Garage Life

1階をカースペースにするなら、絶対ビルトインガレージ! 子どもたちも楽しめる”箱”としての空間【ガレージライフ】

アウトドア好き家族が全員で楽しめる、”クルマ置き場”ではないガレージ

何かを始める、何かの問題を解決するというような際、信頼のおける間柄やその分野の知見を持つような人間が近くにいれば、大変心強いものだ。たとえばクルマが壊れるようなことがあれば、修理工場などの知り合いが、また事故などのトラブルであれば法律に詳しい人が身の回りにいれば、心置きなく相談をするはずだ。

住まいやガレージという一世一代の大きな買い物となれば特に、である。こんな前振りを書き綴りながら、ガレージハウスを実現したYさんの話へと移り進めていきたいと思う。

カースペース&土間収納というセットからビルトインガレージへとプラン変更。
Yさんが住まいを持とうと考え始めたのは今から2,3年前のこと。多くの人が家を建てるきっかけとなったように結婚をし、お子さんを授かったことが後押しとなった。当初は分譲マンションの購入も考えたそうだが、ハウスメーカーの主幹を務めており、自身も建築家として活躍する実の兄にも、相談してみることにした。

その人物というのが、なんと『GarageLife』誌でも数々のすばらしいガレージ製作実績を紹介させてもらっている、媒体公認オフィシャルディーラーとして名を連ねている「ビルズ東京」の細渕正人さんだったのだ。

【写真16枚】子どもが安心して遊ぶこともできる”空間”としてのガレージ 

建築家のお兄さんに家を建てようか考えている、と話を持ち掛けたYさん。土地すらも目途が立っていない状況ではあったが、不動産分野にも強いビルズ東京は、当時Yさんが住んでいたアパートから数分しか離れていない土地を確保した。子どもの成長のこと、自身が住み慣れた土地であることを考慮し、Yさんもその物件に納得。そうなると次は建屋のプランニングが進み出した。

「元々兄の活躍は耳にしていたので最初からすべて任せようと思っていたのですが、最初のラフスケッチを見たときには『こんな住まいが本当にできるのか!?』と驚きました」

せっかくなので細渕兄弟のバックボーン的な話も添えておこう。お二人が生まれ育ったのは群馬県伊勢崎市だ。成長するにつれ、お互い別の道を歩んで来た。兄は親戚が工務店グループの経営者であったこともあって建築業界へ、弟はセンスを磨いて成長業界だったSE業界に身を置いた。

施主はなんとビルズ東京の代表の実弟、それはメリット? デメリット! ?

それぞれ都心近郊に移り住んだが、生活環境の違いもあり、それほど会う機会もなくなっていたという。しかし今回の件で、月に1,2回の打ち合わせで顔を合わせる時間ができた。そうして完成した細渕兄弟の共同作品をじっくりと覗かせていただこう。

「アウトドアレジャーが好きで、どうしても道具が増えてしまうので、当初はカースペースの後方に土間収納を作ってもらおうと思っていたのです。しかしクルマもアウトドアを楽しむ道具の一つであることや、箱となった空間は、たとえばテントのテストをしたり、子どもが安心して遊んだりできることもわかり、ガレージにすることにしました」とYさん。

お住まいのエントランスホールと行き来できるようになっている、ビルトインガレージ。これが一度使うとやめられない動線となるのだ。ガレージサイズも十分だ。

私も前々から思っていた。住まいの1階をカースペースにしている物件は、なぜビルトインガレージにしなかったのかと。今回のガレージハウスも実際のところコスト的にはガレージドアが増える程度で、あとは上手く調整がついたということだ。ガレージ内はさまざまなアウトドアグッズが収められた棚、お湯も引き込まれた水道、エアコンの設置など、ガレージライフを楽しむためのポイントがあちらこちらから見て取れる。

『GarageLife』誌なのでガレージ以外の場所は最小限の紹介となるが、外観をスッキリさせるようにサッシをインサート施工したことや、リビングは吹き抜けとしたことでボリュームある空間を生み出していること、さらには広々としたルーフバルコニーを設置するなど、そこでの生活をイメージしただけでワクワクするようなガレージハウスとなっている。

ちなみに”身内特権”の有無と訊ねたところ、特にはなかったとのこと。むしろ細渕代表の方が「いつも通りかなり頑張ってしまいました」とコメントを残してくれた。誰にでも心を込めて仕事をする、ビルズ東京のガレージはいつもそう感じさせてくれる。

◆PLANNING DATA
 所在地:埼玉県さいたま市
 ガレージ面積:17.4平米
 構 造:木造在来工法
 外壁/内装仕上げ:モルタル、ソリド/モルタル(ガレージ)、クロス、タイル
 竣 工:2022 年12月
 愛 車:スズキ・ジムニー

◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
 アウトドアグッズを置ける棚、アパートで使っていた照明、フロアの仕上げなどです。
・ちょっと失敗したところは?
 特になし。
・次の夢はなんですか?
 テントをはって寝たりバーベキューをしたり、ガレージライフを色々と楽しみたいです。
・読者へのアドバイスを!
 ガレージは大きくて困ることはありません。できる限り広く設定した方が後々便利です‼

◆COMMENT FROM THE ARCHITECT:ビルズ東京株式会社 細渕正人さん
「屋上にテントを張り、夜空の下ランプを灯し、マシュマロに火を入れて食べる。ガレージではキャンプの準備をする……。限られた時間の中、自邸を使って親から子へ伝えたい経験を一緒に体験し、愉しい時間を過ごす。そんなストーリーをイメージし、家を作らせてもらいました。豊かな時間を感じる日が1日でも多くあるよう願っています。
東京都立川市栄町6-12-7  Phone/042-537-8571  https://builds.co.jp/ 

『GarageLife Vol.95』掲載

Photo & Text / Dan-KOMATSU(小松 男)

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