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【ボルボ XC40試乗】最上級ウルトラ B4 AWDに宿る引き算の美学。日常を豊かに彩る北欧の至宝

熟成極まる北欧コンパクトSUVの「完成形」

コンパクトSUVセグメントにおいて、もはや確固たる地位を築き上げた感のあるボルボXC40。デビューから時を経てなお、その魅力は色褪せるどころか、年次改良を重ねるごとに熟成の度合いを深めている。今回ステアリングを握ったのは、従来の「インスクリプション」や「Rデザイン」といったグレード体系を一新し、事実上の最上級グレードとして君臨する「ウルトラ(Ultra) B4 AWD」だ。
【画像35枚】もはやコンパクトSUVの王者か。ボルボ XC40 ウルトラ B4 AWDが「最良の選択」と呼ばれる理由

洗練されたスカンジナビアン・デザインと、最新の48Vマイルドハイブリッド機構がもたらす走りの世界。果たしてその完成度はいかほどのものか。潮風香る西湘バイパスから、クルマの素性が試される箱根ターンパイクへと連れ出し、じっくりと味わってみた。

スカンジナビアン・デザインの神髄を味わう室内空間

ドアを開け、ドライバーズシートに腰を下ろした瞬間に訪れる、あの特有の「安堵感」。これこそがボルボ最大の魅力かもしれない。視線を落とせば、センターコンソールではスウェーデン・オレフォス社製のクリスタルシフトノブが静かな存在感を放っており、もはや単なる操作系パーツを超えた工芸品のような趣すら漂わせている。

また、流木をモチーフにしたドリフトウッド・パネルが、ともすれば冷たくなりがちなモダンインテリアに絶妙な温もりを与えている点も見逃せない。さらに、全幅1875mmという立派な体躯を活かした秀逸なパッケージングにより、前席はもちろん、後席のヘッドクリアランスやニールームにも十分な余裕が確保されている。「ウルトラ」ならではの豪奢でありながら決して華美に過ぎない「引き算の美学」は、まさに北欧デザインの面目躍如といったところだ。

黒衣に徹する48Vマイルドハイブリッドの洗練

スタートボタンを押し、西湘バイパスの滑らかなアスファルトへと滑り出た瞬間に思わず唸らされた。2.0L直列4気筒直噴ターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた「B4」パワートレインの振る舞いが、極めてジェントルなのだ。相模湾を横目に流すようなクルージングでは、エンジンは黒衣に徹し、車内は静寂に包まれる。

このパワーユニットの真価を実感したのは、箱根ターンパイクの料金所を抜け、急勾配へとノーズを向けた時だ。最高出力145kW(197ps)、最大トルク300Nmを発生するエンジンに、モーターが絶妙な塩梅で介入する。

ターンパイク特有のキツい上り坂でアクセルを踏み込んでも、発進時のトルクアシストによって車重1.7トンを超えるAWDボディを、まるで一回り軽いクルマであるかのように軽快に押し出していく。モーターのアシストが極めて自然なため、ターボラグを見事に打ち消したシームレスな加速を息継ぎなしに味わうことができるのだ。

AWDがもたらす盤石のスタビリティとターンパイクでの躍動

さらに標高を上げ、連続する中高速コーナーへと飛び込んでいく。ここで光るのが、CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)プラットフォームがもたらす一級品のボディ剛性と、AWD(四輪駆動)の恩恵だ。

路面のアンジュレーションを乗り越えた際のダンピングは、初期のXC40に見られた少し張りのあるスポーティなものから、よりしなやかでフラットな乗り味へと明確に進化している。ロールは許すものの、その動きは極めて自然でコントロールしやすい。

そして何より、クリッピングポイントからアクセルを開けていった際のトラクションが素晴らしい。FFモデルでも十分なスタビリティを持つXC40だが、AWDモデルはリアタイヤがしっかりと路面を蹴り出し、ノーズをグイグイとイン側へと向けていく感覚が強い。ターンパイクの上りコーナーからの立ち上がりにおける安心感は絶大であり、ドライバーに「もっと走りたい」と思わせるような、心地よい躍動感に満ちている。

デジタルとシームレスに繋がる「Google搭載インフォテインメント」

心地よいドライビングフィールを堪能しながら、改めて感心させられたのが、センターダッシュボードに鎮座する9インチ・タッチスクリーンに集約されたインフォテインメントシステムの優秀さだ。

