伝説の軍用車「ウィリスMB」の精神を受け継ぐ限定車
ジープブランドは2026年6月12日、米国ミシガン州オーバーンヒルズにおいて、2027年モデルの特別仕様車として「ジープ・ラングラー・サージ」および「ジープ・グラディエーター・サージ」を発表した。これはジープが展開する「Twelve 4 Twelve Wrangler」シリーズの第8弾となる限定モデルだ。ブランドの原点である1941年型ウィリスMBにインスパイアされたミリタリーテイストのデザインと、現代のジープが誇る高い機能性を高次元で融合させた注目の1台となっている。
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象徴的な「’41 Green」が主張する、揺るぎないミリタリーテイスト
エクステリアにおける最大の特徴は、第二次世界大戦時のオリジナル・ウィリスを彷彿とさせる深いオリーブドラブのトーンを採用したボディカラー「’41 Green」だ。2020年に限定色として登場して以来、ブランドを象徴するカラーへと成長したこの色を全身にまとい、本物のミリタリーテイストを表現している。
細部にもこだわりが光り、シグネチャーであるセブンスロットグリルを際立たせる「’41 Green」またはホワイトのグリルサラウンドを採用した。さらに、専用のヴィンテージスタイル「1941」センターフードデカールやミリタリーテイストのドアスターグラフィックが、ジープの伝統へのオマージュを力強く主張している。
足元には標準装備となる33インチのBFグッドリッチKO2オールテレーンタイヤに、「’41 Green」で塗装された専用17インチホイールが組み合わされる。機能的なブロンズ製の牽引フックやスチール製ルビコンロックレール、ボディ同色のフェンダーフレア、「’41 Green」またはホワイトのフリーダムトップ・ハードトップなども装備され、ヘリテージデザインを完璧なものとしている。
耐久性と上質さを両立したミッション仕様のインテリア
室内空間は、タフネスと快適性の両立を目指して構築された、ミリタリーユースを彷彿とさせるデザインとなっている。キャトル・タン・ナッパとドラブ・グリーンの表面を組み合わせた専用のカラースペースを採用し、インストルメントパネル周囲やドアアームレスト、センターコンソールといった接触頻度の高いエリアの耐久性を高めている。
シート表面やミッド・インストルメントパネルには耐摩耗性に優れるソウル・クロスを使用し、キャビン全体には機能性を強調するマヤ・ゴールドのアクセントステッチが施されている。また、1941カップホルダープレートやスターメダリオン・シフトノブ、セブンスロットグリルがあしらわれた空調パッドプリントなど、歴史を感じさせる専用の装飾も随所に散りばめられている。
圧倒的な積載・牽引能力を誇る「グラディエーター・サージ」
ラングラーだけでなく、ピックアップトラックであるグラディエーターにも「サージ」特別仕様車が設定された。ウィリスおよびルビコントリムをベースとしたこのモデルは、タフなオフロード性能やミリタリーテイストの美学を共有しつつ、最高水準である3.5トンの牽引能力と780kgの最大積載量を誇る。
ジープブランドCEOのボブ・ブローダードルフ氏はこれらの限定モデルについて、過去を振り返るだけでなくその価値を未来へ継承することによってブランドの伝統に敬意を払っていると述べている。過酷な地形でも日常の道路でも頼りになるクルマを作るという哲学が貫かれているのだ。2027年モデルとなる両モデルの注文は、北米で今夏後半に開始される予定だ。ラングラーの4ドアモデルは同等装備のウィリスまたはルビコンより100ドル高く、グラディエーターは同等モデルより500ドル高いメーカー希望小売価格からスタートする。
【ル・ボラン編集部より】
現代のSUVが電動化やデジタルデバイスの拡充へと向かう中、ジープは幾度も「1941年の原点」へと回帰する。今回の「サージ」に施されたオリーブドラブやスチール製レールは、単なるノスタルジーの表現ではない。かつてのウィリスMBが戦地で示した「絶対的な生還能力」という純粋な目的意識こそが、現代の成熟した自動車趣味人にとって最上級の贅沢になり得るからだ。快適さや洗練とは対極にある武骨さ。それこそが、このブランドが永遠に手放してはならない核心である。
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