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【海外試乗】第4世代へと進化! これがBMWの最新コンパクトスポーツ!「BMW 1シリーズ」

4世代目となる新型1シリーズの国際試乗会がドイツ・ミュンヘンにて開催された。いうまでもなく1シリーズは、BMWの最もコンパクトな“駆けぬける歓び”を体現したモデル。新型はどれほどスポーティな走りを見せてくれるのか? 気になる第一報をお届けしよう!

想像を大きく超えた新型1シリーズの進化

2004年のデビュー以来、今年で20年となるBMW1シリーズは、当然ながらドイツをはじめとするヨーロッパをメイン市場としている。しかしながら日本の販売ボリュームは、実は世界で5番目になるそうだ。

よって日本のユーザー諸氏にとっても新型1シリーズの出来映えは、きっと気になるところだろう。今回、お膝元ミュンヘンで行なわれた国際試乗会。結論から先に言えば、そこで実感した進化のほどは想像を大きく超えるものだった。

BMW M135 xDrive/M135 xDriveには、専用のサスペンションコンポーネントをはじめ、Mコンパウンドブレーキシステム、19インチ鍛造軽合金ホイールなどのMテクノロジーパッケージを専用装備。外観では、水平バー付きのMラジエターグリル、Mルーフスポイラーや4本出しマフラーを纏う。

BMWは新型1シリーズを4世代目と称している。見ての通り、基本骨格は先代から引き継がれているものの、その外観も大きく変更され、インテリアは完全に刷新。パワートレイン、シャシー、電装系と隅々に至るまで、改良というレベルを超える手が入れられただけに、彼らは相当な自信の下、新しい世代だとアピールしている。

BMW M135 xDrive

外観でまず目を惹くのが新しいフロントフェイスだ。今回、全長が42mm伸ばされ、薄型になったキドニーグリルが、より低い位置に置かれている。そしてヘッドライトは最近のBMWに共通の縦バーで4灯式を現代的に表現したものとなり、トータルでより低く伸びやかな印象を強めているのである。

BMW M135 xDrive/インテリアはタッチ操作による快適性を高めた最新のBMWカーブディスプレイを採用するのほか、QuickSelectを備えた最新バージョンのオペレーティングシステム9を採用したBMW iDriveを搭載。インテリアはレザーフリーが標準で、最大5名が座れるゆったりとしたスペースを備えたモダンで高級感のある雰囲気を提供。写真はMスポーツパッケージが標準のM135 xDrive。

ボディサイドに回ると、ハイグロスブラック化されたウインドウフレームの後端、ホフマイスターキンクの部分に「1」のレターが刻まれている。テールランプやバンパーなども新たな形状とされた。

タイヤ外径の拡大も、外観を力強く見せているポイントだ。例えばMスポーツのそれは従来の前後225/40R18から、225/45R18とされている。これらタイヤはすべて開発し直したもので、走行性能そして静粛性に特に力が割かれたという。

BMW M135 xDrive

まさしく完全刷新されたのがインテリア。お馴染みBMWカーブドディスプレイには最新のOS9がインストールされている。

しかも、PETリサイクル材を用いたソフトパッドが張られたダッシュボードは、職人がミシン縫いしているという特徴的なステッチ入り。その両端のアルミ製のインサートには照明が仕込まれていて、設定温度の上げ下げの際に赤、青に光ったり、後方からクルマや自転車が接近してくると点滅して警告したりといった機能が盛り込まれている。見た目だけのアイテムではないのだ。

BMW M135 xDrive

先に記した通り、走りに関するアップデートも多岐に渡る。これらについては走らせながら触れていくことにしよう。

BMW M135 xDrive

まさにBMWらしい走りっぷり

ガソリン4種、ディーゼル2種のパワートレインのうち、今回試すことができたのは120とM135 xDriveの2モデル。そう、ここにも変更点がある。車名ルールが改められ、ガソリンエンジン車の「i」が廃されたのである。これは将来、電動化モデルに使われるようだ。ちなみにディーゼル車の「d」には変更はない。

BMW M135 xDrive

まず乗り込んだのは120のMスポーツパッケージ付き。走り出して、まず嬉しくさせられたのが格段にリニアリティを増した操舵フィールだ。切り込む時のナチュラルな反力感、適度なセルフアライニングトルクが、BMWを操っているという実感を高めてくれる。

