DNAに刻まれた怒濤の世界
ポルシェ初のフル4シーター4ドアサルーンとして誕生した、パナメーラの2代目モデルに最上級のPHVグレードが追加投入。V8ツインターボと電動パワートレインという現在最強のタッグは、このエグゼクティブサルーンをいかに仕留めたのだろうか!?
シリーズ史上もっともスポーティでゴージャス
4.0リッターV8ツインターボは最高出力550ps。電気モーターは出力100kWでシステム総合は680psと850Nm。0→100km/h加速3.4秒。最高速度310km/h。スペック表は最初の1ページ目から、なにやらモノモノしい記述が目に飛び込んでくる。
最高出力550psと最大トルク770Nmを発生させる4.0L V8ツインターボは、HVモジュール内の電動アクチュエータで電気モーターと適時接続される。
パナメーラに追加された「ターボSEハイブリッド」は、プラグインハイブリッド（PHV）なのに、財布や地球への優しさを語るのではなく、スポーツ性能を高らかに誇示するのだ。
それもそのはず、現行モデルのPHVは2.9リッターV6ツインターボでシステム総合出力は462psにとどまっていた。いや、とどまるという表現は適切ではない。それでも十分にハイパワーだが、さらに218psも上回る680psに達しているのだから、スポーツ性をアピールしたくなるのも道理なのである。
走りに直結するところでは、21インチ大径ホイールに覗くブレーキが勇ましい。対向10ピストンキャリパーはEハイブリッドのアイコンであるアシッドグリーンに彩られ、前420mm、後410mmという、ホイールに収まるギリギリといいたげにセラミックディスクを締め付ける。
強力な回生エネルギーと制動力を発生させるブレーキはPCCBを標準搭載。試乗車のタイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4を装着。
エアサスはロールを抑えるアダプティブ制御を備え、リアには4輪操舵が備わる。8速PDKと4輪駆動は電子制御ですべてのタイヤに適切な駆動力を配分する。ポルシェが有する技術をすべて盛り込んだ。シリーズ史上もっともパワフルなパナメーラなのだ。
上質なレザーとピアノブラックパネルで仕立てられたインテリア。
そもそもこのパナメーラのトップグレードは、十分に長くてワイド。内装の高級感はショーファードリブンの性格が強く、ホイールベースを150mm伸ばしたエグゼクティブなんて、シリーズ中もっともパワフルかつ安楽なPHVモデルともいえるだろう。
スポーツ仕様の前後シートはともに電動調整式。
リポート：木下隆之／フォト：郡 大二郎／ル・ボラン2018年9月号より転載
