それは暫定的に設けられた給油口。でも、なぜ? 次期ポルシェ911の続報。このオーバーフェンダーでちょっぴり拡幅され、リアフェンダー上に暫定テスト用給油口を持つ試験車は……ズバリハイブリッドだ。911標準の燃料タンクは車両前方にあるのだが、このハイブリッドではそのフロント部にモーターや電池、パワーエレクトロニクス等を搭載するため、タンクは後席下からトランスミッション脇あたりに移動されているのだろう。 リアの拡幅はこれまでの911の歴史に習うなら、操縦性ファインチューンのための微調整だろう。その証拠にフロントのキャンバーにも手が入っていて、結果的にはみ出したタイヤをカバーするようフェンダーに加工が施されている。次期911自体がさらなる拡幅路線に進むかは不明だが、少なくともこのハイブリッド試験車では、バッテリーサイズを含めて重量配分の変わる要素をいじりながら(それに合わせてアライメント要素も変えながら)試験をしているはずだ。 次期911のライナップにハイブリッドが加わることは間違いないが、そのスペックは謎のベールに包まれている。フロントに備わる電動ドライブ(おそらくGKN製)の出力も、バッテリー容量も不明。ポルシェはCO2排出量規制に有利なPHVとしたいだろうが、その場合は重量との戦いが相当厳しいはず。しかしこのクルマのデビューはリチウムイオンバッテリー全般が重量比出力/容量とも格段に進化した次世代型に切り替わる次期でもある。ポルシェらしい先進性が披露されることに期待したい。 Text:Makoto TAKEHIRA Photo:Apollo News Service 全文を読む