ニュース&トピックス

【実車解禁】ポルシェ新型「カイエン・エレクトリック」、ドバイに降臨。1156馬力が魅せる「砂上のサーフィン」

ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック

新型カイエン・エレクトリック、ドバイで実車初公開

ポルシェの新型「カイエン・エレクトリック」は2025年11月19日にワールドプレミアされ、ル・ボランWebでも速報をお届けしたばかりだが、早くも続報が入った。デジタル空間でのデビューから間髪入れず、このフル電動SUVは中東ドバイの地で実車としての初公開を果たしたのである。第5回「アイコンズ・オブ・ポルシェ」フェスティバルの会場で、摩天楼と砂漠が交錯する独特の景観を背に、その威容を現した。

【画像9枚】「車体が宙に浮く」魔法の挙動とは。ドバイの砂漠を制圧した新型「カイエン・エレクトリック」の詳細フォト

都市と砂漠の境界で

ドバイという都市は、他の都市にはないダイナミズムと技術的進歩を体現している場所だ。都市の近代性と広大な砂漠が出会うこの地は、オールエレクトリックSUVにとって完璧な舞台となる。カイエン・エレクトリックが最初の物理的なデビューの場としてこの地を選んだのは、単なる演出ではない。都市の境界を越えた未舗装路での走行能力を証明した後、満を持しての登場となったのである。

街からわずか1時間のドライブで、世界でも有数の過酷なテストフィールドであるアラビア砂漠が始まる。ここでカイエン・エレクトリックは、電動化による「E-パフォーマンス」がいかにオフロード体験を新しいレベルへ引き上げるかを実証した。それは歴代カイエンが追求してきた製品要件の伝統的な一部、「デューン・サーフィン(砂丘走行)」においても例外ではない。

砂丘を「サーフィン」する軽快さ

カイエン・エレクトリックが砂漠で示したのは、その巨体を忘れさせるほどの軽快な身のこなしであった。カイエンのプロダクトライン担当副社長であるミヒャエル・シェッツレは、「カイエン・エレクトリックは、砂丘ではもっと軽量な車両のように走る」と述べている。特に低速域で大きなステアリングアングルを必要とする場面において、これまでのモデルでは経験したことのないレベルの制御性を発揮するというのだ。

オンロードではスポーツカーのダイナミクスとセダンの快適性を両立させつつ、オフロードでは2002年の初代登場以来の核である妥協なき走破性を見せつける。微細なパウダーサンド、25度を超える急勾配、そして40度を超える猛暑という過酷な条件下でのテストにおいて、このSUVは正確かつ即座に立ち上がるパワーで圧倒したのである。

1000馬力超を砂上で完全制御する技術

この並外れた走りを支える核心は、カイエン・ターボ・エレクトリックにおいて最大1,156ps(850kW)もの出力と1,500Nmのトルクを発生する新しい駆動システムにある。しかし、単にパワーがあるだけではない。電気モーター特有の慣性の低さが、「サンド」オフロードモードや繊細なアクセルペダル制御と相まって、パワーの精密なコントロールを可能にしているのだ。

シェッツレによれば、これにより緩い路面で最大のグリップを得るために必要な「目標スリップ率(target slip)」を最適に活用することが、はるかに容易になるという。標準のサマータイヤを装着したカモフラージュ車両によるテストでも、その実力は遺憾なく発揮された。

「車体が浮いている」サスペンションの妙

足周りに関しても、電動化時代の新たな基準が示されている。標準装備されるPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)付きアダプティブエアサスペンションは、専用のオフロード・ライドハイトにおいて地上高を55mm引き上げ、最大245mmまで高めることが可能だ。

さらにカイエン・ターボ・エレクトリックにオプション設定される「ポルシェ・アクティブ・ライド」は、トラクション性能を別次元へと引き上げる。シェッツレはこの感覚を「車体が実質的に空中に浮いているようだ」と表現する。路面の凹凸をホイール部分で直接補正するため、車体はフラットに保たれ、ホイール荷重の変動が最小限に抑えられるからだ。これにより、深い砂地であっても、かつてないほどの制御性が確保されるのである。

過酷な環境を支える熱管理と駆動制御

こうしたパフォーマンスを裏で支える技術的な革新も見逃せない。電子制御式全輪駆動システムである「ポルシェ・トラクション・マネジメント(ePTM)」は、従来のシステムに比べて約5倍の速さで作動し、砂、砂利、泥、岩といったあらゆる路面状況に対応する。また、ターボモデルのリアアクスルには「ポルシェ・トルク・ベクタリング・プラス(PTV Plus)」が採用され、電子制御デフロックとブレーキ介入の組み合わせにより、緩い路面でのトラクションと安定性を高めている。

熱対策においては、113kWhの高電圧バッテリーに対し、初めてモジュールあたり2枚の冷却プレートを使用する新戦略を採用。上下から効率的に温度管理を行うほか、ターボモデルのリアモーターにはモータースポーツ由来の直接油冷技術が投入され、持続的な高出力走行を可能にしている。

物理的なタフさも強化されており、オフロードパッケージではアプローチアングルが最大25度まで拡大され、強化されたサイドスカートやスキッドプレート、さらには追加の空気供給を行う水平冷却エアフラップも備わる。

デジタルでの衝撃的なデビューからわずか数日。ドバイの砂漠で実車のポテンシャルを見せつけたカイエン・エレクトリックは、ポルシェが電動化時代においても「オフロードの王者」の座を譲るつもりがないことを、高らかに宣言しているようだ。

【画像9枚】「車体が宙に浮く」魔法の挙動とは。ドバイの砂漠を制圧した新型「カイエン・エレクトリック」の詳細フォト

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

注目の記事
注目の記事

RANKING