待望のハイブリッド追加。しかも“ジープらしい”4WDでの登場
2022年10月にパリモーターショーで発表され、2024年9月に日本導入となった「ジープ・アベンジャー」。欧州ではエンジン搭載車も同時に発売されたが、日本ではまずBEV(電気自動車)のみのラインアップとなった。同じくステランティス・グループのCMP/eCMPプラットフォームを採用した「フィアット600」も、BEVの「600e」から日本導入が始まり後に48Vマイルドハイブリッドを追加したことから、アベンジャーにも追加設定が期待されていたが、2026年3月5日に「アベンジャー4xeハイブリッド」を正式発表。しかも4WDとして登場したのがジープらしい。
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汎用ユニットに惜しみない独自チューン。Bセグでは異例のVGターボ採用
1.2L直列3気筒ターボ+48Vマイルドハイブリッドは「フィアット600」、「シトロエンC4」、「アルファ・ロメオ・ジュニア」なども搭載するステランティス・グループの主要ユニット。ベースのエンジンはグループPSA時代から使われているものだが、48Vマイルドハイブリッドと組み合わせるにあたってミラーサイクル化、そしてVGターボ(可変ジオメトリーターボ)を採用した。圧縮比を高め、吸気バルブを早閉じすることで膨張比を大きく取るミラーサイクルを採用し、高効率運転を実現している。

さらに、VGターボによって低回転からレスポンスに優れる特性となっている。VGターボはディーゼルでは一般的だが、排気温度が高いガソリンエンジンでは高価な耐熱素材が必要となるため、ポルシェなど一部のモデルにしか採用されてこなかった。しかしミラーサイクル化によって燃焼温度が下がり、一般的な素材でもVGターボが使えるようになったわけだ。フォルクスワーゲンやアウディ、ボルボなどでもミラーサイクルとVGターボを組み合わせた採用例があるが、このクラスではまだ珍しい技術だ。
小さなリアモーターが放つ、1900Nmの強大なホイールトルク
48Vマイルドハイブリッドは、6速デュアルクラッチ・トランスミッションにモーターを組み込んだもので、クラッチでエンジンを切り離すことができるのでEV走行が可能となっている点が特徴だ。さらに、ここで生み出される電力はリアモーターに供給される。リアモーターは最高出力21kW(29ps)、最大トルク89Nmと決して大きくはないが、減速比22.7:1のリデューサーによってホイールトルクは1900Nmと強大。登坂力は最大40%の砂利道、フロントのグリップが完全に失われた状態でも、最大20%の勾配を走行可能だという。