BMW 120/120には170ps/280Nmを発揮する1.5L直3ガソリンエンジンを搭載。この新型からガソリン車を意味する「i」の表記はなくなった(dは残る)。標準装備のBMW Individualハイグロスシャドウラインには、Cピラーに数字の1をあしらったグラフィック要素が含まれる。ラゲッジ容量は380〜1200Lを確保する。

そのシャシーは、フロントのキャスター角を20%増したほか、前後アンチロールバーのプリロードをかけた締め付けの実施、入力分離型アッパーマウントの採用など、細かな変更が施されている。その効果は大きく、日常域のドライビングでも俄然、クルマとの対話感、一体感が高まっているのだ。

最高出力156ps、最大トルク240Nmのエンジンに7速DCT、そして同20ps.、55Nmのマイルドハイブリッドを組み合わせたパワートレインは、低回転域のトルクが細めな上にDCTとの組み合わせということもあり、発進時などには緩慢な印象もある。電気モーターの恩恵がもう少しあっていい。

BMW 120

一方、着実に進化していたのが静粛性で、これには新しいエンジンマウントが効いているのは間違いない。加速感は120という車名に対しては若干物足りない印象はあるものの、ドイツの一般道の速い流れの中でもストレスを感じるようなことはなかった。

続いてM135 xDriveに乗り換える。最高出力300ps、最大トルク400Nmという数値は、いずれも従来より若干低下しているが、これは厳しさを増す環境規制への対応の結果のようだ。

BMW 120

トランスミッションは8速ATから7速DCTに置き換えられ、トルセンLSDはメカニカルロッキングに変更。これにxDriveを組み合わせる。

その走りはさすがの快感で、アクセル操作に即応する瞬発力と爽快な吹け上がりに、さらにアクセルを踏み込みたくなる。パワーダウンの影響はほとんど体感できない。xDriveのおかげで発進の際のホイールスピンも皆無で、一層気持ち良さを増したという印象の方が勝る。

BMW 120

シャシーはブレース類の追加によりさらに強化され、周波数感応型のアダプティブMサスペンション、リアアクスルマウントのブッシュ硬度50%アップ、8mmの車高ダウンなどを実施。さらに試乗車は、オプションのMテクノロジーパッケージが装着されており、ロッド径を拡大した強化サスペンション、リアフロア下の追加ブレース、大型ブレーキに19インチタイヤなどがセットされていた。

BMW 120

期待通り、走りは全体によりカチッとした印象で、こちらも心地良いステアリングフィールも相まってドライビングが楽しい。FFベースだなどということは関係なく、リニアな手応えのまさにBMWらしい走りっぷりは、先代が今イチしっくり来なかったという私のような人でも、十分納得できるものだと言っていい。

正直、これほどまでの進化は事前には期待していなかった。新しい世代なんだという開発陣の自信も納得の新型1シリーズ。あえて言えば、新機軸盛りだくさんなだけに、価格がどれだけ上昇するかはちょっと心配なところだ。

【SPECIFICATIN】BMW 120
■全長×全幅×全高=4361×1800×1459mm
■ホイールベース=2670mm
■トレッド=前:1561、後:1562mm
■車両重量=1425kg
■エンジン形式/種類=—/直3DOHC12V+ターボ
■内径×行程=82.0×94.6mm
■圧縮比=11.1
■総排気量=1499cc
■最高出力=156ps(115kW)/4700-6500rpm
■最大トルク=240Nm(24.4㎏-m)/1500-4400rpm
■燃料タンク容量=49L(プレミアム)
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後:ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:205/55R17

【SPECIFICATIN】BMW M135 xDrive
■全長×全幅×全高=4361×1800×1459mm
■ホイールベース=2670mm
■トレッド=前:1562、後:1562mm
■車両重量=1550kg
■エンジン形式/種類=—/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=82.0×94.6mm
■圧縮比=9.5
■総排気量=1998cc
■最高出力=300ps(221kW)/5750-6500rpm
■最大トルク=400Nm(40.8㎏-m)/2000-4500rpm
■燃料タンク容量=49L(プレミアム)
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:225/45R18
問い合わせ先=BMWジャパン TEL0120-269-437

フォト=BMWジャパン ルボラン2024年11月号より転載
島下泰久

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