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スピリット・オブ・エクスタシーの儚さを凝縮!ロールス・ロイス、プライベート・コレクション「ファントム・シンティラ」を発表

優雅さと幻想的な美しさを随所にちりばめて

ロールス・ロイスは、プライベート・コレクションであるPhantom Scintilla(ファントム・シンティラ) を発表した。

【画像29枚】設立120周年を記念するモデルでもあるその姿をしかと拝む!

このモデルは、ロールス・ロイスの伝統的マスコット、スピリット・オブ・エクスタシーの優雅さ、躍動感、幻想的な美しさを表現したもの。スピリット~は元来、ギリシャの大理石像「サモトラケのニケ (The Winged Victory of Samothrace)」にインスピレーションを得たものであるが、このモデルのスピリット・オブ・エクスタシーは、精巧なセラミック仕上げとなっている。

ロールス・ロイスの中でも最も複雑なデザインに仕上げられたインテリア・ドア・デザインを持つこのモデルは、同社のプライベート・オフィスを通じて、世界限定10台が販売される。

このモデルの発表にあたり、ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者クリス・プラウンリッジ氏は以下のようにコメントしている。

「プライベート・コレクションの発表は、いつも画期的な瞬間です。世界に数台しか存在しないこれらの希少で収集価値のあるモーター・カーは、真の傑作です。これらはロールス・ロイスのクリエイターや職人たちの限りない創意工夫と技能を示すとともに、お客様のアイデアを刺激して独自のコミッションにつなげるものでもあります。また、ロールス・ロイスが真のハウス・オブ・ラグジュアリーであることを象徴しています。

私たちは単に自動車を製造するだけではありません。今日のコレクターから高く評価され、将来にわたって大切にされる希少で複雑かつ精巧に作られた極めてラグジュアリーな製品を製造しています。精巧なビスポーク製品を生み出し、特別な体験を形にすることは、今月の超高級品のお客様の要求に直接応えるものです。このアプローチは、今後も私たちのビジネスを形づくっていくでしょう。

また、VIPのお客様に向けたプライベート・オフィスのグローバル・ネットワークを拡大し、デザイナーがお客様と直接コラボレートし、世界のどこにいても最もエクスクルーシプな製品を共同で制作していきます。(中略)私たちの永遠のミューズであるスピリット・オブ・エクスタシーを称えるファントム・シンティラは、これらの理念を完璧に表現したものです」

スピリット・オブ・エクスタシーは、1世紀以上にわたり、エレガンスと人類の功績を象徴する存在であったとも言える。設立120周年を迎える2024年、ロールス・ロイスはこの永遠のミューズにオマージュを捧げ、このファントム・シンティラと名付けられたプライベート・コレクションを発表した。世界限定10台のこのコレクションは、スピリット・オプ・エクスタシーの幻想的な美しさ、優雅さ、伝統を讃えるものだという。

ファントム・シンティラのインテリアは、「自動車が通り過ぎる時に垣間見えるドレスの動きにインスピレーションを得たもの」とのこと。インテリア全体に施された刺繍はスピリット~のエレガントな躍動感を捉えており、入念にキュレーションされたデザインの特徴は、パリアン・マーブル(パロス島の大理石)への言及とともに、このフィギュアの起源を示唆するとしている。

パリアン・マーブルとは、2000年以上前、ギリシャの名もなき天才が、クロード・ジョンソンのロールス・ロイスのマスコット原案にインスピレーションを与えた「サモトラケのニケ」を彫刻した大理石である。

ファントム・シンティラの名は、ラテン語で「閃光」(一瞬だけ現れる明るい光)を意味する言葉に由来。これはクロード・ジョンソンが最初に閃いたマスコットにちなんだもので、スピリット・オブ・エクスタシーの幻想的な優雅さ、車両が通り過ぎるほんの一瞬だけ視界に写りこむものでありながら、いつまでも残る深い印象を示唆するものだという。

大理石の美しさをセラミックで表現
「サモトラケのニケ」は、古代ギリシャのパロス島で採掘された、きめの細かな白い大理石に彫刻されており、純度の高さと輝きで知られるこの素材は、数センチの深さまで光が届くため、内側から輝いているかのような光沢を生み出すが、ファントム・シンティラでは、スピリット・オブ・エクスタシーにセラミック仕上げを施し、このパリアン大理石の質感を表現したという。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ、ビスポーク・カラー&マテリアル・デザイナーのセリーナ・メッタン氏は次のように述べている。

「私たちは、パリアン大理石の特質に魅了され、この素材を何か月にも渡って研究しました。かの有名な彫像との明確でエレガントなつながりを生み出すために、この唯一無二の石が持つ透明感や純度を捉え、私たちのアイコンの優美な面影を宿すセラミック仕上げを開発しました」

エクステリアにはギリシャの海からのインスピレーション
ファントム・シンティラのエクステリアはビスポークのツートーン仕上げ。ボディ上部はアンダルシアン・ホワイト、ボディ下部はトラキアン・ブルーとなっている。このブルーは、「サモトラケのニケ」の由来であるサモトラケ島を囲む海の色から着想を得たとのことで、繊細なメタリックフレークによって海面を照らす太陽光の輝きを模しているという。

