ライバルはメルセデス・マイバッハか?
アウディは現在フラッグシップ・4ドアセダン、『A8』改良新型を開発しているが、その派生ロングバージョンとなる「A8 LWB」プロトタイプをカメラが捉えた。
近年自動車業界は、クロスオーバーSUVの台頭により、大型セダンの多くが支持されなくなっている。とは言うものの、メルセデスベンツは「Sクラス」新型を発売したほか、BMWは2022年に「7シリーズ」をフルモデルチェンジ、そしてアウディは「A8」改良新型を開発するなど、ビッグジャーマンスリーがフルサイズ高級セダンセグメントを存続させることを決意していることがわかる。
捉えたプロトタイプは、後部ドアがストレッチされており、ロングバージョンであることがわかるほか、フロントエンドには、その幅全体を覆うような水平基調のバーが消えたフロントグリルが確認できる。これまでと同様に複数の垂直スラットが黒で仕上げられた複雑なパターンになっているが、生産型では、クロム、またはメタリックに仕上げられることも予想されるだろう。またコーナーエアインテークにシルバートリムを装備、ベースモデルと差別化が図られている。
注目はCピラーの基部にある小さなカモフラージュだ。ここには「ホルヒ」を示す「H」バッジがかくされていると思われる。ホルヒは、アウグスト・ホルヒ氏により1899年に設立、1904年に最終的所在地のツヴィッカウに移転した戦前の超高級ブランドで、アウディの起源ともされている。最終的にこの車名が使用されたのは1932年で、復活すれば90年振りとなる。
ホルヒ復活となれば、その室内にはプレミアムレザー、ウッドトリムを追加、フルレングスのセンターコンソール、ヒーター、換気、フットレスト、マッサージ機能を備えた2つの個別のリアシートなど、A8以上の豪華装備も期待できるだろう。
パワートレインは、ベントレー『フライングスパー』から流用される6L W型12気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は635ps、最大トルク900Nmを発揮するが、W12エンジンを搭載する最後のアウディと噂されている。また4.0L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載、最高出力459ps、最大トルク600Nmを発揮する廉価バージョンも用意される可能性あるようだ。
A8ホルヒのデビューは、A8及びS8改良新型と同時期の2021年後半と予想、メルセデスの最高峰「マイバッハ」のライバルとして市場で争うことになる。