モデルカーズ

これが最後だ!!テールフィンの終焉を「1964年型キャデラック」のジョーハン製プラモで知る【モデルカーズ】

ひとつの時代の区切りを示す年式

黄金時代のアメリカ車を象徴するもの、と言えば、誰もが思い浮かべるのはテールフィンであろう。リアフェンダー上部を飛行機の尾翼のように、あるいは魚のしっぽのように、ピンと立たせた独特の形状。それを初めて採り入れ、そして最後まで見守ったのは、高級車・キャデラックであった。

【画像19枚】威厳に満ちた1964年型キャデラックをディテールまで見る!

1948年型からテールフィン・スタイルを導入したキャデラックだが、そのフィン・スタイルの終焉を飾ったのは、1964年型である。1964年型は基本的には前年1963年型のマイナーチェンジ版だが、リアクウォーターパネルのプレスが微妙に修正され、フィンの高さが低く見えるよう改められていた。ホイールベースは129.5インチ(3289mm)を標準に、9人乗りが149.8インチ(3805mm)、コマーシャルシャシーは156インチ(3962mm)。

搭載されたエンジンは340hpの429-cid(7L)V8。これは、1949年に導入され連綿と使われ続けてきたV8 OHVを、前年1963年型で大幅に改良したもので、これによって約23kgもの軽量化を実現していた。この年はさらに排気量アップが行なわれ、390-cid(6.4L)から429へと拡大されている。技術的な進歩という意味では、この年からフルオートエアコンが導入されたのも、特筆すべき点(業界初を謳った)であった。

1964年型のラインナップはベーシックなシリーズ62(クーペ、セダン)、その豪華版のデ・ヴィル(クーペ、セダン、コンバーチブル)、最上級のフリートウッド・シリーズ(シックスティスペシャル:セダン、エルドラド・ビアリッツ:コンバーチブル、75セダンおよびリムジン:9人乗り)、そしてコマーシャルシャシー(救急車や霊柩車用)からなる。

デ・ヴィルはシリーズ62(モデルコード6200)のサブシリーズ(コード6300)という位置づけだが、シリーズ63と記される場合もあり、また両シリーズとも、セダンには4ウィンドウと6ウィンドウ(オペラウィンドウつき、所謂シックスライト)の2種類が用意されていた。

キットのプラは固く脆いので取り扱いには注意!
テールフィンの代表車種とも言うべき1959年型キャデラックは、わが国のグンゼ(現GSIクレオス)までも含め、いくつかのプラモデル化があるが、1964年型については、ジョーハン製1/25スケールのクーペ・デ・ヴィルがおそらく唯一であろう。ここでご覧いただいているのはそのジョーハン製キットを組み立てたものだが、以下、作例の作者・周東氏による解説をお読みいただこう。

「ジョーハンの初版モデルは新車当時に発売されたもの(アニュアルキット)で、クーペ(C-364)とコンバーチブル(C-367)がある。グリルやインテリア、スポークホイール等のカスタムパーツがオマケとして付属。フロント・ホイールにはステアリング機構を導入、それがまだ珍しかったのだろう、当時の広告でも強調されていた。内容としては1963年型と共通点が多く、ボディはその金型を改修したものと思われる。1963年型が再販されないのはそのためだろう。

作例に使用したのは『USA OLDIES』シリーズとして1970~1980年代に再販されたもの(C-3764)。素材は非常に硬く割れやすく、取り扱いには終始気を使った。間違っても落下は禁物である。1964年型はこれまで何度か再販されたようで、成型色もホワイト以外にグリーン、ブルーなどがあるようだ。新しいものは金型が傷んでバリも多くなっているようだが、まだまだ往年のシャープさは残っている。

ただし、再販キットには初版に見られたようなカスタムパーツは一切なく、シャシーも初版とは別物で、ステア機構はなくなっている。ホイールはフロント、リアともにシャフト(プラ製)でつなぐだけ。また、なぜかフロントシートの形状が1968年型のものとなっていて、一緒のランナーに2本のシャフトがモールドされている。どうやら再販の時に差し替えられたようだ。もしかすると、シートの金型はすでに存在しないのかもしれない。

バスタブ状のインテリアはリアシートの両サイドにソフトトップの収納部がモールドされているので、明らかにコンバーチブル用のパーツである。これは初版も同様で、ジョーハンに限らずアメリカの自動車キットでは、ハードトップとコンバーチブルがある場合は同一のパーツ(コンバーチブル用の方)が使われている。したがって、インテリアは全面的に作り直したいところだが、作業量のわりに目立つところではないので、手を入れることは控えた」

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.136より再構成のうえ転載

AUTHOR

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事
注目の記事

RANKING