
ビートル1302Sカブリオレは安心して乗れるオープンカー
フォルクスワーゲン「カルマンギア」でその名を知られるドイツの老舗コーチビルダー、カルマン社は、VW「タイプ1(通称ビートル)」のオープンモデルの架装も手がけていた。2025年6月1日に開催された「Street VWs Jamboree」ではカルマンギア生誕70周年を記念してカルマン社を特集。そこに参加していたタイプ1カブリオレのオーナーに愛車への思いを聞いてみた。
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1302Sから乗り換えたのは1302Sカブリオレ
埼玉県から1972年式VW「タイプ1 1302Sカブリオレ」に乗ってご夫婦でイベントにエントリーした青木卓哉さん(36歳)は、免許を取ってからずっとビートル一筋。ちなみに戦前の1938年に登場したVWタイプ1のフロントサスペンションはトーションバー式だったが、フロントにストラット式サスペンションを採用した「1302」(通称マルニ)が1971年式から追加され、さらにエンジンを1300ccから1600ccに増強したのが「1302S」となる。よく見るとフロントのボンネットがトーションバーのビートルよりも盛り上がっているのが1302の特徴だ。
最初の愛車として1995年式のメキシコ製タイプ1、通称「メキビー」に5年ほど乗っていた青木さんは、やがてさらに古い年式のVWに興味をもつようになり、ストラットの足まわりを持つ1302Sに乗り換えたのだそうだ。最初のマルニに5年ほど乗ったある時、不運にも、もらい事故でマルニは大きな損傷を受けてしまった……。
「次のクルマも空冷VWでいろいろ検討した中で、同じマルニでカブリオレはどうだろうかと。それまでのマルニで心配なく走れていましたし、パーツ供給も恵まれているので、安心してカブリオレに乗れると思いました」
シンプルなので自分でもメンテや修理ができる
東京都立川市の空冷VWショップ「ベースキャンプ」に在庫していたこの1302Sカブリオレは、前のオーナーが幌とシートを張り替えてほとんど新品のような状態だったため、購入を決意。以来かれこれ6年半にわたり、近所の埼玉県草加市にあるVWショップ「ワイルドシング」を主治医として乗り続け、2年前に建てた家もこのカブリオレのためのガレージ付きという愛しっぷりだ。
「細かいトラブルはあっても大きなトラブルはないです。3台目のVWだから自分の救出スキルも上がってきて、自力で路上復帰したこともあります。空冷VWはパーツ供給が恵まれているのと、シンプルなので自分でもメンテナンスや修理ができるのが良いところですね」
結婚して2年目となる奥さまの青森の実家までも、このビートル・カブリオレに2人で乗って問題なく行けたそうだ。
「このクルマがまた(もらい事故で)やられたら、もう買い直すんじゃなくて、直しますね」
と言う青木さん。このまま大事に維持しながら、レトロなオープンカー・ライフを楽しんでいくことだろう。
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