1972年式アルファ・ロメオ2000GTV(GTAm仕様)
新車から大切に乗っていた83歳の女性より譲り受けた1972年式アルファ・ロメオ2000GTV。オーナーの佐々木賢一さんは、この愛車を迫力のGTAm仕様へとモディファイした。外観だけでなく、世界に40基しかない本物のアウトデルタ製狭角ツインプラグエンジンを搭載し、公認取得のうえで競技も楽しむ1台に迫る。
【画像12枚】世界にわずか40基の「本物のGTAmエンジン」が鎮座! 迫力のワイドボディを纏った1972年式「アルファ・ロメオ2000GTV」の全貌を見る
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イベント主催やブログ発信でも有名なオーナーが駆る「2000GTAm仕様」
ヒストリックカーのコースジムカーナ「タイムトンネルトライアル」(TTT)のパドックに並んだ参加車のなかに、FRP製のオーバーフェンダーでワイドボディへと変貌を遂げたアルファ・ロメオ2000GTAm仕様の2000GTVがあった。今回で6度目のTTT参加だというオーナーの佐々木賢一さんにお話を聞いた。
毎年5月に行われる展示イベント「イタリアンジョブ」と、春と秋で年2回開催のタイムトライアルイベント「ラヴォイタ」を自らも主催するなどの積極的な活動や、愛車情報ブログ「Oh My Giulia」での発信などもあり、ヒストリック系アルファ・ロメオ界隈では有名な御仁だ。
新車から大切に乗られていた個体を、当時83歳の女性から譲り受ける
わずか40台しか作られていないホモロゲーションモデルである2000GTAmは、当然簡単に手に入るクルマではない。レーシングモデルの2000GTAmへの憧れを募らせつつ、1300ccのジュリアを愛車としていた佐々木さんはある日、仲間からの情報で1972年式2000GTVの売買情報を知る。その売主は、かつて新車で購入し、5年前に免許を返納してからも手元に愛車を残していたという、当時83歳の女性であった。
さっそく連絡を取って訪問の段取りをすると、宿泊の用意をして来てほしいとのこと。「どんな人が乗るのかしっかり話をしたい」と、夕食をご馳走になりながらその女性から「ポルシェ911やジャガーも並行して所有していたが、この2000GTVが何よりも好きであちこち出かけたり、息子の送迎も含めて、一番乗っていた」といった思い出を聞いたそうだ。
そして佐々木さんからは、もし譲ってもらえたら「整備ついでに改造してもいいですか?」と尋ねたとのこと。その場で即答はなかったが、後日譲渡の連絡をもらい、晴れて2000GTVのオーナーになったのが2001年のことであった。
世界にわずか40基! 伝説のメカニックの手で蘇った本物のGTAmエンジンを搭載
佐々木さんは、こうして手に入れた2000GTVを、1970年のヨーロピアン・ツーリングカー選手権を制覇したトイネ・ヘイマンズ仕様へと仕上げたのだった。オーバーフェンダーによる特徴的な姿から日本では「おたふく」と呼ばれる外観だけでなく、なんとわずか40基しか作られていないアウトデルタ製狭角ツインプラグのレーシングエンジンへと換装されている。
これは奇跡的に本物のGTAmのエンジンを手に入れることができたからだが、当然のことながら、散々レースで酷使された個体であった。とりあえずエンジンはかかるといった程度で、大半を作り直す必要があった。
そこで佐々木さんは、レーシングカーコンストラクターとしてフォーミュラカーの製作業務に携わるとともに、当時のF2やグラチャンへの参加チームのメカニックとして、松本恵二、鈴木利男、佐藤文康、森本晃生などの名ドライバーを担当し、勝利へと導いた地元のレジェンド、篠田千尋氏が営むショップ「シノダレーシングショップ」(SRS)へこのエンジンを持ち込んだ。こうして、最高出力169.1ps/6500rpm、最大トルク19.96kg-mを発揮しつつ、車検も余裕でクリアするエンジンへと生まれ変わったのだ。
「クルマはやっぱり動くもの」公認取得のGTAm仕様で走る喜びを満喫
このようにさまざまなモディファイが施されている佐々木さんの2000GTVだが、すべての構造変更を届け出て運輸局の公認を取得し、やましいことはひとつもない。
そんな仕様のマシンではあるが、6度目の挑戦となった今回は、参加台数の多い激戦区ということもあり7位という結果で、6位までの入賞には一歩及ばずであった。
「クルマは眺めても楽しいですが、やっぱり動くものです。こうした競技ではポテンシャルも引き出せるし、これからも楽しんでいきます」
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