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車内に置いても”映える”ナチュラルな印象が◎「ギャッベのクッション&ラグ」【たまにはクルマを置いて】

クルマをはじめ、腕時計やファッションなどにも精通する柴田充氏がお届けするこの連載。クルマにまつわるグッズや男性ファッション系のアイテムを紹介していきます。

ベランダから遊牧民に思いを馳せて

ゴージャスなペルシャ絨毯に対し、ギャッベは遊牧民の生活の道具であり、草木染めの羊毛を用い、手織りならではの素朴な魅力が味わえる絨毯だ。これを生地に使ったクッションやラグは日常に加え、カーライフにもリラックスをもたらしてくれるだろう。

例年ならヨーロッパ出張や週末の海通いで十分に太陽の光も浴びるのだが、今年はそうもいかない。そこで一計を案じたのがベランダリゾートだ。アウトドアチェアを引っ張り出し、目前の公園を見下ろし、朝刊を読む。そんなささやかな贅沢をより快適に過ごすためのグッズを見つけた。イランのカシュガイ族が手がける、ギャッベという絨毯を生地にしたクッションだ。

ベージュ緑縁のクッションカバー/12,000円(税別)

ベージュ動物柄のクッションカバー/12,000円(税別)※クッション中身はいずれも1,200円(税別)

グリーンのミニギャッベ/14,000円(税別)、横模様のミニギャッベ/14,000円(税別) ※ミニギャッベは10,000円~の商品もあり。

イランの絨毯というとペルシャ絨毯を思い浮かべる。ギャッベもそのひとつだが、美術工芸品のように緻密でゴージャスなイメージに対して、天然の草木染めの羊毛を用い、シンプルで素朴、ナチュラルな印象だ。本来は遊牧民の生活民具であり、部族芸術として世界的な評価が高まってからも、女性が嫁ぐ時には自分の織り上げたギャッベを嫁入り道具として持参する伝統が残っているという。
織り方も、ペルシャ絨毯が決められた絵柄やパターンを見ながら、立て掛けた織機に向かうのに対し、ギャッベにはデザインがなく、床に敷いた上にそのまま座って手で織る。この時、見るのは周囲の自然の光景であり、それが山や木、羊や馬といった模様や色にも生かされる。そのためサイズも微妙に違ったり、柄が歪んだりすることもしばしば。だがそれも味であり、世界に一つだけの魅力だ。
ギャッベは、遊牧生活の中で山岳地帯に張ったテントの地面に直接敷かれ、床代わりになる。そうした過酷な用途に耐えるよう頑丈に作られ、裂けたり、破れることなく、むしろ踏みしめられるほど柔らかくなり、風合いがでる。また微量の油脂分を含み、水をはじきやすく、汚れもつきにくい。
カシュガイ族と聞いてクルマ好きならピンとくるのが、日産デュアリスの海外ネーム、キャシュカイだろう。そんなことからもクルマとの親和性が高いのかもしれない。専門店のギャッベハネでは、小振りなクッションやリアシートに敷くラグ、ロングタイプのフロアマットなど車載向けのオリジナルアイテムを用意する。
使ってみると最初は手触りもゴワゴワして感じたが、暑さのなかでも蒸れない。使ううちに馴染んでいくのも楽しみだ。いまはベランダに甘んじているが、きっとこの秋にはアウトドアで活躍するだろう。そんな日が待ち遠しい。

赤のキッチンマット/40,000円(税別)、ベージュのキッチンマット/60,000円(税別)

代表的なギャッベの紋様には、木や四角、菱形に加え、羊や山羊といった動物も多用される。草木染め独特の自然の風合いは、日本のインテリアにも馴染み、近年人気が高まっている。クッションのほか、ミニギャッベはシートに適したサイズで、夏は通気性に優れ、冬は温かい。またロングタイプのキッチンマットはリアシートに敷いたり、フロアマットにもいい。手作りのため、サイズは微妙に異なり、色柄ともに現物で確認した方がいい。掲載商品の取り扱いと話を伺ったギャッベハネは、国内でも稀少なギャッベ専門店として創業20年の歴史を持つとともに、カシュガイ族の手織敷物協会代理店でもある。現在の目黒店移転の2周年記念セールを8月2日まで開催中。逸品を手に入れるチャンスだ。
ギャッベハネ☎03-5734-1134 東京都目黒区目黒4-26-9
http://www.mrb-shop.com

フォト=横澤靖宏/Y.Yokozawa

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