ボルボは他メーカーに先駆けて、Googleのシステムをネイティブ搭載する決断を下したが、その恩恵は計り知れない。「OK, Google」とステアリングを握ったまま語りかけるだけで、極めて優秀な音声アシスタントが瞬時に目覚めるのだ。そのまま目的地を告げれば、使い慣れたGoogleマップが立ち上がり、常に最新の地図データと交通情報に基づいた的確なルートを案内してくれる。これにより、従来の車載ナビ特有であった「データ更新の煩わしさ」からは完全に解放された。

また、スマートフォンを取り出すことなく、音声のみでSpotifyなどのストリーミングアプリを操作し、好みのプレイリストを呼び出せるシームレスなエンターテインメント環境も、長距離ドライブにはありがたい。物理スイッチを極力減らしながらも、空調などのよく使う機能へは迷わずアクセスできる直感的なUIの仕上がりも見事と言うほかない。

クルマとデジタルライフがこれほどまでに違和感なく溶け合う空間は、情報過多な現代において、ドライバーの思考を邪魔しない「究極のストレスフリー」を実現している。

アンバサダーの杏さんが体現する「人を思いやる」北欧の哲学

XC40の最近の話題といえば、俳優・モデルの杏さんをアンバサダーに起用した新CMシリーズ「人を思いやる、あなたへ。」である。映像の中で、XC40のステアリングを握る杏さんは、ルームミラー越しに後部座席でくつろぐ我が子を穏やかな表情で見守っている。

ボルボが長年追求し続けてきた「安全」とは、単なるカタログ上のスペックや無機質な電子制御の羅列ではない。自分自身や大切な家族はもちろん、街を歩く見知らぬ人々をも等しく守り抜くという、確固たる信念だ。杏さんの社会に対する誠実な姿勢や、多忙な日常の中で家族との時間を慈しむライフスタイルは、ボルボがXC40に込めた「人への温かな眼差し」と見事に共鳴している。
ちなみにこのCMの放映後、ボルボのディーラーにXC40目当てで訪問する方が従来の2倍に増え、購入者も増加しているというから、まさに「杏さん効果」といえるだろう。

Googleシステムがもたらす知的な利便性と、人を優しく包み込む「北欧の心」。XC40 ウルトラ B4 AWDは、最先端のテクノロジーをひけらかすことなく、乗る人の人生に静かに寄り添う、得難いパートナーと言えるだろう。

日常から週末のワインディングまでをプレミアムに変える「最良の道具」

SUVという道具としての高い実用性を備えながら、触れるもの、目に入るものすべてに上質さを感じさせるXC40 ウルトラ B4 AWD。単なる移動手段を越え、乗る人のライフスタイルそのものを豊かに彩る力を持っている。派手な演出でドライバーを煽るのではなく、西湘バイパスでの優雅なクルージングから、箱根のワインディングでのスポーティな走りまで、あらゆるシーンをプレミアムな時間へと昇華させてくれる1台だ。「成熟」という言葉がこれほど似合うコンパクトSUVは、そう多くはない。

【specification】ボルボXC40 ウルトラ B4 AWD

■車両本体価格(税込)=6,390,000円
■全長/全幅/全高=4440/1875/1655mm
■ホイールベース=2700mm
■車両重量=1720kg
■エンジン種類=B420T6/直4DOHC16V+ターボ+モーター
■総排気量=1968cc
■最高出力=197ps(145kW)/4750-5250rpm
■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1500-4500rpm
■モーター型式/種類=3303/交流同期電動機
■モーター最高出力=8.5kW/3000-8000rpm
■燃料タンク容量=53L(プレミアム)
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■燃費(WLTC)=14.2km/L
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前 ストラット/コイル 後 マルチリンク/コイル
■ブレーキ 前/後=Vディスク/Vディスク

■タイヤ(ホイール)=前 235/50R19(7.5J)後 235/50R19(7.5J)

問い合わせ先=ボルボ・カー・ジャパン https://www.volvocars.com/jp

【画像35枚】もはやコンパクトSUVの王者か。ボルボ XC40 ウルトラ B4 AWDが「最良の選択」と呼ばれる理由

相澤隆之

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