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2020年上半期・最新BMW3シリーズ・バイヤーズガイド「いま選ぶべき3シリーズはどれだ?」

Chapter 04 GROUP TEST DRIVE/その真価と魅力の源を探る!

新型3シリーズが導入されたことで、ミドルクラスセダンの勢力図がまた大きく塗り替えられることになった。ラストはライバル2台と比較して3シリーズの実力を明確にしてみよう。

右からBMW 330i M sport、AUDI A4 45 TFSI QUATTRO Meisterstuck、MERCEDES-BENZ C200 Laureus Edition

好みに合わせて選べる味わい深いキャラクター

2020年5月、この原稿を書いている段階で東京都は緊急事態宣言が発出されたまま。そんなときこそ、各ブランドの公式ホームページによるオンラインのクルマ選びが楽しみのひとつになる。

BMW 330i M sport/ドライバーとパッセンジャー、そして後席に3名が乗車するための十分なスペースを確保。先代に対してドア開口部の高さが見直され、後席へのアクセスも向上している。エンジンは258psの2L直4ターボを搭載する。

さて、プレミアム系Dセグメントのセダンは、3シリーズ、Cクラス、A4がドイツ勢では盤石の地位を守り続けている。3シリーズの日本市場上陸は2019年であり、Cクラスは2014年でA4は2016年と投入次期に差があるものの継続的な進化をしているので機能的な差は大きすぎない。

BMW 330i M sport

そんな中でも注目できるのは、3シリーズであればスポーツセダンとしての価値を際立たせる330i(M340iは別格)だ。ファスト ・ トラック ・ パッケージにはディファレンシャルの差動制限を可変制御するMスポーツ・ディファレンシャルが含まれ、コーナー進入時にステアリング操作に対して意のままに曲がる。さらにコーナー脱出時はアクセル操作に対して優れた安定性とトラクション性能が発揮される。

BMW 330i M sport

Cクラスは、2018年にビッグチェンジを実施。C200が積む1.5Lの直列4気筒ターボエンジンにスターターを兼ねたベルト駆動のモーターを組み合わせ新世代のマイルドハイブリッドは、高効率化と高性能化を両立したパワーユニットとして注目できる。

AUDI A4 45 TFSI QUATTRO Meisterstuck/2019年にフェイスリフトを受けたアウディA4。スポーツは新デザインのフロントバンパーとなる。試乗車は中核モデルの45TFSIクワトロスポーツに、マイスターシュトュック=マスターピースという名が与えられた特別仕様車で、 LEDリアコンビランプが特別装備。

アイドリング停止状態からのエンジン始動が極めてスムーズであり、直後にスターターはモーターに役割を変え発進時のエンジンをアシスト。モーターは瞬時にトルクを立ち上げるのでエンジンはターボのタイムラグをやり過ごせるだけにトルク重視の過給設定を実現。アクセルを踏み込むと、中回転域にかけて排気量から期待する以上に力強さが盛り上がる。

AUDI A4 45 TFSI QUATTRO Meisterstuck

A4は、2019年にフェイスリフトを実施しグレード名も変更した。3シリーズと同様にスポーツセダンとしてのイメージが強いだけに45TFSIクワトロであれば330iと対峙できる。2Lの直列4気筒ターボエンジンも、性能としては直近まで迫る。

AUDI A4 45 TFSI QUATTRO Meisterstuck

しかも、このエンジンはアクセル操作に対する応答性が鋭く低いギアなら高回転域まで一気に吹け上がる。さらに、中回転域までは迫力あるエンジン音が高回転域では少し硬質なまさにサウンドとなりパワーの伸びを臨場感タップリに伝えてくれる。なにしろ、ポルシェの主力SUVであるマカンにも供給されるエンジンなのだ。

MERCEDES-BENZ C200 Laureus Edition/2018年に約6500カ所にもおよぶ部品改良に加え、パワートレインやテレマティックなどを大幅刷新。 1.5L直4エンジン搭載のC200は、 AMGスタイリングパッケージやスポーツサスペンションなどが標準となるローレウスエディションに1本化される。

それでいて、シャシーを含め走りの洗練度が高い。サスペンションは330iほど締め上げられた感じがなく、ステアリングの切れ味も軽めのスッキリ系だ。330iだけではなく3シリーズは、ステアリングの手応えを最近のBMWとしてはやや重めのシッカリ系であり走り重視のキャラクターが実感しやすい設定となる。

MERCEDES-BENZ C200 Laureus Edition

C200は、ステアリングの切れ味がビッグチェンジ前はスッキリ系だった。ところが、なぜか少しばかりマッタリ系に変わってしまった。ただ、サスペンションの設定も緩めだ。そのため、ラグジャリーセダンとしてのキャラクターへの期待も高いモデルだけにイメージには似合いといえる。

MERCEDES-BENZ C200 Laureus Edition

いずれにしろ、3モデルのキャラクターは味わい深い。みなさんそれぞれの好みに合わせて選択しても、間違うことはないはずだ。

フォト=郡 大二郎/D.Kori、篠原晃一/K.Shinohara ルボラン2020年7月号より転載
萩原秀輝

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