このエクステリアは、さらに手塗りのダブルコーチラインとスピリット・ブルーのホイール・ピンストライプが入ることによって完成させられている。

表情豊かな動きがあふれるインテリア
インテリアは、スピリット・オブ・エクスタシーの表情豊かで躍動感のある姿にインスピレーションを得たとのことで、さまざまなデザイン要素や質感、連続的なグラフィックで彩られている。ロールス・ロイス・モーター・カーズ、ビスポーク・カラー&マテリアル・デザイナーのカトリン・レーマン氏は以下のように述べた。

「私たちは水彩画のように見える単一のグラフィックを作り上げようと考え、これを『糸による絵画』と呼んでいます。光沢を与えるために4つの異なる色、糸の太さ、さまざまな方向のステッチを織り交ぜました。これにより、ロールス・ロイスではこれまでに探求したことのない領域をカバーし、これまでのロールス・ロイス車で最も密度の高い刺繍を実現しました」

このアイデアを具現化するためのチームを率いたブリエニー・ダドリー氏は、数々のステッチや色合いの試作を経て、6層にわたってさまざまな密度で複雑に織り込む「タタミ・ステッチ」にたどり着いたという。インテリア全体は86万9,500ものステッチで構成され、その制作時間は40時間以上に及ぶとのこと。以下はダドリー氏のコメントだ。

「このデザインを立体的に表現することは素隋らしい創造的挑戦でした。レザーとファブリックという2つのキャンバスは、刺繍を施すとそれぞれ異なる表情を見せるため、さらに複維さが増しました。別々に刺繍を施した36種類のパネルを慎重にぴったりと合わせて配置することで、インテリア・スイート全体にシームレスで流れるようなモチーフをつくり出しました」

ドアに施された刺繍のモチーフは、ブルー・グレー、アークティック・ホワイト、スピリット・ブルー、パウダー・ブルー、パステル・イエローの糸を組み合わせた約63万3,000ものステッチにイルミネイテッド・パーフォレーションが加えられたもので、これまでのロールス・ロイスで最も複雑なドア・デザインだという。

夜になると刺繍は内側から光を放っているような趣を呈し、シートはほのかに反射する光沢のあるツイル生地仕立てで、インテリア内の素材の相互作用による表情に深みを与えるとのこと。ブルー・グレー、アークティック・ホワイト、スピリット・ブルーの糸による約23万6,500に及ぶステッチが、4つのドアに複雑なデザインを描いている。

ギャラリーのアートワーク「セレスティアル・パルス」
ファントム・シンティラの中心にあるのが、フロントフェイシア全体に伸びる、ギャラリーを飾るビスポークのアートワークだ。「セレスティアル・パルス(天空の鼓動)」と名付けられたこの作品は7本のリボンで構成されており、それぞれが無垢のアルミニウムから削り出され、スピリット~の像と同じ肌理の細いセラミックで仕上げられている。エッジは鏡のように磨き上げられ、動きと流動性の演出が図られている。

またグローブ・ボックスのエンボス・プレートには、クロード・ジョンソンが手掛けたロールス・ロイスのマスコットの原案が飾られている。1910年に書かれたこの言葉は、ファントム・シンティラの本質「スピードと静寂性、振動を感じさせない滑らかさ、神秘的に引き出される大いなるエネルギー、そして優雅さを備えた美しい生命体」を表現しているとされる。

スターライト・ヘッドライナー「つかの間の一瞬(Fleeting Moment)」
ビスポークによるスターライト・ヘッドライナーは、スピリット・オブ・エクスタシーの流れるようなドレスにインスピレーションを得たアニメーションが特徴とされる。すべて手作業で独自のパターンで配置された1,500個の光ファイバーの「星」が順々に光を放ち、動きのある感覚を演出。さらに、意図して大きめに作られた4,450個のパーフォレーションから、その下にあるメタリックシルバーの生地がのぞき、微妙な光の相互作用を生み出すという。

優雅なディテールはさらに随所に
リアのピクニック・テーブルにも動きの感覚が引き継がれ、「スピリット・オプ・エクスタシーの流れるような動きを捉えた」グラフィックが描かれている。モチーフは、光沢のある虹色の表面にマスキング技法で施され、その後、手作業でやすりをかけてマット仕上げにすることで、2色が微妙に変化する錯覚を生み出しているとのこと。

ウッドセットはアークティック・ホワイトで表現され、虹色のメタリック粒子を混ぜたラッカー仕上げ。このラッカーコーティングは最大19層、1台につき190時間以上を要するという。ポリッシュ仕上げのステンレススチール製トレッドプレートには、プライベート・コレクションの名が刻まれ、また最後の仕上げに、各コミッションにはビスポークのカーカバーが付属する。

プライベート・コレクション、ファントム・シンティラは、ロールス・ロイスが国際的に展開するプライベート・オフィスのネットワークを通してのみ購入できるとのことである。

LE VOLANT web編集部

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