

















最高速度290km/hの衝撃。「プラス6」の系譜を継ぐ歴代最強の心臓部
英国のモーガン・モーターカンパニーは、量産モデルとして同社史上最高出力となる新型車「スーパースポーツ400」を発表した。最高出力は408psに達し、モーガンの市販車で初めて400psの壁を突破した新たなフラッグシップモデルだ。伝統的な軽量構造と最新技術を融合させたCXVアルミニウムプラットフォームをベースに、より研ぎ澄まされたドライビング体験と動的性能を提供する。
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1170kgの車体に408psを叩き込む、BMW製直6ターボの破壊力
新型スーパースポーツ400は、モーガンとBMWとの長年にわたる技術提携を基盤として開発された。パワートレインには、最新のBMW製3.0L直列6気筒ツインパワーターボ「B58 ’01’」エンジンが採用され、8速のZF製オートマチックトランスミッションが組み合わされている。これにより、6500rpmで408ps(300kW)の最高出力を、1250rpmで500Nmの最大トルクを発生し、即座に応答するパフォーマンスを発揮する。
車体には先進的なCXVアルミニウムプラットフォームが採用されており、車両重量はわずか1170kgに抑えられている。この軽量設計により、1トンあたりの出力は344psを誇る。その結果、0-62mph(約100km/h)加速は3.6秒、最高速度は180mph(約290km/h)という圧倒的な数値を実現した。なお、これらのパフォーマンス数値は最終認証待ちの段階である。
さらに、本モデル専用に開発された新しいハイフロー・アクティブ・パフォーマンス・エキゾースト・システムが搭載されており、モーガンのフラッグシップにふさわしい洗練性を保ちつつ、より力強く存在感のあるサウンドを奏でる。
狂気を御すための必然。ナイトロン製ダンパーと機能的エアロダイナミクス
動力性能の大幅な向上に合わせて、シャシーや足周りにも専用の改良が施された。従来のスーパースポーツではオプションであった「ダイナミック・ハンドリング・パック」が標準装備となっており、再調整されたサスペンションジオメトリーとともに、最適なパフォーマンスを発揮するよう調整されたナイトロン製ダンパーが採用されている。このダンパーは24段階の調整が可能で、ドライバーは路面状況や好みに合わせて乗り心地やレスポンスを微調整することができる。また、オプションでリミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)を追加することで、トラクションや安定性をさらに高めることも可能だ。
足元には、バネ下重量と回転慣性を低減する19インチの軽量鍛造「Sportlite」アロイホイールが標準装備されている。標準のミッドシルバー仕上げに加え、オプションでダークブロンズ仕上げも選択可能となっている。これに、パフォーマンス特性を補完するミシュラン製「Pilot Sport 5」タイヤが装着される。
エクステリアデザインも機能的な進化を遂げた。フロントフェンダーには新たにベンチレーションが設けられ、冷却性能と空気流を改善するとともに、高性能モデルであることを控えめかつ明確に主張している。また、車体下部の仕上げはサテングレーからグロス仕上げに変更され、アルミニウムの滑らかな表面とメカニカルな要素とのコントラストが強調されている。
脱・BMW製シフターの福音。アナログな感性を刺激する至高のコクピット
室内空間においては、よりドライバーに焦点を当てたスポーティな環境が構築されている。内装材には総革張りに加えて、モーガンのカラー・マテリアル・フィニッシュ(CMF)の専門知識を活かしたアルカンターラ仕様が新たに設定された。この素材はステアリングホイールにも用いられており、ドライバーとの接点における操作性を高めている。計器類には、かつて英国でスミス製メーターを手がけていたカーボント社によって製造された特注ダイヤルが採用され、アナログな外観を保ちながらも最新のCANおよびLIN通信技術で作動する。また、CXジェネレーションのモーガン車として初めて、標準のシフターに代わるアルマイト仕上げのダークグレー・アルミニウム製オートマチック・ギアセレクターがオプションで用意された。
ボディカラーには、「フォージド・グレー」「シルク・シルバー」「セイル・シルバー」「ホライズン・ブルー」という4種類の新しいサテンペイントが追加された。さらに、ブレーキキャリパーや内装の寄木細工などにコーラル(サンゴ色)のアクセントを加えるオプションや、コントラストの効いたグレーのハードトップを選択することも可能であり、オーナーの個性を反映させる多彩なカスタマイズが用意されている。
アッシュ、アルミニウム、レザーという3つの要素を用い、職人の手作業によって一台ずつ製造されるモーガンの伝統は、このスーパースポーツ400でも健在である。本モデルは現在注文の受付を開始しており、5月から生産が開始される予定である。価格は11万2965ポンド(約2430万円)からに設定されている。
【ル・ボラン編集部より】
「プラス6」から昨年発表の「スーパースポーツ」に至るまで、BMW製直6エンジンの恩恵は誰もが認めるところでありつつ、「シフトレバーまでBMWと同じでなくても……」と感じるエンスージアストは多かっただろう。新型「スーパースポーツ400」は、その課題への痛快な解答だ。最高出力408psのBMW製直6を誇りつつ、待望の特注アルミ製ギアセレクターを設定し、アナログな世界観を死守。標準化されたナイトロン製ダンパーが、1170kgの軽量ボディと大パワーの矛盾をどう調律するのか。懐古趣味から真のスポーツカーへと止揚した英国の至宝。アッシュ材と最新技術の融合に、大人を酔わせる狂気が潜む。
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