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ボルボXC90 T6 AWDインスクリプション vs アウディ Q7 2.0 TFSIクワトロ、新プラットフォームを採用したプレミアムSUVの実力はいかに!【清水和夫のDST】#74-1/4

清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number74(SEASON.6):新プラットフォームを採用したプレミアムSUVの実力はいかに!

ボルボXC90 T6 AWDインスクリプション vs アウディQ7 2.0 TFSIクワトロ

いま、プレミアムSUVが熱い。私は最近、自然の癒やしにハマってしまい、週末はもっぱらレンジローバー・スポーツで山荘に通うライフスタイルだ。悪天候でも安心して走れるし高速移動も快適。今回のテストは普段もお世話になっているSUVの中から、ボルボXC90とアウディQ7をピックアップ。両車とも新しいプラットフォームを採用しているが、そのダイナミクス性能の実力はいかに?

ドイツのプレミアムブランドに勝負を挑むボルボ

心機一転、ボルボは本格的にドイツのプレミアムブランドに勝負を挑んでいる。新開発のプラットフォームを引っさげて、XC90はその先兵としてデビューした。パワートレインからボディ、サスペンション、そして次世代技術の本命となる電動駆動や自動運転に資する技術を視野に入れた未来的な開発戦略が見え隠れする。
ボルボの親会社は中国企業だが、そのことを忘れてしまえばボルボはスウェーデンの誇りを持って立ち向かうグローバルブランドなのだ。XC90からボルボ念願のプレミアムビジネスの新しい船出が始まったということである。

期待されたXC90だが、ロードノイズの大きさや制御の煮詰め不足は否めない。ATや可変ダンパーをさらにチューニングする必要があるだろう。実際に高速周回路を走っても、音・振動でアウディQ7に一日の長があると思った。
ボルボはスウェーデン生まれだが、安全性とAWDが得意なメーカーとして認知され、長い間アメリカで人気が高かった。そのボルボがプレミアムに本格移行したことで、空いた穴に居座ったのがスバルだ。ともに非ドイツブランドだが、安全性を最重視するアメリカ人の心を射抜いている。XC90がもっと洗練されれば、ドイツのプレミアムブランドの強敵になることは間違いなく、その意味でもXC90は見守っていきたい。

 

トルクフルであって欲しいアウディのエンジン

前回のテスト(【清水和夫のDST】#73)では、FFのA4がFRのジャガーに対して苦戦したが、2トン級SUVのQ7は善戦している。きっと相手がメルセデスやBMWでもQ7の優位性は変わらないかもしれない。残念なのは、日本ではディーゼルの設定がないこと。しかも2Lなんてケチなことをいわないで、48Vを使ったモーターチャージャー付き3L V6ディーゼルで日本にアウディ旋風を巻き起こしてほしい。

ところで先代のQ7は、ポルシェ・カイエンとVWトゥアレグのプラットフォームで開発されたが、後出しのため3列シートにして被らないように配慮した。アウディとしてはここまでSUVが流行るとは思っていなかったようで、元祖クワトロがありながら、商品戦略は失敗していた。振り返れば、高性能SUVの世界を切り拓いたのはBMW、そしてそれにポルシェが続いた。そう、それまではスポーツカーメーカーのほうがSUVの開発に熱心だったのだ。

完全に出遅れたSUVを盛り上げるには、アウディ独自の技術が必要。FRベースのAWDでなく、次世代のクワトロを視野に入れて開発するには、進化したA4のプラットフォーム「MLBevo」を使いたいと考えたのだ。A4とQ7は重量もサイズも異なるが、モジュール化のマジックで見事に新型Q7を作り上げた。まさにアウディの非凡さといえるだろう
おそらくモアトルクのQ7(HVのディーゼルを熱望する)が登場すると、メルセデスやBMWもうかうかできないし、同門のポルシェを脅かすかもしれない。

さらなる熟成を期待したいボルボのプラットフォーム

期待されたボルボXC90だったが、パワートレインとプラットフォームが新規なので熟成不足だと感じた。とくに転がり抵抗の小さいタイヤを履くには、高周波の振動と音の対策がマスト。ノーマルモードのサスペンションも見直して欲しい。今後ディーゼルも登場すると思うので、XC90がもっと進化することを期待したい。
Q7は熟された「MLBevo」のプラットフォームを使ったことで、熟成度が進んでいる。目には見えないが、製造品質の高さや機械製品としての完成度もアウディの強みだ。アウディの魅力は分かりやすいスタイリングやスポーティさだけではないと感じた。

RESULT

シャシーの完成度でアウディに軍配。XC90の熟成に期待
●アウディQ7:15.0/20点
●ボルボXC90:13.5/20点

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2016年11月号より転載
LE VOLANT web編集部

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