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最大トルク1100Nmの圧倒的な加速! それでいて感動的に快適。BMWのフラッグシップEV「iX M60」はスポーツカー顔負けのハイパフォーマンスEV

BMWのハイパフォーマンスモデル「M」の名を冠するiXのフラッグシップEV、iX M60が日本上陸。スペックはスポーツカー顔負けのパフォーマンスを発揮、では、実際の走りはいかに?

【写真9枚】0→100km/hなんと3.8秒の圧倒的スペック! iX M60の詳細を写真で見る

感動的に快適なのに圧倒的な速さが楽しめる

BMWiのXモデルとしては、初のMモデル。システム最大トルクは、なんと1100Nm。そんな情報を得ていただけに、自ずと身構えてしまう。だが、走り始めると正反対の印象を抱いたのだ。

アダプティブ・エアサスペンションを装備。設定を引き締めるまでもなく、低重心化によりコーナリング中もフラットな姿勢を維持。

静粛性は、感動的なほどに優れている。路面が平滑で走行モードがエフィシェントなら、高速域までほとんど無音だ。モーターが音を発することはなく、路面がザラついているとロードノイズが聞こえるものの音量は圧倒的に低い。フィルターを通しているかのように、音質がまろやかなので耳障りではない。空力性能も高いため、風切り音もゼロレベルだ。

試乗車は22インチの快適性を重視したタイヤを装着。

走行モードがパーソナルなら、加速時はモーターの性能を演出する電子音が重なる。エンジン音とは異質だが、アクセル操作の通りに力強さが立ち上がる反応の正確さが臨場感たっぷりに表現される。走行モードをスポーツにしてアクセルを踏み込むと、エンジンの鼓動を思わせる電子音が響く。そのまま加速を続けると、パーソナルと同様の電子音に変わりモーターの高性能ぶりを知らしめる。

新世代BMWデザインの象徴といえるBMWカーブド・ディスプレイを採用。ラゲッジルームは500~1750Lと十分な容量を確保。上質に仕立てられたキャビンは大柄な男性が4名乗車しても後席で足が組めるほど広い。

0→100km/h加速は3.8秒と発表されているだけに、圧倒的な速さが実感できる。だが、危なっかしい印象とは無縁でいられる。自由自在になるモーターの特性を完ぺきに制御し、余計な緊張感を抱かせることなく走りの楽しさだけを提供してくれる。

急速充電は日本のCHAdeMOに対応。普及しつつある90kW仕様なら75分で0~80%に達するが短時間とはいえない。

走行モードがスポーツでもサスペンションはスムーズに動き、低重心化により場面を問わずフラットな姿勢を保つ。山岳路ではボディの大きさを意識せずに低速コーナーを駆け抜けることができ、走りの楽しさが上乗せされる。

なお、フル充電での走行距離はWLTCモードで615kmだ。ただ、大型バッテリーを積むだけに普通充電でも急速充電でも現状では長い時間が必要となる。充電設備の高出力化は急務といえる。

【Specification】BMW iX M60
■車両本体価格(税込)=¥17,400,000
■全長/全幅/全高=4955/1965/1695mm
■ホイールベース =3000mm
■トレッド(前/後) =1660/1690mm
■車両重量=2600kg
■モーター種類=交流同期電動機
■最高出力=前:258ps(190kW)/8000rpm、後:490ps(360kW)/13000rpm
■最大トルク=前:365Nm(37.2kg-m)0-5000rpm、後:650Nm(66.3kg-m)0-5000rpm
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■定格出力(前/後)=70/125kW
■一充電走行距離(WLTCモード)=615km
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/エア、後:マルチリンク/エア
■ブレーキ(前&後)=Vディスク
■タイヤ(前&後)=275/40R22(9.5J)
■問い合わせ先=BMWジャパン70120-269-437

BMW iX公式サイト

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2022年9月号より転載
萩原秀輝

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