アルピナの血統を継承する、珠玉のハイパフォーマンスワゴン
2026年6月14日、ドイツ・バイエルン州ブッフローエに本社とファクトリーを構えるボーフェンジーペン(BOVENSIEPEN)が、昨年5月にお披露目されたボーフェンジーペン・ザガートに続く同ブランドのニューモデル第2弾となる「ボーフェンジーペン05 GT」を発表した。
ボーフェンジーペン・ザガートは、BMW M4カブリオレをベースに、イタリア・ミラノの名門カロッツェリア、ザガートが内外装デザインを手掛けた、極めてエクスクルーシブなモデルだが、今回登場した「05 GT」は、もちろんスペシャルな一台ではあるものの、より幅広いカスタマーに向けて開発されたモデルと言える。
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名匠フランク・ステファンソンが描く、エレガントな専用エクステリア
ボーフェンジーペン05 GTは、そのルックスと全長5092mm×全幅1970mm×全高1516mmというボディサイズから、BMW M5ツーリングをベースにしている事がわかる。だが内外装にはM5ツーリングそのままではなく、オリジナルのモディファイが施されている。
デザインを手掛けたのは、モロッコ出身のアメリカ人カーデザイナーであるフランク・ステファンソン氏だ。同氏は米国のアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン卒業後、ドイツ・ケルンのフォード・デザイン・スタジオでキャリアをスタート。その後BMWで初代BMWミニや初代X5を手掛けた。これが高く評価されて、2002年にはフェラーリ・マセラティのコンセプト・デザインおよび開発部門の初代ディレクターに就任。マセラティ・グランスポーツやマセラティMC12、フェラーリFXX、フェラーリF430のデザインをまとめ、ピニンファリーナが手掛けたマセラティ・クアトロポルテやマセラティ・グラントゥーリズモ、フェラーリ612スカリエッティ、599フィオラノにも関わっている。
2006年にはフィアットに移籍し、プントやブラーボ、量産仕様の500のデザインを指揮。2008年からはマクラーレンのデザイン・ディレクターとなり、MP4-12CやP1、675LT、570S、720Sのデザインを統括。2017年に独立し、現在はベビーシートから家電、eVTOLまで、様々な工業製品のデザイン責任者やデザイン・コンサルタント業を行っている。
今回のボーフェンジーペン05 GTには、そんなステファンソン氏の知識と経験が存分に生かされている。前後バンパーとサイドスカートは専用にデザインされ、レーザーカットされた高品質ステンレススチール製フロントグリルと大型エアインテークが、ボーフェンジーペン・ザガートとの結びつきを印象づけている。
ブッフローエの真骨頂。極上の乗り味と最高級のオーダーメイド空間
サイドスカートの水平デザインラインは、サイドビューを伸びやかで低く見せ、リア4本のオーバル型のテールパイプが特徴的な、アクラポヴィッチ製チタンエグゾーストシステムが、スポーティな印象を際立たせている。
音叉のような形状が特徴的な、10本のダブルスポークを持つ21インチ軽量鍛造アルミホイールは、見る者にスポーティネスとエレガンスを感じさせる。装着タイヤは、サイドウォールに「BOV」マークが刻まれた、ピレリが専用開発したものを装着。アイバッハ製スプリングと専用ストラットタワーブレースを採用し、精緻にチューニングされたサスペンションシステムとともに、正確でスポーティな最高のハンドリングと最高レベルの乗り心地を実現したという。
インテリアは、高品質なアルミ製シフトパドルや、ハンドメイドのラヴァリナ・ステアリングホイールが備わるほか、シート下部のパネルやカップホルダー周りのトリム、iDriveコントローラーに至るまで、最高級レザー張りとなっている。顧客が望めばラヴァリナレザーによるフルレザーインテリアはもちろん、ステッチも含めて好みのカラーに仕上げることも可能だ。
800ps/1100Nmへ強化! M5ツーリングを凌駕する圧巻のパワートレイン
パワートレインについては、現時点でアナウンスされていないが、左フロントフェンダー上部に充電ポートリッドが確認できることから、M5ツーリングのPHEVシステムを使用しているようだ。4.4L V8ツインターボに電気モーターを組み合わせたこのハイブリッドパワートレインは、M5ツーリングでは、V8エンジンが最高出力585ps(430kW)/最大トルク750Nm、電気モーターが197ps(145kW)/280Nmを発揮し、システム合計で727ps(535kW)/1000Nmとなっているが、ボーフェンジーペン05 GTは、800ps(589kW)/1100Nmまで引き上げられている。
車両重量は2555kgとM5ツーリングと同じで、0-100km/h加速も3.6秒と、M5ツーリングと変わらず。最高速度も305km/hで、M5ツーリングのMドライバーズ・パッケージ装着車と同値となっている。つまり、ボーフェンジーペン05 GTは、パフォーマンスはM5ツーリングと同等レベルで、さらにブッフローエ仕込みの最高レベルのハンドリングと快適性が盛り込まれたモデルというわけだ。
M5ツーリングとの価格差は約900万円。新生ボーフェンジーペンの未来を占う試金石
そんな欲張り極まりないボーフェンジーペン05 GTは、2026年第4四半期にデリバリー開始予定で、ドイツにおける価格は、19%の付加価値税込みで19万8900ユーロ(約3695万円)と、M5ツーリングのMドライバーズ・パッケージ装着車(15万0200ユーロ、約2790万円)より4万8700ユーロ(約905万円)高い。
この価格差は、かつてブッフローエで生産されていた、先代BMW 5シリーズがベースのBMWアルピナB5 GT(リムジン:14万5500ユーロ)と先代M5(セダン:12万7600ユーロ)の価格差より大幅に拡大している。BMWアルピナブランドがBMW本体に譲渡され、創業家のファミリーネームを冠した新ブランドを立ち上げたブッフローエの少量生産メーカーが、果たしてよりプレミアムな方向で成功を手にする事ができるのか。05 GTにはボーフェンジーペンの未来がかかっていると言っても過言ではない。





































