レクサスLMに3列シートの6座仕様が追加された。これまでの4座仕様がショーファー専用という位置づけだったのに対して、こちらはファミリーユースも可能。ドライバーズカーとしても活躍しそうなモデルだ。
3列目の乗り心地も上質で快適な移動が可能
レクサスLMが、市場のニーズに応える形で6人乗り仕様の“バージョンL”をラインナップした。筆者はこのLMが登場したとき、トヨタの最上級ミニバン、アルファード/ヴェルファイアをベースに、あえての4座でさらなるプレミアムな移動時間と移動空間を提供したことに驚きとその価値を感じたが、果たしてこれが6人乗りになるとどうなのか? 全ての席に座って確かめてみた。
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字数の関係で結論を急げば、一番快適だったのは運転席だ。“アル/ヴェル”と共用する骨格はレクサス専用に溶接を始めとした専用の補強が施されており、特別大きな剛性感の向上は感じないものの、その乗り味には高級感がきちんと漂っている。2.4L直列4気筒ターボと前後モーターを組み合わせた4WDハイブリッドは、371psのシステム出力でパワーデリバリーもスムーズ。もちろんそこには“レクサスバイアス”も大いに掛かっているが、路上のクルーザーを地で行く、ゆったり上質な乗り心地が得られている。
さらに「スポーツ」モードを選ぶと、ダンピングが可変してロール&ピッチが実にほどよく抑え込まれる。エンジンが引っ張り気味になるのは別にして、このモードがノーマルでも良いと思えるほどリニアなハンドリングだ。だからこそ運転席が一番快適だと感じた。
注目のセカンドシートは、4座仕様同様のゴージャスさ。タッチ式コントローラーで各種機能を操作し、オットマンで足を伸ばしながらTVを観たりマッサージでくつろげるが、3列目シートの影響で着座位置が中央寄りとなり、ボディのねじれや揺れを拾ってしまうのが実に惜しい。対して3列目は、リアタイヤの真上ながらも乗り心地はかなり上質。シートは薄造りだが出来が良く、リアアクスル周りの剛性も高いから、快適性が保たれているのだ。また「リア・コンフォートモード」を選べば、さらに突き上げを緩和できる。
一番豪華な2列目シートの乗り心地があまり良くないのは6/7人乗りの宿命だが、4人乗りの際は2列目をなるべくリア寄りにすればいいとも言える。総じて少しだけ、ミニバン的。4座仕様が約500万円高く、プレミアムMPVと呼ばれる違いはここにある。
【Specification】レクサスLM500h “バージョンL”
■車両本体価格(税込)=15,000,000円
■全長×全幅×全高=5125×1890×1955mm
■ホイールベース=3000mm
■トレッド=前:1615、後:1620mm
■車両重量=2440kg
■エンジン型式/種類=T24A-FTS/直4DOHC16V+ターボ
■総排気量=2393cc
■内径×行程=87.5×99.5mm
■エンジン最高出力=275ps(202kW)/6000rpm
■エンジン最大トルク=400Nm(46.9kg-m)/2000rpm
■Fモーター最高出力=64kW
■Fモーター最大トルク=292Nm
■Rモーター最高出力=76kW
■Rモーター最大トルク=179Nm
■燃料タンク容量=60L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=13.8km/L
■トランスミッション形式=6速AT
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ=前後:225/55R19
問い合わせ先=レクサスインフォメーションデスク TEL0800-500-5577