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VWの血を引く本物のポルシェ。924生誕50年、トランスアクスルが導いた理想の重量配分と哲学

ポルシェの歴史を変えた革新のフロントエンジン

ポルシェが誇る「924」の誕生から、半世紀が経過した。リアエンジンを代名詞としてきたポルシェにおいて、フロントエンジンとトランスアクスルレイアウトを採用した924は、当初異端の存在として受け止められた。しかし、日常使いにも適したこの画期的なスポーツカーは、経営的な過渡期にあったポルシェを支え、新たな可能性を切り開く原動力となった。本稿では、924がいかにしてポルシェのDNAを再定義したのか、その足跡を振り返る。

【画像15枚】これぞポルシェのDNAを広げた革新のフロントエンジン。50年を経ても色褪せない「924」の流麗なシルエットをすべて見る

フォルクスワーゲンの開発委託から生まれた「本物のポルシェ」

1970年代、ポルシェのヴァイザッハ研究所では、従来のブランドイメージとは大きく異なる車両の開発が進められていた。角張ったラインに長いノーズ、そして大きなガラスのリアハッチを備えたその車は、元々はフォルクスワーゲンからの開発委託プロジェクト「EA 425」としてスタートしたものだった。当時のデザイナーたちは、過去の前例にとらわれることなく、真っ白なキャンバスに直感的に新たなスポーツカーの姿を描き出していったのである。

しかし、1970年代のエネルギー危機などの影響により、フォルクスワーゲンはこのプロジェクトを白紙に戻す決定を下す。そこでポルシェは開発費用を引き受けてプロジェクトを買い取り、自社のモデルとして世に送り出す決断を下したのだ。こうして誕生した924は、実用性の高い2+2シーターレイアウトを備え、「ファミリー・スポーツワゴン」と称されるほど日常の使い勝手に優れた、全く新しいポルシェとして完成したのである。

理想の重量配分を実現したトランスアクスルレイアウト

924を技術的に特徴づけているのが、トランスアクスル・コンセプトの採用である。これは、エンジンをフロントに置き、トランスミッションをリアアクスルに配置して、両者を剛性の高いシャフトで繋ぐという構造だ。ポルシェの歴史上初めてエンジンが乗員の前方に配置されたわけだが、この風変わりなレイアウトは決して思いつきではなく、開発の初期段階から理想のスポーツカーを追求した結果の選択であった。

トランスアクスル構造がもたらす最大の利点は、フロントとリアのバランスの取れた重量配分である。当時のテストエンジニアであったローランド・クスモウルは、924を高速走行時や横風の中でもコントロールしやすい車だと高く評価した。後に登場する高性能モデルの924ターボにおいても、限界まで追い込んでも扱いやすい特性は健在であり、厳しいラリーの舞台でも「本物のポルシェ」としての確かな実力を証明している。

ブランドの窮地を救った大ヒットと未来への礎

当初はポルシェとして意図されていなかった924だが、結果的に大成功を収めることとなる。1976年から1988年までの間に、さまざまな派生モデルを含めて15万台以上が生産され、これは同期間の911の生産台数に匹敵する数字であった。手頃な「エントリー・ポルシェ」として新たな顧客層を開拓した924は、並行して開発された高級グランツーリスモの928とともに、過渡期にあったポルシェの経済基盤を強固なものにしたのである。

924が築いたトランスアクスルの系譜は、その後の944や968といったモデルへと受け継がれていった。911という絶対的なアイコンに依存しすぎるリスクを回避し、未知の領域へ踏み出した当時の決断は、巨大なリスクを伴う戦略的勇気であったといえる。発売から50年を迎えた今、トランスアクスルモデルのモダンなデザインと実用性は再評価されており、特定のエンジン位置に縛られず最良を追求するポルシェの真のDNAを今日に伝えている。

【ル・ボラン編集部より】

「ポルシェ=RR」という強烈なドグマにあって、924が背負った「異端」の十字架は重かった。しかし、他社からの委託という出自すら逆手に取り、トランスアクスルによる理想的な前後重量配分を手に入れた点は、技術者集団たるポルシェの意地そのものだ。実用性とスポーツ性の高次元での両立は、現代のパナメーラやタイカンが体現する「日常を彩るポルシェ」の源流と言える。RR神話に縛られず、物理の理に忠実であろうとした当時の決断は、半世紀を経た今こそ正当に評価されるべき歴史的アンカーである。

【画像15枚】これぞポルシェのDNAを広げた革新のフロントエンジン。50年を経ても色褪せない「924」の流麗なシルエットをすべて見る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photo: Porsche AG

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