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学校法人ホンダ学園は、創立50周年記念プロジェクト第1弾として、2026年1月29日~2月7日に開催された「第28回 ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」参戦し、出走した2台の初代シビックが見事完走を果たした。これを受け3月18日、報道関係者向けの参戦報告会が開催された。同会ではまた、本プロジェクトの熱量を引き継ぐ第2弾プロジェクト「Cubチャレンジ」の本格始動についても発表が行われた。
【画像48枚】若さと情熱のみなぎる生徒たち、そして優しく見守る佐藤琢磨選手の姿
確実にものになった「挑戦への情熱」
ホンダ学園は1976年、ホンダ創業者・本田宗一郎の「技術だけでなく、世界に歓迎される人間を作りたい」という考えのもとに創設された。現在はホンダ テクニカルカレッジ関東・関西の2拠点体制のもと、50年にわたり実践を重視した教育と「挑戦する姿勢」を軸に人づくりに取り組んでいるという。
ラリー・モンテカルロ・ヒストリックへのチャレンジは、「技術の伝承」と「挑戦文化の醸成」を目的とする「50周年記念チャレンジ企画」の第1弾。報告会には、本プロジェクトのアンバサダー兼ドライバーを務めたレーシングドライバーの佐藤琢磨選手と、参戦車両である1975年式シビックRSのレストアからレース本番の整備までを担当した学生たちが出席し、挑戦の軌跡を語った。
学生たちが仕上げたシビックに驚嘆
ホンダ学園の学生約30名が有志で参画し、1975年式シビックRS 2台(サンセット号、マドリード号)で参戦したラリー・モンテカルロ・ヒストリックは、モナコを起点に、南仏アルプス山岳地帯を中心とする複数都市(フランス、イタリアなど)での開催。
参加車両条件は1911〜1986年1月までの「ラリー・モンテカルロ」に参加実績のある車種(または同等仕様の車両)で、ホンダ車では初代シビックが唯一該当するものとのこと。レース形式はレギュラリティラリーであり、約2,000~3,000kmを決められた平均速度で正確に走行、スピードではなく精度と対応力を競うものである。
学生たちはシビック2台のレストアから整備、部品調達、輸送手続き、さらには欧州現地での運営支援やナビゲーター対応までを担当。アンバサダー兼ドライバーとして、レーシングドライバーの佐藤琢磨選手が参加、学生たちと共に国際ラリーレースに挑戦した。途中、1台(佐藤選手ドライブのサンセット号)がコースアウトでダメージを負うなどしたが、メンバー全員が総力を挙げて臨み、2台とも無事ゴールを果たした。
報告会で行われたトークセッション(MCはピエール北川氏)では、学生たちの奮闘の様子が振り返られ、興味深い話題が続出した。車両(マドリード号)のレストアにおける苦労を語ったのは、サービス代表を担当した永澤拓実さん。エンジンからのオイル漏れがひどく、しかもアメリカから折角取り寄せた部品が付かず苦戦したなどのエピソードが披露された。
車両を仕上げていく過程では、佐藤選手からのドライビングポジションへの要求が厳しく、シートレールの調整は2回も行われた。ドラポジはシート位置だけで決まるものではないため、ステアリングコラムやシフトレバー位置の調整などにも気を使ったという。またサンセット号には、コ・ドライバー担当の川島颯太さんの自作によるラリーコンピューターが取り付けられたとのこと。
こうした苦労の甲斐あって、車両の仕上がりクオリティは佐藤選手をして「F1やインディの車両と同等と言えるレベル」と言わしめるほどのものに。また車両の現地への輸送にあたっては、HRCP(FIAのヒストリック・レギュラリティ・カー・パス)取得は船積み後でOKと思っていたところ、これは勘違いでその前に取得しておく必要がありその対応に冷や汗をかいたという逸話が、マドリード号コ・ドライバー担当の大嶋太陽さんから語られた。
クラッシュも見事乗り越えて掴んだものは
ラリーの眼目は前述の通り、アベレージスピードにいかに沿って走るかというところにあるが、佐藤琢磨選手にとってはこれが初のラリー出場。GPSの精度が上がったこともあって、各区間の区切りが従来よりも多く、つまり各区間が短くなっているため、骨の折れる部分が少なくなかったようだ。
そのためもあったのか、4日目でサンセット号はコースアウト、横転。一時は「これで終わりか」と思ったという佐藤選手だが、その気持ちを変えたのは、「クルマは絶対直します!」という、サンセット号リーダー担当の飯塚はるなさんの力強い一言だったという。この件が代表するように、初めは旅行気分だった皆の顔つきが、競技の中で徐々に力強いものに変わっていったのが印象的だったと、佐藤選手は感慨深げであった。
これを受けて飯塚さんは、このチャレンジで得た学びを「困難こそ楽しむことが大事であり、これを佐藤選手から学んだ」と述べた。また大嶋さんは、「挑戦し続けること、失敗しても考え続けること」を、この挑戦で掴んだ教訓として語った。
さらに、MCから後輩へのメッセージを問われた永澤さんは「目標を持つこと、見失わないこと」、マドリード号リーダー担当の松野翔太さんは「前を向くこと、チャンスを無駄にしないこと」がそれぞれ重要であると語った。こうした言葉が決して上辺だけのものに聞こえなかったのは、それだけこのチャレンジが学生たちにもたらしたものが大きかったということの証明であるだろう。
エントリー台数258台中、総合順位はサンセット号:169位(High speed class 54位)、マドリード号:61位(Moderate speed class 47位)。
スーパーカブをめぐるドラマはこれから!
