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【試乗】新型GRカローラ“25式後期”は家族で使えるか? GR-DATとECOモードが叶える、同乗者も頷く「仕立てのいい」心地よさ《LE VOLANT LAB》

トヨタ GRカローラ RZ “25式後期”
トヨタ GRカローラ RZ “25式後期”
トヨタ GRカローラ RZ “25式後期”

諦めるのはまだ早い! パパママ必見のGRホットハッチ試乗記

モータースポーツ直系の技術で鍛え上げられたホットハッチ、トヨタ GRカローラ。2025年秋発表の最新「25式後期」は、ボディ剛性や冷却性能をさらに高めた。ハードコアな進化を遂げる一方で、8速AT「GR-DAT」や優れた静音技術により、実はファミリーユースも許容する懐の深さを秘めている。はたして新型GRカローラは家族の日常で使えるのか。公道試乗を通じて、同乗者も頷く「仕立てのいい」心地よさの真髄に迫る。

【画像18枚】モータースポーツ直系の機能美。GRカローラ「25式後期」のディテールをすべて見る

モータースポーツ起点で進化を続ける「GRカローラ」の軌跡

GRカローラはカローラスポーツをベースに、2021年から水素エンジンを搭載して参戦したスーパー耐久で培ったノウハウを投入して走行性能を高めたホットハッチだ。2022年4月にアメリカはカリフォルニア州ロングビーチでデビューし、同年12月に日本国内仕様車の抽選申し込みの受付を開始、翌2023年に発売された。「22式」と呼ばれるこの初期モデルは、カローラスポーツ比でフロント/リアのフェンダーを左右にそれぞれ約30mm拡幅し、フロント60mm/リア85mmワイドトレッド化したボディに、GRヤリスと共通の1.6L直列3気筒エンジン「G16E-GTS」を304ps/6500rpmまで高出力化して搭載し、「GR-FOUR」と名付けられた4WDシステムを介して駆動する。

「モータースポーツ起点のもっといいクルマづくり」を標榜するGRらしく、これまでモータースポーツの現場からのフィードバックを反映するマイナーチェンジが重ねられてきた。2023年8月には締結剛性を高めたボルトを採用、またフロントバンパーダクト形状を変更してホイールハウス内の空気の流れを最適化した「23式」が登場。

2025年2月に登場した「25式前期」と呼ばれるモデルでは、中速域のトルクを370Nmから400Nmに向上させ、従来の6速MTに加えて新開発の8速AT「GR-DAT」がラインナップに追加された。さらに旋回性能向上のために前後ショックにリバウンドスプリングを追加するなどし、4WD制御やABS制御にも手が入った。

3度目の改良となる「25式後期」。キーワードは骨格と冷却性能

そして今回試乗した「25式後期」モデルは、2025年9月に発表された最新のもの。3度目となる改良内容は、「スーパー耐久シリーズの参戦やニュルブルクリンクでの開発を通じてボディ骨格、吸気冷却性能、サウンドづくりを進化させた」と謳われる。

ボディの強化については、総延長32.7mの構造用接着剤を追加して、強烈な上下左右Gに見舞われる海外サーキットでも安定走行可能なレベルを狙った。接着剤の塗布というと簡単そうにも聞こえるが、フロントボディ/フロア/リアホイールハウスを中心とした「効くポイント」を正確に狙い、質量増を最小限に抑えながら高剛性化を図るためには高い施工技術が求められるそうで、GRファクトリーの専用ラインだから可能になったという。

吸気冷却性能については、連続した高負荷運転でも吸気温度の上昇を抑えるため、2次吸気口にフロントグリルから直接外気を導く「クールエアダクト」が追加された。モータースポーツの現場では市販の蛇腹ダクトホースなどで自作するコンペティターがいることを見聞きした開発陣が、水の吸入を防いでフレッシュエアだけを取り込めるダクトをつくり上げたそうだ。

ありがとうネジと接着剤! 公道で際立つ「入力が逃げない」ソリッド感

それにしても相変わらず光り物のひとつも追加されることはなく、ネジとかバネとか接着剤とかひたすら地味、かつモータースポーツの現場感に溢れている。しかし今回の試乗イベントは富士スピードウェイを拠点とするものの、試乗コースは公道。あまつさえ限界性能とやらは専門外、もっぱら法令遵守、お借りした試乗車を無傷でお返しするのがモットーの筆者はミスキャストとしか言いようがない。何がどれだけわかるのか不安しかない。

ところが、である。まずはMT仕様に乗り込んでGR-FOURのモードを前後駆動力の可変制御が自動で行われる「TRACK」に設定してから1速に入れ、駐車場を出ようとハンドルを切りながらゆっくりアクセルを開けただけで「おおお!」となった。

第一にステアリングがめっちゃタイト。ハンドルと前輪がきっちり繋がって入力がどこにも逃げていかない。それはアクセルからの入力に対しても同じで、タイヤを前に転がすためにすべての力がもれなく伝わっていることが感じられる。ショルダーが立ったデザインがカッコいいタイヤ「YOKOHAMA ADVAN APEX V601」がすーっと転がる様が目に浮かぶ。発生した動力が車体のゆるさに食われない、剛性の高さとはこういうことだ。ありがとうネジ! ありがとう接着剤!

時間の関係で三国峠の登りだけMTで走ったが、クラッチが極端に重いこともなく、iMTを使えばブリッピングもかましてくれるから普通の実用MT車と変わらず……いやむしろトルクがある分シフト選択に悩まされることもなく快適に駆け上がる。荒れた路面では真っ直ぐ縦方向への突き上げもあるが瞬時に収まるいい足だ。上屋はフラットなままコーナーをクリアし、ステアリングは澄み切った山の稜線のようにくっきりと清々しい。

いざ本命の「8AT」へ。意のままの変速とドライバーを熱くするサウンド

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