海外試乗

ハイテクサルーン、新型BMW7シリーズに試乗/前編

これが自動運転時代の「駆けぬける歓び」

 7シリーズといえばメルセデスSクラスに対する最強のアンチテーゼとして、長らくエグゼクティブカー市場において強い存在感を示してきた。だが「富裕層ビジネス」なんて言葉がもてはやされるようになった10年くらい前あたりから、上から(アストン、ベントレー)下から(ジャガー、マセラティ)ライバルが続々と参入、その狭間で揺れ続けてきたように思う。そんな7シリーズが6年ぶりに生まれ変わった。

 自動運転にオール電化。クルマの未来はこう決まった。すると「駆けぬける歓び」を標榜するBMWは旗色が悪そうにみえる。7シリーズといえば押しも押されぬBMWのフラッグシップ。果たしてリーダーはそれに対する明確な回答を持っているのだろうか?

 さて、その新型7シリーズと対面したのはポルトガルのポルトという古い港町だった。ずいぶんスタイリッシュになったな、というのがその第一印象だったが、ボディサイズは全長が19㎜、全高が7㎜大きくなっただけで先代とほとんど変わっていない。思うにフロントフェンダーのエアブリーザーから延びてサイドビューを引き締めるクロームのモールディング、3シリーズ同様、新たにキドニーグリルにまで延びたワイドなヘッドライトがそう思わせるのだろうが、このクラスの定番中の定番であるメルセデスSクラスすらクーペライクなフォルムを纏ういま、ここまで端正なスリーボックススタイルを持つサルーンも珍しい。保守的といえば保守的なのだが、決して退屈じゃないし凜とした強さもある。そういえばクリス・バングルが手掛けた先々代より前を振り返れば、7シリーズはずっとそんなキャラクターだった。うん、何か正統派としての7シリーズが帰ってきた感じだ。

プラグインハイブリッドも追って登場

 発表された当初のラインナップは、ガソリンが3リッター直6ターボの740iと4.4リッターV8ツインターボの750i。そしてディーゼルは3リッター直6ターボの730d。ボディはそれぞれにノーマル版とホイールベースが140㎜延長された「Li」を用意する。そして今回は展示にとどめられていたのだが、2#直4ターボ+モーターのプラグインハイブリッド、740e。電気自動車(EV)であるi3/i8のノウハウを活かして開発されたというこのクルマは、日本にも導入されたX5 xDrive40eと基本的に同じパワープラントを搭載。モーターが8速ATに統合されたパラレルハイブリッドで、これに外部充電機能をプラスして欧州モード燃費47.6㎞/l、CO2排出量49g/㎞を実現する。それでいてシステム総出力は326psと、740iと同等のパフォーマンスを誇る。

BMW 750Li xDrive

東京標準現金価格 ¥-
全長/全幅/全高 5238/1902/1485mm
ホイールベース 3210mm
車両重量 1915kg
エンジン型式/種類 –/V8DOHC32V+ツインターボ
総排気量 4395cc
最高出力 450ps(330kW)/5500-6000
最大トルク 650Nm(66.3kg-m)/1800-4500
トランスミッション 8速AT
燃費(JC08)  -km/l
サスペンション形式 前:ダブルウイッシュボーン/エアスプリング
後:5リンク/エアスプリング
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前:245/50R18 後:245/50R18

問い合わせ先=BMWジャパン www.bmw.co.jp

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LE VOLANT BOOST編集部

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