この報告会で併せて発表があった、ホンダ学園創立50周年企画第2弾「Cubチャレンジ」は、車両のレストアから、それを用いた行脚の旅の計画から実行まで、全てを学生たちがやりきる、新たなプロジェクトである。
ホンダ学園の関東校、関西校から計35名の学生がこのプロジェクトに参加、本田宗一郎が開発総責任者を務めた初代スーパーカブのレストアに挑む。現行車にはない様々な困難に対し、賛同企業各社の協力も得ながら、学生たちの創意工夫で車両に命を吹き込んでいくという。
そして、レストアを行うだけでなく、完成したスーパーカブとともに、2026年4月25日から9月にかけて、北海道から九州まで日本各地を巡る壮大な行脚を実施。ルートは全て学生が計画、途中カブミーティングなどでの車両展示も行いながら、日本各地を駆けぬけるという予定だ。
「Cubチャレンジ」については、この企画に挑む学生たちの中から、関西校の生徒3名がプレゼンテーションを行った。配線修理を担当した兼國陽輝さんは、レストア開始時の印象を「この修理は不可能なのではないかと思った」と語る。山下夏芽さんはこれまでのところの困難について3つ、「部品の固着など分解時の困難、パーツ探し、そしてレストア人員の確保」を挙げた。
示野宇宙さんは、レストア時に困ったこととして「配線を独立して完成させ車両に取り付けようとしたら長さが足らなかった」と、具体的なエピソードを披露。日本各地への行脚については、「予定通り行かないなど様々な困難が予想されるが、臨機応変に対応していきたい」と、意気込みを披露した。
挑戦を終えて一皮も二皮も剥けた第1弾プロジェクト参加者に対して、まだまだ初々しさの残る姿が印象的な3人の学生さんたちだが、そのドラマはこれからが本番である。日本全国行脚という挑戦を経て、どんな成長を遂げた姿が見られるか、9月以降に行われるであろう報告会が楽しみだ。
【モーターサイクルショーでの実車展示】
学生たちが情熱を注いでレストアしたスーパーカブは、「第42回 大阪モーターサイクルショー2026」、「第53回 東京モーターサイクルショー2026」、「第5回 名古屋モーターサイクルショー」の各ホンダ・ブースで展示される。学生たちの苦労と工夫が詰まった車両を目撃してみてはいかがだろうか。
【第42回 大阪モーターサイクルショー2026】
3月20日(金)10:00~17:00/3月21日(土)10:00~17:00/3月22日(日)10:00~17:00
開催場所:インテックス大阪 1・2号館、屋外特設会場
【第53回 東京モーターサイクルショー2026】
3月27日(金)10:00~13:00(特別公開)13:00~18:00(一般公開)/3月28日(土)10:00~18:00(一般公開)/3月29日(日)10:00~17:00(一般公開)
開催場所:東京ビッグサイト 西1・2・3・4ホール、アトリウム、西屋上展示場
【第5回 名古屋モーターサイクルショー】
4月10日(金)10:00~17:00/4月11日(土)9:00~17:00/4月12日(日)9:00~17:00
開催場所:Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
また、ラリー・モンテカルロ・ヒストリックへのチャレンジに密着したドキュメンタリー番組「信じた道を琢磨と共に 激走2200キロ ~ラリー・モンテカルロ 挑戦の軌跡~」が、株式会社フジテレビジョンが運営する動画配信サービス「FOD」などにて3月27日(金)から無料配信される。
番組名:「信じた道を琢磨と共に 激走2200キロ~ラリー・モンテカルロ 挑戦の軌跡~」
配信媒体:FOD(フジテレビオンデマンド)、TVer(ティーバー)
配信開始日:2026年3月27日(金)10時








