






















世代を超えた「対(マッチド・ペア)」という新たな贅沢
レンジローバーは、新たな特別仕様である「レンジローバーSVウルトラ」と見事に調和するよう専用に仕立てられた、1993年型「レンジローバー・クラシック」のビスポークモデルを発表した。両車はエクスクルーシブな「マッチド・ペア」として、2026年8月のモントレー・カー・ウィーク内で行われるRMサザビーズのオークションに出品される。レンジローバーのクラシック部門が2000時間以上を費やして完成させた、至高のレストアモデルである。
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液体金属の輝きとクリーンな造形。SVウルトラと共鳴するエクステリア
今回発表された1993年型レンジローバー・クラシックは、新型のレンジローバーSVウルトラにおいて導入された新色「タイタンシルバー」を身にまとっている。このボディカラーは、本物の微細なアルミニウムフレークと高度な顔料技術を組み合わせることで、まるで液体金属のような、高い反射率を誇る玉虫色の表面効果を生み出している。さらにエクステリアのサイドトリムを取り払うことで、新型SVウルトラに通じるクリーンな面構成を表現した。
足元には、ダイヤモンドターンド・コントラストリムがあしらわれたサテンプラチナアトラス仕上げの16インチ3スポークホイールを装着する。ボンネットには新しいSVウルトラのスクリプトが配され、その下には、この車両が初のビスポークによるマッチド・ペアのコミッションであることを証明する特別なプラークが設置されている。
伝統の空間に新素材「Ultrafabrics」を。モザイク柄が彩る至高のキャビン
インテリアにおいても、新型SVウルトラとの見事な連動が図られている。レンジローバー・クラシックとして初めて、新素材である「Ultrafabrics」を採用し、オーキッドホワイトとシンダーグレーという明るいデュオトーンのカラーウェイを再現した。これにより、穏やかでデザイン性に富んだ空間が生み出されている。ダッシュボードやエアコンの吹き出し口はシンダーグレーで統一され、ステアリングホイールも2色のデュオトーンで仕上げられた。
さらにシートには、新型SVウルトラで初披露されたレーザー加工による複雑なモザイク柄のパーフォレーション加工が施されている。この意匠はシートの立体的な上部からインサート、そしてバックレストに至るまで貫かれている。特注のドアトリムにはブラッシュドアルミニウムのハンドルがあしらわれ、スピーカーカバーやフィニッシャーもカラーマッチングされるなど、細部に至るまでこだわりが詰め込まれている。
2000時間の情熱。3.9L V8のアナログな鼓動と現代的信頼性の融合
ベースとなった車両は、アメリカ市場向けに生産されたカウンティ・エディションだ。ボンネットの下には、3.9LのV8エンジンと4速オートマチックトランスミッションが搭載されている。熟練の職人チームは長年の設計およびエンジニアリングの専門知識を結集し、製造から塗装、トリムの仕立て、そして最終組み立てに至るまで、2000時間にも及ぶレストア作業を実施した。
その過程ではメカニカルな真正性を保つことが大原則とされ、エンジンやトランスミッションはもちろん、サスペンション、ステアリング、ブレーキといったあらゆるコンポーネントが徹底的にリビルドされた。オリジナル車両が持つ個性と完全性を保ちつつ、信頼性と洗練性を高めることで、現代のクラフトマンシップと歴史的遺産の両方を体現するコレクターズアイテムへと昇華されている。
ランドローバー・クラシックのディレクターを務めるドミニク・エルムスは、このマッチド・ペアが同社のビスポークサービスによって真に個性的な車両を生み出せることを証明していると語り、いかなる世代のモデルであってもその本質を保ちながら価値を高められると自信を見せた。
究極のビスポーク体験をアピール。歴史的「ペア」は8月のモントレーで競売へ
レンジローバーが展開するビスポークサービスは、カスタム刺繍やスクリプト、豊富な最高級レザーや持続可能な非レザー素材の選択肢など、幅広いパーソナライゼーションを可能としている。「マッチ・トゥ・サンプル」サービスを利用すれば、思い描くあらゆるエクステリアカラーをオーダーすることもできる。さらにクラシック部門でのコミッション体験では、社内のデザイン専門家とともに世界に一台だけの仕様をキュレートすることが可能だ。
この歴史的なマッチド・ペアは、米国モントレー・カー・ウィークの期間中に一般公開される。8月12日から14日にモントレー・カンファレンス・センターで開催されるRMサザビーズのオークション・プレビューにて展示され、アメリカ市場向けの第一号車となるレンジローバーSVウルトラと、それにインスパイアされたこのレンジローバー・クラシックが並んで披露される。そして8月14日の午後5時30分から始まるライブオークションにて、これら世代を超えた2台が競り落とされる予定だ。
【ル・ボラン編集部より】
レンジローバーが長年培ってきた「砂漠のロールスロイス」という異名は、最新のSVウルトラにも色濃く受け継がれている。今回披露された1993年型クラシックは、最新の素材と塗装を纏いつつも、3.9L V8というアナログな鼓動を宿す。無骨なクロカン由来の骨格と、ビスポークによる絢爛たる設え。この一見相反する要素が違和感なく同居する点にこそ、英国貴族の美学が宿っているのだ。過去の遺産を単に保存するのではなく、現代の解釈で再構築する姿勢は、ブランドの揺るぎない自信の表れである。
【画像23枚】液体金属の輝きと新素材の融合。2000時間を費やした「93年型レンジローバー・クラシック」の全貌を見る



