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ディズニーが手掛けた“エンジン無き”初代フォード・マスタング。現存4台のNY万博車両が米国の歴史的遺産へ

現存わずか4台!

フォードは2026年7月2日、1964年のニューヨーク万国博覧会で使用された初代フォード・マスタング1965年型の1台が、「国立歴史的車両登録簿(National Historic Vehicle Register)」に正式に登録されたことを発表した。

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ニューヨーク万国博覧会での画期的なデビュー

アメリカの歴史と文化において極めて並外れた重要性を持つ車両を記録するこの登録簿は、ハガティ・ドライバーズ財団と米国内務省の歴史的アメリカ工学記録(HAER)の提携によるもので、その記録文書は議会図書館に永久保存される。

1964-1965年のニューヨーク万国博覧会で使用された初代マスタングのうちの1台

マスタングのデビュー舞台となったのは、1964年4月17日のニューヨーク万国博覧会におけるフォード・パビリオンだ。自動車の歴史を塗り替えることになる1台らしく、このデビューは実に手の込んだものだった。その詳細は次のようなものとなる。

当時フォード社長であったヘンリー・フォードII世は、アトラクションの設計を担当したディズニー(WEDエンタープライズ)に対し、「ゲストにはフォード車に乗ってパビリオンを体験してもらうこと」を強く求めた。その結果、リンカーン・コンチネンタル、フォード・ギャラクシー、同フェアレーンといったフォード社の既存ラインナップに加え、新たに12台のマスタングがアトラクション用車両として投入されたのである。

ここでディズニーは、画期的な駆動システム「ピープル・ムーバー(WEDwayトランジット・システム)」を開発した。エンジンを持たない車両を動かすこのシステムは、車両底部に金属プレートとステアリングロッドが取り付けられたうえで軌道上に配置され、車体下部のタイヤが車両を推進させるものだった。

当時のディズニーによるプレスリリースでは、この乗車体験を通じて「ゲストは時間や空間の制限に縛られることがありません」と謳われ、模擬「タイム・トンネル」から始まる冒険が提供された。こうして、人類の歴史を巡る12分間の「マジック・スカイウェイ」の旅を実現したのだ。

1964年4月17日、新型車マスタングをお披露目するヘンリー・フォードⅡ世

「マスタング・マニア」の到来と歴史的快挙

このフォード・パビリオンのアトラクションには、推定1500万人もの人々が訪れたとされる。当時、ベビーブーマー世代へのアピールを狙ってデザインされたマスタングは、そのスマートでスポーティーな外観と豊富なオプションにより、30歳以下の若年層から絶大な支持を集めた。

むろんそれだけでなく、注目のニューモデルらしい大規模なプロモーションが行われている。フォードは当時の3大テレビネットワークの放送枠を同時に買い占め、デトロイト工場引き渡し(FOBデトロイト)で2368ドルという手頃なエントリー価格を、大々的に宣伝したのである。

販売が開始されると、人々がディーラーの前でキャンプをするほどの熱狂が巻き起こり、そうした人々は「マスタング・マニア」と呼ばれた。最初の2年で販売台数は100万台以上を達成。そのうちの43%は女性への販売であったという。

また、その優れたデザインとアクセスの良さ、そして価格設定が評価され、自動車としては史上初かつ唯一となる、名誉ある「ティファニー・アンド・カンパニー・ゴールドメダル・アワード・フォー・エクセレンス・イン・アメリカン・デザイン」を受賞している。

現存する奇跡の1台

万国博覧会が閉幕した後、アトラクションで使用された車両はすべて一般の個人へと売却された。今回、歴史的車両として登録されたマスタングは、1965年シーズン(この万博は1964年4~10月に開催後、第2シーズンとして1965年の同時期に再開された)に向けて追加導入された第2陣の車両であり、現在存在が確認されている僅か4台のうちの1台という、極めて希少な個体である。

初代マスタングの最初期生産分は1964 1/2と呼ばれて珍重されるが、これは1965年型。しかしこの個体の希少度と重要性は飛び抜けている

仕様としては当時の状態が保持されており、オリジナルの6気筒120馬力エンジンとクルーズ・オー・マチック(Cruise-O-Matic)トランスミッション(AT)が現在も搭載されている。1965年12月にフォードの転売用「B」ロットから売却される直前に、1966年型用の8トラックプレーヤー付きAMラジオと3人掛けシートが装着された。現在のオドメーターは3万5000マイル(約5万6000km)をわずかに超える程度を示している。

このマスタングは、2026年7月14日までユニオン駅メインホールで開催されている「ドライビング・アメリカ・フォワード:ユニオン駅でのフォード・エクスペリエンス」にて、他の歴史的車両9台とともに、無料で一般公開されている。

なお、本展示にはクルマ好きで知られる著名司会者ジェイ・レノ氏も協力し、自身の1934年型フォードV-8トラックを貸し出している。レノ氏は少年時代、万博の列に並んだ際に、マスタングに乗るためわざと他の車を先に行かせたという熱狂的なエピソードの持ち主でもある。万博のアトラクションからアメリカの至宝へと至ったこの車両の驚異的な旅路は、今後も末永く次世代へと語り継がれていくだろう。

【ル・ボラン編集部より】

最新の「マスタングGTD」が空力と物理法則に挑む姿を見ていると、同車が純然たる戦闘機だと錯覚してしまう。だが、1964年の万博車両が内包する歴史的意義こそが、彼らの本質を雄弁に物語っている。エンジンを持たない遊具としてデビューしながら若者を熱狂させた事実は、単なるモビリティという枠を超え「自由」を大衆化した瞬間であった。最新鋭モデルが放つ圧倒的なパフォーマンスも、かつて万博で描かれた夢と間違いなく地続きにある。マスタングの真価とは、時代を超えて人々の渇望を具現化する圧倒的な物語性そのものだ。

【画像24枚】NY万博で人々が熱狂した「エンジンなしで走るマスタング」の詳細を見る!

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photos: Ford Motor Company
LE VOLANT web編集部

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