ぎるので、ペーパーで削り込んで谷の位置を下げる。

リアガラス両脇のパネルが足りないので、裏からポリパテを盛りつけ。固まったらパテを削ってピラー上面を成形する。そして0.5mmプラ板の細切りで窓枠を再生。これでリアエンドの形状修正が完了、かなりローレルらしくなった。実車はリアピラーがもっと内側に倒れ込んでいるが、最少限の手間で済ますならこれが確実。

パンダ色はガイアカラーのExホワイトとアルティメットブラックで塗り分けた。フード前端のラインは曲線定規と厚紙でゲージを作り、マスキングテープから切り出す。この方法ならボディに直接ナイフを当てずに済む。マスキングを剥がしたら、塗り分けの境目をエナメルシンナーと綿棒でよく拭いて、テープの糊を除去しておこう。「福岡県警察」の文字はアオシマ「パトカーパーツ Cタイプ」のデカールを使用、方眼マスキングテープで位置合わせしつつ貼った。

フロントグリルを前期タイプに改修する。前期グリルはライト周囲の「茶筒」がなく、グリルの周りも曲面形状。まずライト部に1mmのプラ板を貼ってカサ上げ、グリルの周りにパテを盛り、凹み部分の谷カドを滑らかな形状にする。ライト穴は裏からモーターツールで開口した。赤色灯はデカールと同じくアオシマ「パトカーパーツ Cタイプ」から。

実車は横転シーン専用のためか側面の文字が「警察」のみという大雑把な作りだが、作例としては見栄えを重視して「福岡県警察」とフルに入れた。フロントエプロンも実車は黒く塗られていないが、やはり模型としてはどうかと思われるので、きちんと黒塗装にしている。内装のカラーリングは茶系と想定して塗装、インテリアも前期と後期では違いがあるがほぼそのまま制作している。

作例制作=北澤志朗/フォト=服部佳洋 modelcars vol.244より再構成のうえ転載
LE VOLANT web編集部

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