ラム、2027年モデルの新型商用バン「プロマスター・シティ」を発表
ステランティス傘下のラムは2026年8月27日、、完全新作となる2027年モデルの新型「ラム・プロマスター・シティ」の米国価格と詳細を発表した。小型商用バンセグメントへの復帰を果たすこのモデルは、2026年中に生産が開始され、2027年第1四半期にディーラーへ到着する予定だ。注目すべきは、配送手数料を含めた開始価格が4万ドル未満に抑えられており、商用バンセグメントにおいて最も低いメーカー希望小売価格を実現している点である。
【画像20枚】4万ドルを切る注目の新型商用バン。多彩なアレンジが可能なラム・プロマスター・シティの内外装をチェックする
4万ドルを切る戦略的な価格と多彩なバリエーション
新型ラム・プロマスター・シティの最大のトピックは、導入コストを重視するビジネスユーザーに向けた価格設定である。ラムのCEOであるマット・ヴァン・ダイクが約束した通り、最もベーシックな構成において、2595ドルの配送手数料を含めても3万9995ドルからという戦略的な価格を実現した。ラインナップは、実用性を重視した「トレーズマン」と、装備を充実させた上級仕様の「SLT」という2つのトリムレベルが用意されている。また、用途に合わせて荷物を運ぶカーゴバンと、乗車定員を5人から最大8人まで増やすことが可能なパッセンジャーワゴンの2種類のボディタイプが選択できる。
本体価格はトレーズマンのカーゴが3万7400ドル、パッセンジャーワゴンが4万100ドル、SLTのカーゴが3万8900ドル、パッセンジャーワゴンが4万1600ドルとなっており、これらに2595ドルの配送手数料が加算される。新型の登場により、ラム・プロフェッショナルのラインナップはフルサイズトラックからバンまで、さらに強固なものとなる。
都市部での機動性と圧倒的な積載・牽引能力の両立
新型モデルのベースとなっているのは、数十億マイルの走行実績と150万台以上の販売台数を誇るステランティスの実績ある商用車プラットフォームである。北米市場向けに専用のエンジニアリングと検証が施されており、確かな耐久性を備えている。パワートレインには、最高出力166ps、最大トルク300Nmを発生する1.6Lの直列4気筒ターボエンジンが搭載され、前輪を駆動する8速オートマチックトランスミッションが組み合わされている。これにより、トラクションと積載能力の両方が最大化されているのだ。

ラム・プロマスター・シティ
その積載能力は目を見張るものがあり、167立方フィート(約4729L)以上の荷室容量と111インチ(約2819mm)という長大な荷室フロアを誇る。一般的な4×8フィートの建築資材も飲み込むことができ、積載量は2000ポンド(約907kg)に達する。さらにオプションのクラス3トレーラーヒッチを装備すれば、最大2000ポンドの牽引能力も発揮し、「1トンの積載と1トンの牽引」という頼もしいスペックを実現した。それでいて、全高は80インチ(約2032mm)未満に抑えられている。これにより、都市部のほとんどの立体駐車場にアクセス可能な唯一のクラス2商用バンとなっており、54インチ(約1372mm)の荷室高やリアホイールハウス間の48インチ(約1219mm)以上の幅など、使い勝手を損なうことなく優れたパッケージングを成立させている。
乗用車ライクな快適装備と先進の運転支援システム
商用バンでありながら、キャビンの快適性と先進のテクノロジーが惜しみなく投入されている点も新型プロマスター・シティの魅力である。標準装備として、10インチのデジタル計器盤や、アップルカープレイおよびアンドロイドオートに対応したナビゲーション付きの10インチタッチスクリーンが採用されている。さらに、5インチのデジタルルームミラーや、チルト&テレスコピック機構付きのステアリングコラム、電子シフター、そしてフロントシートヒーターまでもが全車に標準で備わっている。上級のSLTトリムを選択すれば、フロントパーキングセンサーやワイヤレススマートフォン充電器、ステアリングヒーターに加えて、ボディ同色のバンパーや17インチのデュアルトーンアルミホイールなどが追加され、より乗用車的な仕立てとなる。
安全技術や運転支援システムの充実ぶりも特筆すべきポイントだ。すべての構成において、自動緊急ブレーキ付きの前方衝突警告や、ドライバーアテンションアラート、パークビューのリアバックアップカメラなどが標準で装備される。また、パッセンジャーワゴンには2列目と3列目をカバーするサイドカーテンエアバッグも備わるなど、乗員の安全性にも最大限の配慮がなされている。新型プロマスター・シティは、ビジネスの現場に新たな価値をもたらす存在として期待が高まる。
【ル・ボラン編集部より】
アメリカン・トラックの象徴たるラムが、都市型商用バンを再定義した。ステランティス傘下ならではの欧州的な洗練骨格に、1トンの積載と牽引というラム特有の屈強なワークホース哲学を違和感なく同居させた手腕は見事だ。デジタル装備など乗用車ライクな快適性を高めつつも、商用バン本来の無骨な実用性は一切スポイルされていない。過剰な装飾を排し、プロが使い倒すことを前提としたタフな造り込みは、兄弟車たちと同様に、我々にとってむしろ格好の「大人の遊び道具」に映る。痛快なまでに合理的な一台である。





















