ベントレー初のBEV SUV「トルカル」、革新的な新素材を採用したインテリアを先行公開
ベントレーモーターズは2026年8月17日、ブランド初の完全電気自動車となるアーバンラグジュアリーSUV「トルカル」のインテリアに採用される新素材と仕上げを発表した。ベントレーが何世代にもわたり培ってきた伝統的なクラフツマンシップを受け継ぎつつ、現代のデザインと価値観を融合させている。レザーやウッドといった従来の中核素材に加え、これまでにない新世代のマテリアルやテクスチャーを導入し、ラグジュアリーの新たな基準を提示している。
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自動車業界初となるメリノウールの採用
トルカルのキャビンにおける最大の革新が、自動車インテリアとして初採用されたメリノウールである。ウールは柔らかな肌触りと優れた保温性を持ち、ファッション分野などで高く評価されてきた。しかし、自動車のインテリアに求められる耐久性を満たすことは長年の課題とされていた。今回、ベントレーは独自の技術と職人技を駆使してこの課題を克服している。
開発にあたっては、18世紀から上質なウール生地を織り続けてきた英国サマセット州の名門クロスメーカー、フォックス・ブラザーズと提携した。共同開発によって誕生した世界初の自動車用100%メリノウール製ファブリックは、「Responsible Wool Standard(RWS)」の100%認証も取得している。この新素材に合わせて6種類の専用カラーも用意され、同系色のトーンを組み合わせることで現代的で洗練された空間を演出する。
1000層から生み出される「オンブレ・ヴェニア」
トルカルでは、持続可能性と美しさを両立させた新素材「オンブレ・ヴェニア」も初採用された。これは、持続可能な方法で調達されたウォールナットの端材と、再生紙のクラフトペーパーを用いた環境に配慮した素材である。一枚一枚厳選された素材を最大1000層にも重ねて圧着し、それを1mm未満の極薄にスライスするという非常に緻密な工程を経て仕上げられている。
キャビンの幾何学的なデザインと調和するように設計されたこの素材は、表面全体で途切れることなくなめらかに移り変わるグラデーションを描き出す。深みのあるブラックからダークスモーク、ライトスモークへと変化し、やがてナチュラルウォールナットの豊かな表情へと自然につながっていく。伝統的な職人技を礎としながら、時代を超越したモダンラグジュアリーを体現するインテリア表現である。
伝統を再解釈した「サンバースト・アルミニウム」と今後の展開
テクニカルフィニッシュの新たな仕上げとして、マリナーによる「サンバースト・アルミニウム」も導入された。これは、かつてのベントレーモデルに採用されていたエンジンターンド加工のアルミニウム製ダッシュボードを、現代的な視点で再解釈したものである。卓越した精度と細部にまでこだわり抜いたクラフツマンシップによって仕上げられており、ベントレーの歴史に息づくクラフトの精神と現代の洗練された美意識が見事に融合している。
革新的な素材や環境への配慮、細部への徹底したこだわりは、未来のラグジュアリーが先進的かつ美しく仕立てられるべきであるというベントレーの新たなビジョンを示している。トルカルに関する情報は今後も段階的に公開され、その全貌が少しずつ明らかにされる予定だ。なお、ブランド初の完全電気アーバンラグジュアリーSUVである同車は、9月23日に英国ロンドンで世界初公開される。
【ル・ボラン編集部より】
端材や再生紙を用いたサステナブルな素材と聞けば、いかにも現代的でストイックなエコを想像する。だがベントレーは、それを1000層にも重ねて極薄にスライスするという途方もない手間をかけた。効率化が至上命題となるBEV時代にあって、この手作業によるクラフツマンシップこそが究極の贅沢である。かつてのエンジンターンド加工を再解釈したアルミトリムを含め、伝統の温もりと最先端の環境意識が見事に同居している。無機質になりがちな電動SUVのキャビンに、英国名門の歴史的な系譜が確かに息づく仕立てだ。
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