美しい2シーターへの変貌と、FFレイアウトの逆襲
ル・ボランWebと提携している海外デザイナー・Theottle氏が公開した新型ホンダ「プレリュード・コンバーチブル」の予想CGが、熱い視線を集めている。もちろんホンダからオープンモデルの開発が公表された事実はないが、この非公式CGは単なるデザインスタディの枠を超え、プレリュードという車名が持つ拡張性、さらにはホンダのスポーツモデル戦略の未来を考えさせる重要な示唆に富んでいる。
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公開された予想CGは、新型プレリュードの流麗なクーペフォルムから大胆にもルーフを取り払い、後席を廃した2シーターのソフトトップ仕様へとカスタムされている。専用デザインに変更されたリアデッキなど、その仕上がりはメーカー純正のコンセプトカーを思わせるほどの完成度だ。
ベースとなるクーペ版の新型プレリュードは、シビック譲りの2.0Lハイブリッドシステムを採用し、「S+ Shift」によって有段ATのような変速フィールを実現したスペシャリティクーペである。シビック タイプR譲りのシャシー技術も取り入れられ、環境性能だけでなく「走る楽しさ」にも重点が置かれている。
FFレイアウトを採用するプレリュードは、FRスポーツカー特有のロングノーズ・ショートデッキのプロポーションを表現しにくいという特徴がある。しかし今回のCGでは、オープン化によってキャビンの存在感が強まり、クーペとはまた異なる独特の美しいスタイリングを獲得していることがうかがえる。
「風を感じるホンダ」復活の切り札となるか
これを現実の商品企画という視点で読み解くと、非常に興味深い戦略が見えてくる。S660やNSXの生産終了により、現在のホンダには純粋なオープンスポーツが存在しない。シビック タイプRやプレリュードがスポーツモデルの中心となるなか、「風を感じながら走るホンダ」を象徴するポジションは見事に空席となっているのだ。
クーペをコンバーチブル化するには大幅なボディ補強が必要となり、重量増や開発コストの高騰といった課題が立ちはだかる。しかし、マツダ・ロードスターやトヨタGR86、日産フェアレディZといった趣味性の高いモデルは、販売台数以上にブランドイメージを牽引する重要な役割を果たしている。日本市場との相性も決して悪くないカテゴリーだ。プレリュードを単なる1台のクーペにとどめず、ホンダのスポーツブランドを象徴する中核として育て上げるのであれば、派生モデルとしてのオープンカー展開は極めて理にかなっている。
フルオープンではなく「タルガトップ」という現実解
仮に本格的なコンバーチブルの量産がコスト面で難しいとしても、タルガトップや着脱式ハードトップといった方式なら開発負担を抑えられる。実際、今回のCGを取り上げた海外記事でも、電動ソフトトップよりも着脱式ルーフの方が現実的な選択肢として指摘されている。
ハイブリッドの静粛で滑らかな加速と、「S+ Shift」によるダイレクトな走行フィールの組み合わせは、爽快なオープンドライブと抜群の相性を誇るはずだ。プレリュード・コンバーチブルは、新時代のスポーツカー像を提案できる可能性を大いに秘めている。この美しい予想CGは、「プレリュードブランドはどこまで広げられるのか」という問いに対する、極めて魅力的な回答の一つと言えるだろう。
【ル・ボラン編集部より】
シビック タイプR譲りの強靱なシャシーを持ちながら、あえて刃を収め、しなやかな足回りと「S+ Shift」によるリニアな情感へと仕立て直した新型プレリュード。その本質はサーキットの「速さ」ではなく、大人の余裕たる「心地よさ」にある。今回のコンバーチブル予想CGは非公式ながら、そのキャラクターの到達点として実に説得力がある。武闘派の骨格に優雅なオープンエアのドレスを纏う。もしこの姿が現実になれば、ホンダは単なるスポーツカーの枠を超え、S2000とも異なる新時代のスペシャリティを確立するはずだ。
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