海外試乗

【試乗】4.6m超のボディを1.2L MHEVでどう走らせる? 新型シトロエンC5エアクロスと「PHC」が叶える極上のマジックカーペット《LE VOLANT LAB》

2代目 シトロエン C5エアクロス
2代目 シトロエン C5エアクロス
2代目 シトロエン C5エアクロス

「快適性」は再定義されたのか? シトロエンの新型C5エアクロスに試乗

シトロエンの新たなフラッグシップへと進化した新型「C5エアクロス」が日本に上陸した。先代の親しみやすいSUV像から一転、最新のデザイン言語と拡大されたボディを得たその姿は、C5 Xの役割をも飲み込む野心作だ。注目は1.2Lターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた新パワートレイン。スペック以上の軽快な走りと、PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)がもたらす伝統の「魔法の絨毯」をパリ近郊の試乗で解き明かす。

【画像12枚】空力と美しさが融合したリアランプに注目! 新型シトロエンC5エアクロスの独創的なディテールを写真で見る

「風変わり」ではなく「ロジカル」。空力と伝統が交差する新たな顔

2026年4月16日に日本市場で発売となったシトロエンの新型C5エアクロスを、ひと足早くパリ近郊で試乗することができた。先代のC5エアクロスはSUVらしさ、高めのボンネットラインと垂直気味に立てられたフロントマスクを強調していた。さらに全体として小石が磨かれたような丸みを帯びたシルエットで、ひと目でそれと分かるキャラクターを備えたデザインだった。対して新しいC5エアクロスは異なるデザイン言語を採用。よりクリーンで控えめ、守られ感も強め、ただし彫刻的な塊感や空力特性は増す方向といえる。

中でも目を引くのは、2本バーとセンタークラスタによる新たなライトシグネイチャーが際立つマトリックスLEDヘッドライトもさることながら、整流板としての機能を兼ねてボディから突き出るように備わるリアコンビランプだ。

前者はステアリング連動式ヘッドランプを採用したDSの頃から続くシトロエン的な伝統の一部、後者は空力の改善による燃費向上や環境負荷を低減するためとして、デザイナーとエンジニアのみならず、欧州の認証機関をも巻き込んだ進歩的な形状でもある。風変わりどころかロジカルなデザインなのだ。

C5 Xと統合。サイズアップの裏にある「質的向上」の狙い

加えてフロントバンパー両脇と、フロントドアのフェンダーガード部分に配されたアクセントクリップは、薄いゴールド色で、さりげなく豪華な印象をも大事にしている。何せ今次のC5エアクロスは、先代からフルモデルチェンジのみならず、ラインナップ編成の上ではC5 Xとも統合された、シトロエンのフラッグシップ・モデルなのだ。

すると先代比+155mmの全長4655mmに同+55mmの全幅1905、全高は変わらず1710mmだが、+60mmも拡大されたホイールベースなど、サイズアップの意味が透けて見えてくる。ただの大盛りSUVではなく、足元スペースから後席の居住性や、荷室の使い勝手も含めて車内空間のスペース性を改善するという、質的向上がテーマなのだ。それでいてクロームメッキのような光モノが、外観にほとんど使われていない点でも、従来的なフラッグシップの文法からほど遠い一台といえる。

1.2L MHEVへの疑念を払拭する、軽量シャシーとË6-DCSの妙

プラットフォームはマルチパワートレイン対応で知られるSTLAミディアムだが、日本市場にはBEVでもPHEVでもない、48VシステムのMHEVを備えた1.2Lターボのみ。近頃の国産CセグSUVといえば2.5L+ストロングハイブリッドが標準的なので、いかにも頼りなく感じるかもしれない。

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南陽一浩

AUTHOR

1971年生まれ、静岡県出身、慶應義塾大学卒。ネコ・パブリッシング勤務を経てフリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・男性ファッション・旅行等の分野において、おもに日仏の男性誌や専門誌へ寄稿し、企業や美術館のリサーチやコーディネイト通訳も手がける。2014年に帰国して活動の場を東京に移し、雑誌全般とウェブ媒体に試乗記やコラム、紀行文等を寄稿中。2020年よりAJAJの新米会員。

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